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湯水のごとくお金を使おう
第706話
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さてさて、今度はどんな悪戯したのやら。
昨日は屋形船、今日は涼玉が二人に増えていた。
片方はスライムだろうか。
「ママ、さぁ大変、悪魔が出現して涼に化けた!」
「アー君が犯人かぁ、ほら、おやつにするからドリアンにクリーンかけてもらってね」
悪魔なんてどこで拾ってきたんだろう、ダンジョンかなぁ?
「おやつなにー?」
「蒸しパン、フルーツ味」
飲み物はお好みの味のミルクを選んでね。
「シャムス、何味にする?」
『いちご』
きゃっきゃと味を選ぶアー君、涼玉と悪魔が放置プレイ。
マールスも困った顔でそわそわしている、そうか、解決しないと涼玉抱っこ出来ないのか、巻き込まれて不憫だね。
放置しようとしたけど涼玉の視線と涎の圧力に勝てなかった。
仕方ないなぁ。
「はいはい、おやつの時間ですよー」
「……」
呆然としている所を抱き上げて席に座らせる。
「はい、野菜ジュースあーん」
「あ、あーん」
この子、演技下手。
仮にも悪魔なんだからもっと開き直らないと、よりによって何で我が家の幼児に擬態したんだろ、幼児なら舌足らずでごまかし易いと思ったのかな?
「ほうれん草味ですよー」
「あー」
あとうちの子は野菜味のおやつなんて滅多に食べません。
ほらご覧、シャムスはいちご、アー君はリンゴ味、本物の涼玉は桃味を選んでるよ。
「そもそも」
「!?」
膝の上に抱き上げたら体が一瞬固まった。
「うちの涼玉は重くて抱き上げられる人って限られてるんだよね」
「なんだと!!」
クワッと叫んだけどもう遅い、君の体は僕の腕の中だ。
アー君の悪戯に加担した罰として、全力で愛でてやろう、ほらほらぎゅーーー。
「ぐああああ!! 癒される! やめろぉぉ!」
「あー、やっぱり母上も弱点に入るのか」
涼玉だったものがあら不思議、丸々と太った幼児に変身。
「笑える」
『デーモンちゃんの負けー』
「俺に成り代わろうなんて、演技が雑なんだよ!」
「そうですぞ、そもそも再現が甘い!」
巻き込まれたマールスが憤慨して涼玉のことを熱弁し始めた。放っておこう。
「おのれ、どこでバレたんだ」
「割と最初からバレバレだったんじゃないか? 抱き上げられたのに喜びも笑いもしないなんてありえない」
「この子どうするの?」
「俺の兄弟を騙ろうとした罰として百年幼児の刑、そして――シヴァ召喚!!」
光の速さで転移してきたシヴァさんに演技下手な悪魔が渡され、事情を説明された。
「可愛らしい、悪魔さんですねー」
「ぎゃあぁぁああ、男児守護神がなぜここに! 助けてーーー!!」
「ああ愛らしい」
まん丸幼児の全身を撫でまわしながらシヴァさんは帰っていった。
「ふぅ、面白かった。おやつ食べよう」
「ちゅぎはチョコあじ」
「マールス、語りはもういいからレモン味取ってー」
「はい!」
悪魔幼児以外はみんな幸せな結果になった。
しかしあの人、悪魔界でも有名なんだな、ショタ守護神として。
昨日は屋形船、今日は涼玉が二人に増えていた。
片方はスライムだろうか。
「ママ、さぁ大変、悪魔が出現して涼に化けた!」
「アー君が犯人かぁ、ほら、おやつにするからドリアンにクリーンかけてもらってね」
悪魔なんてどこで拾ってきたんだろう、ダンジョンかなぁ?
「おやつなにー?」
「蒸しパン、フルーツ味」
飲み物はお好みの味のミルクを選んでね。
「シャムス、何味にする?」
『いちご』
きゃっきゃと味を選ぶアー君、涼玉と悪魔が放置プレイ。
マールスも困った顔でそわそわしている、そうか、解決しないと涼玉抱っこ出来ないのか、巻き込まれて不憫だね。
放置しようとしたけど涼玉の視線と涎の圧力に勝てなかった。
仕方ないなぁ。
「はいはい、おやつの時間ですよー」
「……」
呆然としている所を抱き上げて席に座らせる。
「はい、野菜ジュースあーん」
「あ、あーん」
この子、演技下手。
仮にも悪魔なんだからもっと開き直らないと、よりによって何で我が家の幼児に擬態したんだろ、幼児なら舌足らずでごまかし易いと思ったのかな?
「ほうれん草味ですよー」
「あー」
あとうちの子は野菜味のおやつなんて滅多に食べません。
ほらご覧、シャムスはいちご、アー君はリンゴ味、本物の涼玉は桃味を選んでるよ。
「そもそも」
「!?」
膝の上に抱き上げたら体が一瞬固まった。
「うちの涼玉は重くて抱き上げられる人って限られてるんだよね」
「なんだと!!」
クワッと叫んだけどもう遅い、君の体は僕の腕の中だ。
アー君の悪戯に加担した罰として、全力で愛でてやろう、ほらほらぎゅーーー。
「ぐああああ!! 癒される! やめろぉぉ!」
「あー、やっぱり母上も弱点に入るのか」
涼玉だったものがあら不思議、丸々と太った幼児に変身。
「笑える」
『デーモンちゃんの負けー』
「俺に成り代わろうなんて、演技が雑なんだよ!」
「そうですぞ、そもそも再現が甘い!」
巻き込まれたマールスが憤慨して涼玉のことを熱弁し始めた。放っておこう。
「おのれ、どこでバレたんだ」
「割と最初からバレバレだったんじゃないか? 抱き上げられたのに喜びも笑いもしないなんてありえない」
「この子どうするの?」
「俺の兄弟を騙ろうとした罰として百年幼児の刑、そして――シヴァ召喚!!」
光の速さで転移してきたシヴァさんに演技下手な悪魔が渡され、事情を説明された。
「可愛らしい、悪魔さんですねー」
「ぎゃあぁぁああ、男児守護神がなぜここに! 助けてーーー!!」
「ああ愛らしい」
まん丸幼児の全身を撫でまわしながらシヴァさんは帰っていった。
「ふぅ、面白かった。おやつ食べよう」
「ちゅぎはチョコあじ」
「マールス、語りはもういいからレモン味取ってー」
「はい!」
悪魔幼児以外はみんな幸せな結果になった。
しかしあの人、悪魔界でも有名なんだな、ショタ守護神として。
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