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巡り合い
第574話
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そんな話をしたのが数日前。
「ネヴォラの故郷が滅びかけた」
「何があったんですか?」
朝から話題が重い。
少なくとも朝食の味噌汁を飲みながら出す話題じゃない。
『ごはんおかわりー』
「俺もおかわり、春だから腹減る」
「涼、この世界は今のところ夏しかないからな」
涼玉にツッコミを入れながらアー君も一緒にお代わりの催促をしている。
朝からよく食べるなぁ、成長期?
本日の朝食は僕がどうしても和食を食べたくなったので、見ただけで日本の朝食だと分かるラインナップになっています。
白飯とお味噌汁は鉄板。
お味噌汁自体はわかめだったり、大根の葉だったり、種類あるけどね。
おかずは半月に切った沢庵、焼き鮭の切り身と大根おろし、厚焼き玉子、切り干し大根の煮物。
そして――梅干し!
『すっぴゃい』
「……っ、っ!!」
「しんしゅのごうもんか!」
幼児にはちょっと不評だけど、刀雲は父親の威厳を保つために無言で耐えている。
「そっちは僕用だよ、みんなにはこっちの甘いのとカリッと梅がお勧め」
ドリちゃんにお願いしてかなりすっぱいのを作ってもらったからね、今日という朝食のために!
残ったら刻んでおにぎりにします!
「イツキ、足りない。おひつで食べていい?」
「いいですよ。っていうか神薙さん、同じ量から食べ始めなくてもいいんですよ?」
「たまには合わせてみたけど、やっぱり足りなかった。この鮭ほぐしておにぎり作って、大きさはシャムスの頭ぐらい」
「ハイ」
そして神薙さんの前にいつも通り大量の料理が並べられていく。
焼き鮭は切り身でなく丸ごと、厚焼き玉子なんて僕らの食べている玉子焼きの倍以上の大きさ、おひつに入った白飯と巨大おにぎり、浅漬け大根、トマトのチーズ焼き、キャベツの千切りとロースカツ。
あれ?
僕らの朝食よりメニューが多い?
「ぱぱぁ、おうめしゅっぱいの」
「はははシャムスにはまだ早かったな」
「前世があろうとも梅の前には無力だった」
「とうちゃ平気? 大人すげぇー」
「涼玉様っ、っく、我とてごれぐらい――すっっ」
平気アピールをしようとしたマールスが梅を一口かじって撃沈した。
邪神一家の一人なのに意外と食べれないものが多いね、人間とか食べれるんだろうか? いや食べなくてもいいんだけどね。
「あれ? アカーシャは梅平気?」
「うん、ギレンがたまに朝食に出してくれてたから」
「なるほど」
最愛の嫁のためなら和食の再現もなんのそのか、権力と行動力がある愛妻家って凄い。
「ごちーそーでした」
「シャムス挨拶上手になったなぁ」
『えへへ』
「刀雲、俺は箸を使えるようになったんだぞ!」
「アー君は器用だなぁ」
「ふふーん」
「とうちゃ、俺は朝食の鮭焼いた!」
「いい焼き加減だったよ、ごちそうさま」
「げひゃひゃひゃ」
なるほど、涼玉が朝食の手伝いしてくれた理由は刀雲に褒められるためだったんだね。
理由が可愛い。
「ネヴォラの故郷が滅びかけた」
「何があったんですか?」
朝から話題が重い。
少なくとも朝食の味噌汁を飲みながら出す話題じゃない。
『ごはんおかわりー』
「俺もおかわり、春だから腹減る」
「涼、この世界は今のところ夏しかないからな」
涼玉にツッコミを入れながらアー君も一緒にお代わりの催促をしている。
朝からよく食べるなぁ、成長期?
本日の朝食は僕がどうしても和食を食べたくなったので、見ただけで日本の朝食だと分かるラインナップになっています。
白飯とお味噌汁は鉄板。
お味噌汁自体はわかめだったり、大根の葉だったり、種類あるけどね。
おかずは半月に切った沢庵、焼き鮭の切り身と大根おろし、厚焼き玉子、切り干し大根の煮物。
そして――梅干し!
『すっぴゃい』
「……っ、っ!!」
「しんしゅのごうもんか!」
幼児にはちょっと不評だけど、刀雲は父親の威厳を保つために無言で耐えている。
「そっちは僕用だよ、みんなにはこっちの甘いのとカリッと梅がお勧め」
ドリちゃんにお願いしてかなりすっぱいのを作ってもらったからね、今日という朝食のために!
残ったら刻んでおにぎりにします!
「イツキ、足りない。おひつで食べていい?」
「いいですよ。っていうか神薙さん、同じ量から食べ始めなくてもいいんですよ?」
「たまには合わせてみたけど、やっぱり足りなかった。この鮭ほぐしておにぎり作って、大きさはシャムスの頭ぐらい」
「ハイ」
そして神薙さんの前にいつも通り大量の料理が並べられていく。
焼き鮭は切り身でなく丸ごと、厚焼き玉子なんて僕らの食べている玉子焼きの倍以上の大きさ、おひつに入った白飯と巨大おにぎり、浅漬け大根、トマトのチーズ焼き、キャベツの千切りとロースカツ。
あれ?
僕らの朝食よりメニューが多い?
「ぱぱぁ、おうめしゅっぱいの」
「はははシャムスにはまだ早かったな」
「前世があろうとも梅の前には無力だった」
「とうちゃ平気? 大人すげぇー」
「涼玉様っ、っく、我とてごれぐらい――すっっ」
平気アピールをしようとしたマールスが梅を一口かじって撃沈した。
邪神一家の一人なのに意外と食べれないものが多いね、人間とか食べれるんだろうか? いや食べなくてもいいんだけどね。
「あれ? アカーシャは梅平気?」
「うん、ギレンがたまに朝食に出してくれてたから」
「なるほど」
最愛の嫁のためなら和食の再現もなんのそのか、権力と行動力がある愛妻家って凄い。
「ごちーそーでした」
「シャムス挨拶上手になったなぁ」
『えへへ』
「刀雲、俺は箸を使えるようになったんだぞ!」
「アー君は器用だなぁ」
「ふふーん」
「とうちゃ、俺は朝食の鮭焼いた!」
「いい焼き加減だったよ、ごちそうさま」
「げひゃひゃひゃ」
なるほど、涼玉が朝食の手伝いしてくれた理由は刀雲に褒められるためだったんだね。
理由が可愛い。
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