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巡り合い

第582話

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 メニュー画面を強制終了したらブーイングの嵐だった。

「ポイントなくなって、機能使えなくなったら困るのっ」

 何より連打に夢中で刀雲とアカーシャが出発したの気付かなかったでしょ、寂しそうだったよ。

「ちぇー」
『ちぇーなのー』
「でも楽しかった」
「はい!」
「よし決めた」

 何を決めたのでしょうか、神薙さんの決意に不安しか感じない。

「イツキのポイントを貯めよう! またやりたい!」
「えぇぇ」
「ポイントの貯め方って結構あいまい」
『神薙しゃまの願いなのよ』
「女神に奉納とか?」
「調子にのりませんか」

 マールスの言葉は正しい、ポイントのために奉納したらあの人は絶対に調子に乗る。乗ってさらなる要求してくるのは確実だ。

「色々試してみて、効率アップだー!」
「任せたからね」
『あい!』
「了解!」
「っは!」

 うぅ、神薙さんの発言力が強いぃ。

「じゃあ街の巡回行ってくる」
『いってらっしゃいなのー』
「マールス、俺らは書庫! お弁当!」
「承知!」

 神薙さんは街へ、涼玉とマールスは隠し部屋奥にある書庫に行った。
 僕は何をしようかな?

「とりあえず今日は」
「だんじょん!」
「……なんでいるんだ?」

 気配を感じさせずに気付けばいるのはエルフの能力だろうか、振り向けばそこにさつま芋を生のままかじるネヴォラがいた。

「ゴブリンが開店きかんってのしにきた」
「開店きかん?」
「もーかりますよーにって」
「祈願か、串焼き売り出し日だからな。神薙様に祈っておけばいいことはある」
『ねおちゃん、迷子?』
「迷子違う、アカーシャと逢引」
「アカーシャは学園だよ」
「!!」

 ショックを受けたようだ。
 さて一緒に来たゴブリンが探しているだろうから、ネヴォラを神社まで連れて行かないとね。

「シャムスとアー君も行く?」
「行く!」
「あい!」
「俺も行く~」
「わん!」

 手を挙げた騎士様の横でキリッとローも声を上げた。

「そういえば最近、イネスとラーシャ見ないけど元気?」
「ラーシャのそばで聖属性のものを食べるため、耐性をつけるって張り切ってました」
「死属性のラーシャに聖属性の耐性を? えっ、それってどんな拷問?」
「愛があればいけるいけるって女神が言ったのが原因」
「……ラーシャ、すまんっ」

 騎士様が頭を抱えてしまった。

「神薙さんがその方法で耐性つけてますしね」
『アー君の氷で晩酌してるの』
「限界まで清めた聖水は辛口、怨念の塊な蟲毒は珍味、バカップルがいちゃつきながら作った料理は激甘、刀雲の地獄カレーは目に来るって言ってた」
「刀雲のカレーが一番ダメージ与えてる?」

 激辛カレー愛好会を結成して辛さの限界に挑んでいるらしいけど、愛好会のあった翌日は家に帰って来ないんだよね。
 クリーンかけても匂いが残ってて、三匹を筆頭としたもふもふがダメージを負うから。

 どれだけ辛いのか覗いてみたい気はするけれど、もふもふに逃げられるのは僕自身がダメージ負いそうだから我慢してます。
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