神様のポイント稼ぎに利用された２

湯水のごとくお金を使おう

第669話

　城下での前哨戦、今日の午前の部、午後の部が終了、残すは夜の部。

　媚薬入りお酒や菓子類、新種の媚薬、大人なあれこれの新作も発表されるらしい。
　一番の注目はタイガの新作らしいけれど、媚薬とタイガの作品の組み合わせって危険じゃない？
　あぁ、そのために別料金で部屋が使えるように用意したのか。刀国は万年ベビーラッシュですね。

　夜の部は大人のための時間だから子供は立入り禁止。
　裏方を含めお手伝いの子供達は午後の部で撤収、アー君らも帰宅した。
　刀雲は将軍として警備のお仕事、騎士様はアー君の代理として参加するみたいで僕らを送ったらお城に戻っていった。
　ピンクな雰囲気に頑張って耐えてください。

　僕は余計なフラグが立たないよう、二人に対する対策はすでに打ってある。
　名付けて『パパを労わろう作戦』
　シャムスを筆頭に、子供達による癒しのフルコース、手作り料理や添い寝、もふもふまみれのお風呂もあるよ！

　そうそう、お金が面白いことになったあれ、午後の部始まる前だったらしく、あの後さらに増えたことは間違いない。
　夜の部では相当な金額が動くだろうと予想されているから、騎士様が空間を広げていなかったら今頃は夜空に金貨の雨が降っていただろう。

　さてここで一つ問題が。

「俺あそこに住みたい」

　金貨の海で泳いだ涼玉がその楽しさに味を占めてしまいました。
　
「国庫をドラゴンが守ってくれていたら国も安心だろうけど」
「涼はまだ赤ん坊だろ、殻も完全に取れないのに自立するのか？」
『涼ちゃんもう家に帰って来ないの？』

　金塊の山を守るドラゴンはファンタジーの定番、絵にはなるよね、立派な翼を持つドラゴンなら。
　ただうちの涼玉ってまだ殻を取らない幼児、威厳も何もない。
　能力も平和そのものだし、もしもの時に賊を攻撃する手段も持たない、ああその辺はマールスが受け持つのかな？

「扉繋げる！　こう、ホイッと」
「ああ、なるほど」
『かしゅがにお願いするのね』

　アダルトな大人二人がいないので、安心してスタミナ料理を出せるよ。

　大皿からはみ出るほど大きなサーロインステーキ、玉ねぎの炒めは味付けをピリ辛に、豚ヒレを使ってヒレカツはキャベツの千切りを添えて、前回好評だったスペアリブ。
　他にもグリルした野菜と各種お肉を一口サイズに切ってお皿に盛り付け、チーズフォンデュ。

　ネヴォラ経由でゴブリンから差し入れられたキノコを使って炊き込みご飯。
　……初級ダンジョンが食材ダンジョンになりつつある気がする、平和だし、冒険者の確実な収入に繋がる気もするけども！

「はい、ごはん出来ましたよー」
「うおおお、めしぃぃ！！」
『おなかしゅいたー！』
「兄様達、もふもふズ、夕食だよ」
「あおーーん」

　アカーシャが庭に向かって声をかけると、庭で戯れていた三匹ともふもふズが一斉に駆け付けた。
　自らクリーンをかけて埃や汚れを取り去ると、いそいそと空いている席に着く、涎落とさないようにね？
　いつもは宿舎や屋台飯らしいけれど、今日はパパがいないので幼児らが寂しがらないようにこちらに来てくれたみたい、おかげでもふもふ率がとても高い。

「神薙さん、今日は何を飲みますか？」
「リンゴワイン、辛口」
「ドリアンお願い」
「ハイ」

　神薙さんが指定したリンゴワイン、聖なるリンゴの中でも希少な黄金リンゴを使ってドリちゃんが作りました。
　希少という割にはイネスがモリモリ食べてるよね、何ならアイテムボックスに隠し持ってる。

　今って聖なる食物は何種類ぐらいあるんだろう？
　絶対知らないうちに種類増えてると思うんだよねー。