神様のポイント稼ぎに利用された２

巡り合い

第585話

　本日の刀雲の装い。

　漆黒の軍服！
　マント付き！！！

「かぁぁぁぁっこいいいい！！」
「イツキは軍服が好きだよな」

　好き！
　刀雲の良さ倍の倍だよね！
　いつもと違う凛々しさがひょわああああ、異世界万歳。

『ぱぱー』
「今度シャムスの軍服も作ってもらおうなぁ」
『おちょろい』
「刀羅と鬼羅は白の軍服かぁ、って、いるならお前らがマンモス乗れよ」

　双子も軍服。
　短パン。
　軍服に短パンってありなのだろうか、ミニスカもあるから、まぁありか。

　でも双子の外見って騎士様の少年期な感じで――。

（尊いよぉぉ、生きてて良かったぁ。女神業やってて良かっだぁぁぁ）

　女神様もこの通り脳がお祭り状態。
　あっ、春日さんなんであんな遠くに……録画かな？

「にいちゃ、にいちゃ！！」
「僕らじゃどっちが前に乗るかで喧嘩になっちゃうよ」
「涼玉は今日も元気だね」
「がおおー！」
「ラーシャも軍服！！」
「俺は鎧派だからなぁ」

　おや、珍しく刀国在住の我が子が揃いつつあるぞ。

（も、えええええええええええええええ）

　なんかいきなり女神様が発狂した。
　いつもの事とはいえ、何があったんだろうか。

「正装ってやっぱり肩凝るねぇ」

（きゃあああああ）

「アー君、ちょっと女神様の声遮断してくれる？」
「おう」

　ちょちょいと操作してもらった。
　あー脳に響いた。

「ありがと」
「朝飯前だぜ！」
「ははは、鈴がごめんねぇ」
「！！！」

　軍神がご降臨なされた！

　純白のシャツに真紅のネクタイ、幾つもの勲章がつけられた黒スーツ、肩にかけているだけのロングコート。
　騎士様まさかのフル装備。

　し・か・も

「今日は刀雲とお揃いだね～」
「ははは、俺の代わりにマンモス乗らない？」
「先導するから許して」

　オオオルバアアックッ

　正装しているから色気二割増し。
　いつもは装飾品なんて付けないのに、今日はブルーの宝石がついたピアス、髪を結っている紐もいつものその辺のやつを適当に使わず、金糸で編まれたキチンとした紐を使っている。

（あっ、これは女神様が発狂しても仕方ない）

　騎士様の言動一つで簡単にテンションが上下するのがあの人、こんな正装を見た日には数秒ごとに尊死を繰り返してもおかしくない。
　日本語がおかしい気がするけど、ここは異世界だからセーフ。

「母様」
『ほあああ』
「ひゅー！」
「マールスも軍服着てこい！」

　なんだ今日は軍服祭りか、アカーシャまで軍服だと！？
　短パンとか女神様とショタ守護神の良からぬ意図を感じる。

「学園の生徒も数人パレードに参加することになって」
「だんだん規模が大きくなってくよな！」
「僕らの身内に参加してもらうだけでこの豪華さ！」

　鬼羅の言う通り、身内の身分が高いから大変なことになっている。

　ドリアンは知ってたよね、みんなが軍服着るってこと。
　なんでこんな日にパンダポンチョを選んだの？