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湯水のごとくお金を使おう
第644話
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お城の食堂で刀雲と合流、お昼を一緒に食べてキャッキャウフフして、刀雲は再び仕事に戻り、僕らは文官さんと一緒に再び宝物庫へ。
着いたらアカーシャと爺やさん、その他数人が待っていた。
「母様」
「アカーシャ来るの早いね!」
学園は?
「課外活動として認めてもらった」
その背後にズラリと並ぶ老若男女は商人の方々だろうか。
爺やさんが前に出てきて、文官さんと二言三言打ち合わせして何やら始めた。
「よぉイツキ」
「レモン国の王子!」
「アランな」
なぜか一緒に本物の王子まで来ていた。
聞いたら課外活動の見学として認めてもらったそうです、緩いところは緩いんだねあの学園。
「お前ら……やってくれたな、王命でマシューと婚約が成立したよ!」
「へぇおめでとー」
「ママ、ママ、言いだしっぺ俺!」
『忘れてた』
「言ってた気がする」
日々楽しく過ごしているからすっかり記憶の彼方でした。
そう言えばちょっと前にアー君らが内政干渉するために、交流のある国を政略結婚で縁を繋げたいって言ってたっけ。
……えっ、あれ実現したの!?
巻き込まれお疲れ様。
「シャムス、アー君、涼ちゃん、魔力使うけどいい?」
「お~」
『んー』
「がぉ」
アカーシャの問いに生返事で返してるけど大丈夫だろうか。
「アランならきっと良いママになるよ、お祝いに安産のお守り今度贈るね」
「なぜ俺が生む側なのが決定事項なんだ!」
「だって」
「うん、邪神の旦那を孕ませる勇気ある?」
『諦め肝心なの』
「ナーガの子供産む可能性もあるよなー」
「なるほど、我の義兄弟になるのですな」
そうか、マシュー君の伴侶であるナーガとマールスは兄弟だもんね、アランがマシュー君の嫁になるなら確かにマールスの身内になるな。
しかも涼玉とマールスが将来伴侶になるのは確定、つまり。
「近い未来、アランは僕の身内になるのか」
「は?」
「そこで涼を抱いてるマールスはナーガの弟だ」
『番なの』
「沢山生むぜ、マールスが!」
「えっ、我産む側!?」
涼玉が旦那さんなの!?
さすがのマールスも衝撃を隠せないようだ。
マールスは邪神の子、涼玉は古代竜の子。
二人の子供って災害度が高そうだね。
『お腹空いたの』
「すごい鳴ってる」
「なんで?」
いきなり盛大に幼児らのお腹が鳴り始めた。
状態異常無効があるからお腹を壊した訳ではない、だとすると空腹音になるけど、さっき刀雲と一緒に食べたばかりだよね?
「奥様、一つ目の目録でございます」
「うん」
僕らが話す横では、アカーシャ率いる商人団体が真面目に仕事をしていました。
目録ってあれだよね、一覧表みたいなやつ。
「見た目が豪華なのは他国の貴族に売ろうか」
「では私の店が承りましょう」
「うんお願い」
「アー君、アダマンタイトも売ってもいいの?」
「いいぞー」
「武器や防具も結構あるけど【破損】表示が多いね」
「ではそちらは鍛冶場を取り仕切る私が引き受けましょう」
ポンポン決まっていく。
アカーシャの采配能力が凄い、かっこいい!
「アカーシャ、どうやって仕分けしてるの?」
「アー君のサーチの応用、ただし情報を受け取るのは個人じゃなくこの巻物だけどね」
見せてもらった巻物の空白部分に高速で文字が書き込まれていく、魔法だ、ファンタジーだ。
なるほど、この巻物に宝物庫の中身をダウンロードしているんだね、魔力死ぬほど使いそうだな。
……ん?
「アー君達の魔力使ってる?」
「うん、了承もさっきもらった」
「この空腹、アカーシャのせいか! ママ、補給!」
『きゅるるー』
「マールス、非常食」
「涼玉様しっかりーー!!」
作業の邪魔にならないよう近くの中庭に移動し、慌ててアイテムボックスからドリちゃん特製サンドイッチを取り出す。
ミルクも持ってきておいて良かった。
「うぅ生き返る、傍から消費してる」
『効率悪いのー』
「改良を要求する、今すぐ!」
「涼玉様、ドリちゃんの実ですぞ」
「あーん」
「アランも食べさせるの手伝って」
「あ、ああ」
今日持たされたお弁当、やたら魔力が込められているとは思っていたけど早速役に立ったなぁ。
もしやドリちゃん、先見の能力開花した?
「雷の魔力も借りよう」
『僕、パパに助けてもらう、一回寝るの』
僕の腕の中で丸くなったシャムスが目を閉じ、数秒で眠りに入った。
「俺はどうしよう、マールス魔力くれ」
「涼玉様のためならば――ぐっ」
嬉々として手を差し出したマールスが辛そうに歯を食いしばる。怖い、怖い、顔怖い。
「あー消費が緩やかになってきた楽~」
「でもまだ終わらない、にいちゃお宝詰めすぎ」
「少しだけ反省している」
鑑定と情報記載を同時に行うあの巻物は便利だけど、魔力消費量を考えると使える人は限られそうだなぁ。
着いたらアカーシャと爺やさん、その他数人が待っていた。
「母様」
「アカーシャ来るの早いね!」
学園は?
「課外活動として認めてもらった」
その背後にズラリと並ぶ老若男女は商人の方々だろうか。
爺やさんが前に出てきて、文官さんと二言三言打ち合わせして何やら始めた。
「よぉイツキ」
「レモン国の王子!」
「アランな」
なぜか一緒に本物の王子まで来ていた。
聞いたら課外活動の見学として認めてもらったそうです、緩いところは緩いんだねあの学園。
「お前ら……やってくれたな、王命でマシューと婚約が成立したよ!」
「へぇおめでとー」
「ママ、ママ、言いだしっぺ俺!」
『忘れてた』
「言ってた気がする」
日々楽しく過ごしているからすっかり記憶の彼方でした。
そう言えばちょっと前にアー君らが内政干渉するために、交流のある国を政略結婚で縁を繋げたいって言ってたっけ。
……えっ、あれ実現したの!?
巻き込まれお疲れ様。
「シャムス、アー君、涼ちゃん、魔力使うけどいい?」
「お~」
『んー』
「がぉ」
アカーシャの問いに生返事で返してるけど大丈夫だろうか。
「アランならきっと良いママになるよ、お祝いに安産のお守り今度贈るね」
「なぜ俺が生む側なのが決定事項なんだ!」
「だって」
「うん、邪神の旦那を孕ませる勇気ある?」
『諦め肝心なの』
「ナーガの子供産む可能性もあるよなー」
「なるほど、我の義兄弟になるのですな」
そうか、マシュー君の伴侶であるナーガとマールスは兄弟だもんね、アランがマシュー君の嫁になるなら確かにマールスの身内になるな。
しかも涼玉とマールスが将来伴侶になるのは確定、つまり。
「近い未来、アランは僕の身内になるのか」
「は?」
「そこで涼を抱いてるマールスはナーガの弟だ」
『番なの』
「沢山生むぜ、マールスが!」
「えっ、我産む側!?」
涼玉が旦那さんなの!?
さすがのマールスも衝撃を隠せないようだ。
マールスは邪神の子、涼玉は古代竜の子。
二人の子供って災害度が高そうだね。
『お腹空いたの』
「すごい鳴ってる」
「なんで?」
いきなり盛大に幼児らのお腹が鳴り始めた。
状態異常無効があるからお腹を壊した訳ではない、だとすると空腹音になるけど、さっき刀雲と一緒に食べたばかりだよね?
「奥様、一つ目の目録でございます」
「うん」
僕らが話す横では、アカーシャ率いる商人団体が真面目に仕事をしていました。
目録ってあれだよね、一覧表みたいなやつ。
「見た目が豪華なのは他国の貴族に売ろうか」
「では私の店が承りましょう」
「うんお願い」
「アー君、アダマンタイトも売ってもいいの?」
「いいぞー」
「武器や防具も結構あるけど【破損】表示が多いね」
「ではそちらは鍛冶場を取り仕切る私が引き受けましょう」
ポンポン決まっていく。
アカーシャの采配能力が凄い、かっこいい!
「アカーシャ、どうやって仕分けしてるの?」
「アー君のサーチの応用、ただし情報を受け取るのは個人じゃなくこの巻物だけどね」
見せてもらった巻物の空白部分に高速で文字が書き込まれていく、魔法だ、ファンタジーだ。
なるほど、この巻物に宝物庫の中身をダウンロードしているんだね、魔力死ぬほど使いそうだな。
……ん?
「アー君達の魔力使ってる?」
「うん、了承もさっきもらった」
「この空腹、アカーシャのせいか! ママ、補給!」
『きゅるるー』
「マールス、非常食」
「涼玉様しっかりーー!!」
作業の邪魔にならないよう近くの中庭に移動し、慌ててアイテムボックスからドリちゃん特製サンドイッチを取り出す。
ミルクも持ってきておいて良かった。
「うぅ生き返る、傍から消費してる」
『効率悪いのー』
「改良を要求する、今すぐ!」
「涼玉様、ドリちゃんの実ですぞ」
「あーん」
「アランも食べさせるの手伝って」
「あ、ああ」
今日持たされたお弁当、やたら魔力が込められているとは思っていたけど早速役に立ったなぁ。
もしやドリちゃん、先見の能力開花した?
「雷の魔力も借りよう」
『僕、パパに助けてもらう、一回寝るの』
僕の腕の中で丸くなったシャムスが目を閉じ、数秒で眠りに入った。
「俺はどうしよう、マールス魔力くれ」
「涼玉様のためならば――ぐっ」
嬉々として手を差し出したマールスが辛そうに歯を食いしばる。怖い、怖い、顔怖い。
「あー消費が緩やかになってきた楽~」
「でもまだ終わらない、にいちゃお宝詰めすぎ」
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