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湯水のごとくお金を使おう
第662話
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城下での争奪戦がひと段落したとアカーシャから報告があった。
「冒険者が何人か吹っ飛ばされて負傷したけど、通りがかりの孤児がポーションを売ってくれて事なきを得たらしいよ」
「タッグを組んでいる気配」
「通常価格より高めだったと愚痴られた」
『あらかせぎ』
「容赦ないよな」
ちなみに吹っ飛ばしたのはおばちゃん連中だったそうです、冒険者弱い、しっかり!
「回復した所で買おうとしたら売れ切れ、泣きながらダンジョンに金策に走ったら、モンスターにボコボコにされて同情したゴブリンに串焼きを安く売ってもらった。と長々と語られたんだが、あいつら弱すぎじゃないか?」
おやつのスルメをガジガジしながら語るアー君。
「ねぇアー君、もしかして初級ダンジョンの難易度、最初より上がってない?」
「え?」
「どう思うアカーシャ」
「うーん、可能性はありそう。自我があるってことは学習能力があるってことだからね、冒険者の動きを覚えて対処してもおかしくないかな?」
『あらら』
「かあちゃが訪問してから自我強くなったって!」
「ネヴォラも言ってましたな」
僕も原因の一端らしいです。
「いや、僕だけのせいじゃないと声を大にして言いたい!」
「えー」
『えー」
「ぶー」
幼児が揃って否定しているが、僕の影響は戦闘ゴブリンがメルヘンになる程度だったはず、それも途中で帰ってきたし!
「そもそも最初から自我あったよね」
あえてツッコミを入れなかったけど、あったよね!?
僕の影響もあるだろう、でもあのダンジョンのゴブリンは最初から個性豊かだった。
「まぁ自我がなきゃ子育てしないか」
「そうだね、将棋に父様を誘ったりもしないと思う」
「薬草ちゃいばい」
「釣りもしてるらしい」
「それらを売ってますしな。盛況らしいですぞ!」
最近ではチンチロリンで冒険者と賭けをして巻き上げているとか、チンチロリンを教えたのは刀雲らしいです。
ボスゴブリンに教えたら地味に広がって、いつの間にやら冒険者相手に勝負を始めたみたい、勝つと串焼き割引してもらえるらしいよ。
「正直に白状すると、初期に配置したゴブリン、なんかもう城で働けるレベルで知性ある」
ただ街に入れて働かせた場合、子供達とガチバトルになる可能性が高いっぽいです。
下働きや細々した仕事は子供達のお小遣い稼ぎにもなっていて、中には引継ぎありのお小遣い稼ぎもあるらしく、食い詰めた冒険者でさえ下手に手を出せない感じとのこと。
この辺の情報は学園に通っているアカーシャが詳しいんだよね。
「冒険者に仕事を回すために僕の方でも仕事を作っているんだけど、根こそぎ持っていく勢いだよ」
『たくまちい』
「おかしいよな、薬草採取とか冒険者の基本クエストのはずなのに」
「もはや独占じぎょーだぜ」
薬草もギルドで売るより孤児院に売る方が高く売れるそうです、買取もやっているとは初耳。
……孤児院って経営難のイメージが強いのだけど、刀国に限っては資金豊富のようです。
「はぁ、バザーで素材を買って、それで装備強化出来ればいいけど」
「回復薬で散財しているよね、バザーに間に合うのかな? 僕の方でギルドに特殊クエスト発行して対策しておくね」
「サンキュー」
いつの間にやらアカーシャがクエスト発行側に回っている件。
戦闘力ない分、経済面での成長が目覚ましいですね。
『スルメかちゃい』
「噛めば噛むほど味がでーるー」
シャムスと涼玉はスルメに挑み、噛み切れないと文句を言いながらもぐもぐしている。
「アー君、緑茶飲む?」
「飲む!」
このスルメ、巨大イカの足を小さく刻んだものなんだよね。
危険度の高い魔物だけあり、噛み応えがあるようです。
僕?
噛んでいるうちに顎が疲れてリタイアしました。
「冒険者が何人か吹っ飛ばされて負傷したけど、通りがかりの孤児がポーションを売ってくれて事なきを得たらしいよ」
「タッグを組んでいる気配」
「通常価格より高めだったと愚痴られた」
『あらかせぎ』
「容赦ないよな」
ちなみに吹っ飛ばしたのはおばちゃん連中だったそうです、冒険者弱い、しっかり!
「回復した所で買おうとしたら売れ切れ、泣きながらダンジョンに金策に走ったら、モンスターにボコボコにされて同情したゴブリンに串焼きを安く売ってもらった。と長々と語られたんだが、あいつら弱すぎじゃないか?」
おやつのスルメをガジガジしながら語るアー君。
「ねぇアー君、もしかして初級ダンジョンの難易度、最初より上がってない?」
「え?」
「どう思うアカーシャ」
「うーん、可能性はありそう。自我があるってことは学習能力があるってことだからね、冒険者の動きを覚えて対処してもおかしくないかな?」
『あらら』
「かあちゃが訪問してから自我強くなったって!」
「ネヴォラも言ってましたな」
僕も原因の一端らしいです。
「いや、僕だけのせいじゃないと声を大にして言いたい!」
「えー」
『えー」
「ぶー」
幼児が揃って否定しているが、僕の影響は戦闘ゴブリンがメルヘンになる程度だったはず、それも途中で帰ってきたし!
「そもそも最初から自我あったよね」
あえてツッコミを入れなかったけど、あったよね!?
僕の影響もあるだろう、でもあのダンジョンのゴブリンは最初から個性豊かだった。
「まぁ自我がなきゃ子育てしないか」
「そうだね、将棋に父様を誘ったりもしないと思う」
「薬草ちゃいばい」
「釣りもしてるらしい」
「それらを売ってますしな。盛況らしいですぞ!」
最近ではチンチロリンで冒険者と賭けをして巻き上げているとか、チンチロリンを教えたのは刀雲らしいです。
ボスゴブリンに教えたら地味に広がって、いつの間にやら冒険者相手に勝負を始めたみたい、勝つと串焼き割引してもらえるらしいよ。
「正直に白状すると、初期に配置したゴブリン、なんかもう城で働けるレベルで知性ある」
ただ街に入れて働かせた場合、子供達とガチバトルになる可能性が高いっぽいです。
下働きや細々した仕事は子供達のお小遣い稼ぎにもなっていて、中には引継ぎありのお小遣い稼ぎもあるらしく、食い詰めた冒険者でさえ下手に手を出せない感じとのこと。
この辺の情報は学園に通っているアカーシャが詳しいんだよね。
「冒険者に仕事を回すために僕の方でも仕事を作っているんだけど、根こそぎ持っていく勢いだよ」
『たくまちい』
「おかしいよな、薬草採取とか冒険者の基本クエストのはずなのに」
「もはや独占じぎょーだぜ」
薬草もギルドで売るより孤児院に売る方が高く売れるそうです、買取もやっているとは初耳。
……孤児院って経営難のイメージが強いのだけど、刀国に限っては資金豊富のようです。
「はぁ、バザーで素材を買って、それで装備強化出来ればいいけど」
「回復薬で散財しているよね、バザーに間に合うのかな? 僕の方でギルドに特殊クエスト発行して対策しておくね」
「サンキュー」
いつの間にやらアカーシャがクエスト発行側に回っている件。
戦闘力ない分、経済面での成長が目覚ましいですね。
『スルメかちゃい』
「噛めば噛むほど味がでーるー」
シャムスと涼玉はスルメに挑み、噛み切れないと文句を言いながらもぐもぐしている。
「アー君、緑茶飲む?」
「飲む!」
このスルメ、巨大イカの足を小さく刻んだものなんだよね。
危険度の高い魔物だけあり、噛み応えがあるようです。
僕?
噛んでいるうちに顎が疲れてリタイアしました。
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