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湯水のごとくお金を使おう
第608話
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夕方には何とか起きれるようになったけど、過保護なドリアンによって移動は禁止。
その代わりあれこれ世話を焼かれた。
僕は動けないけど、面会禁止なわけではなかったので、子供達が部屋に来てくれた。
『お見舞いなの』
差し出されたカゴに盛られた聖なる果実の数々。
リンゴとブドウはともかく、オレンジに桃まである。
また種類増えた?
「あとこれお菓子!」
「俺が作ったんだ!」
えへんえへんと涼玉が胸を張って自慢するそれは、紙のようにぺらぺらになったエビ。
「こうやって、こう!」
掌に載せてもう片方を思いっきり叩きつける動作。それは最早圧縮に近いんじゃないかな。
少なくともお菓子ではないけど……。
「ありがとう涼玉」
「えへへー」
ちなみに食感はちょっとパリッとしてた。
『おとーと』
「えっ、母上妊娠したのか!」
「俺の弟?」
「涼玉様の弟なら、我にとっても弟ですな!」
ふははははと笑いながらマールスはリンゴの皮を剥いてくれている。
いつも涼玉に剥いてくれているんだろう、かなり手際が良い。
「うん、女神様がいきなり覚醒しちゃってね。そうだアー君、メニュー画面の女神様御用達って非表示に出来る?」
「おう、朝飯前!」
微かに女神様の悲鳴が聞こえた気がするけど無視、アー君の下僕状態なのでこういう時は妨害出来なくてとても助かる。
「閨の覗きは生き甲斐らしいけど、俺にとっては母上の方が大事~」
「ありがとう。動けるようになったらおやつ奮発するからね!」
「やった!」
パンケーキにアイス特盛でも、お好み焼き食べ放題でもなんでも言って!
パフェもいいかなぁ。
「シャムスは何食べたい」
「いろいろー」
「小さいの食べ放題!」
「母上、スイーツバイキングで!」
「うん分かった」
どうせ今日は動けないし、今のうちにバイキング特集からチマチマ選んでおこう。
「そろそろご飯の時間だね」
「とりあえずご飯食べてくる!」
『お大事になの』
「よーし沢山食べるぞ!」
「涼玉様、早く大きくなってくだされ!」
「それは嫌」
賑やかな子供達が夕食のために部屋を去り、入れ違いでタイガがお見舞いに来てくれた。
「母よ、体は大丈夫か。無理をするな」
いや、タイガも原因の一環だからね?
むしろタイガの無茶のせいで動けないのですが。
「母よ魔力は足りているか、足りていないのなら――」
「すっごい足りてる! シャムス達が差し入れてくれた聖なる果実食べたから!」
魔力がぎっしり詰まった優れものだったよ!
だから魔力補給という名のエロはいらない。
「そういえばタイガ、魔族って知ってる?」
アー君に聞こうと思ってたけど、えびせんの衝撃で忘れてた。
「我だな」
「え?」
「我の父はラセン」
「うん、忘れがちだけどそういえばそうだね」
「ラセンの父、我の祖父こそ魔族の王」
そうなるとあの美人さん、転生したらムキムキの肉体になるのだろうか。
ああでも、ラセンは魔王様の奥様似でスラッと美人だからワンチャンあるな。
いやいやそれよりも。
前世も今回も魔族なら属性闇だよね。
聖なる果実食べちゃったけど大丈夫かな。
その代わりあれこれ世話を焼かれた。
僕は動けないけど、面会禁止なわけではなかったので、子供達が部屋に来てくれた。
『お見舞いなの』
差し出されたカゴに盛られた聖なる果実の数々。
リンゴとブドウはともかく、オレンジに桃まである。
また種類増えた?
「あとこれお菓子!」
「俺が作ったんだ!」
えへんえへんと涼玉が胸を張って自慢するそれは、紙のようにぺらぺらになったエビ。
「こうやって、こう!」
掌に載せてもう片方を思いっきり叩きつける動作。それは最早圧縮に近いんじゃないかな。
少なくともお菓子ではないけど……。
「ありがとう涼玉」
「えへへー」
ちなみに食感はちょっとパリッとしてた。
『おとーと』
「えっ、母上妊娠したのか!」
「俺の弟?」
「涼玉様の弟なら、我にとっても弟ですな!」
ふははははと笑いながらマールスはリンゴの皮を剥いてくれている。
いつも涼玉に剥いてくれているんだろう、かなり手際が良い。
「うん、女神様がいきなり覚醒しちゃってね。そうだアー君、メニュー画面の女神様御用達って非表示に出来る?」
「おう、朝飯前!」
微かに女神様の悲鳴が聞こえた気がするけど無視、アー君の下僕状態なのでこういう時は妨害出来なくてとても助かる。
「閨の覗きは生き甲斐らしいけど、俺にとっては母上の方が大事~」
「ありがとう。動けるようになったらおやつ奮発するからね!」
「やった!」
パンケーキにアイス特盛でも、お好み焼き食べ放題でもなんでも言って!
パフェもいいかなぁ。
「シャムスは何食べたい」
「いろいろー」
「小さいの食べ放題!」
「母上、スイーツバイキングで!」
「うん分かった」
どうせ今日は動けないし、今のうちにバイキング特集からチマチマ選んでおこう。
「そろそろご飯の時間だね」
「とりあえずご飯食べてくる!」
『お大事になの』
「よーし沢山食べるぞ!」
「涼玉様、早く大きくなってくだされ!」
「それは嫌」
賑やかな子供達が夕食のために部屋を去り、入れ違いでタイガがお見舞いに来てくれた。
「母よ、体は大丈夫か。無理をするな」
いや、タイガも原因の一環だからね?
むしろタイガの無茶のせいで動けないのですが。
「母よ魔力は足りているか、足りていないのなら――」
「すっごい足りてる! シャムス達が差し入れてくれた聖なる果実食べたから!」
魔力がぎっしり詰まった優れものだったよ!
だから魔力補給という名のエロはいらない。
「そういえばタイガ、魔族って知ってる?」
アー君に聞こうと思ってたけど、えびせんの衝撃で忘れてた。
「我だな」
「え?」
「我の父はラセン」
「うん、忘れがちだけどそういえばそうだね」
「ラセンの父、我の祖父こそ魔族の王」
そうなるとあの美人さん、転生したらムキムキの肉体になるのだろうか。
ああでも、ラセンは魔王様の奥様似でスラッと美人だからワンチャンあるな。
いやいやそれよりも。
前世も今回も魔族なら属性闇だよね。
聖なる果実食べちゃったけど大丈夫かな。
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