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湯水のごとくお金を使おう

第660話

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 日が落ちてきた所で本日は解散。
 明日からまた学園だからね、授業の準備やら復習があるんだって、学生は大変ね。

「はいネヴォラ、お土産」
「やったー!」
「……」

 おにぎりとサンドイッチのセットの詰め合わせを渡すと、両手を挙げて無邪気に喜んでくれた。
 ゴブリンはその横で無言で頭を下げていたけど、あれは無口なのか喋れないタイプなのかどっちなんだろう?

「じゃあ帰る! お邪魔しました!」

 ネヴォラはゴブリンと手を繋ぐとそのまま転移で帰宅した。

「シャムス、このスライム欲しい」
「貰っていい?」
『ふつーのスラちゃんよー?』
「ノーマルタイプのパフェしか作れないけどいいのかって」
「そんな!」
「そこをなんとか!」

 双子がシャムスにワガママを言っている。
 パフェ、好きだもんね。

「やーよー」
「そんなぁぁ」
「シャムスお兄ちゃん、お願い!」
「やっ、あしょび来て」

 双子の負けだな。
 両手で顔をおおってぷるぷるしてる。

「シャムス」
「かーしゃま」
「もう一回」

 今夜の夕食、肉追加するから。

「ままー」
「可愛いっ!」

 ケモ耳幼児の舌足らずな感じが天使!

「ハイダル、帰るよ」
「やっと帰れる」

 ハイダル君、半泣きです。
 今からそんな状態で大丈夫だろうか、故郷に帰ったら奇跡がゲシュタルト崩壊するような事が起こるけど大丈夫かなぁ。

 生クリームたっぷりフルーツサンドを詰めたお弁当箱を翡翠君に渡すと、流れるように周防くんが双子を立ち上がらせる。

「もう一泊したいけど、じいちゃんが駄々こねるから帰る」
「泊まれないならお兄ちゃん連れて帰りたい!」
「はいはい、帰りますよ」

 カイちゃんがハイダル君の背を押しながら双子と共に帰っていった。
 あれ?
 カイちゃんの自宅ってここだよね?
 あれぇ?

「ママ、俺あれ食べたい、味付き玉子!」
「うんいいよ、他に何かあるかなー?」
『涼ちゃん何かある?』
「ギョーザ!」

 ふむ、餃子ならシャムス達もお手伝い出来るね、それも作ろう。

 本日の夕食、スペアリブと餃子は決定。
 あとは騎士様と刀雲が釣ってきた魚次第かな、そもそも夕食までに帰ってくるかな?
 意外と港でおっちゃんに誘われて酒場に繰り出したりとかありそう、よし、二人が帰ってきても来なくてもどちらでもいいいように、他にもおかず作ろう。
 メインは白飯でいいかな?

 そうしている内に餃子の準備が完了。

「スラちゃんには負けないぞ!」
『やる気に満ちてるの』
「俺、具を盛り付ける! マールス、スプーン取ってー」
「っは!」

 ちなみこちら、餃子の皮もドリちゃんの手作りのため、直径30センチぐらいの巨大な皮もある。
 もちろん神薙さん用です、僕らには到底扱えないので扱うのもドリちゃんのみです。

 目の前で焼いてそのまま食べるのもいいなー。
 幼児が楽しそうに餃子を作るのを見守りながら、僕はドリアンにホットプレートを出してくれるようにお願いした。
 ついでだからデザートもクレープとかにしようかなー。
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