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巡り合い
第544話
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そのまま帰って日常に戻ったと思うでしょう。
いつもならそうです、でも違った。
「まぁまぁ待てよイツキちゃん、久しぶりなんだからお話しよーぜー」
上機嫌の女神様にそう言われて引き止められました。
お話といっても一方的に酔っぱらった女神様が語っただけなんだけどね、ワイン一杯しか飲んでいないような、度数強すぎたのかな?
「ピンクヒロインは本当にストレスが溜まる存在でさぁ、あんなののどこがいいか全く理解できねぇんだよなー、攻略対象が魅了されている場合もあるけど、それにしても趣味が悪いっ! かーっこのワイン美味いっ!」
ワインって優雅に飲むイメージがあったのだけど、日本酒を飲み干すおっさんと言動が一致するのはなぜだろう。
「お花畑ヒロインと言えば悪役令嬢と攻略対象! 本来ならピンクとワンセットなはずなんだけどさ、悪役令嬢が圧倒的に足りないうえに役割を果たさない、攻略対象はいるにはいるけど地位も顔も劣化してるっつーか中途半端?」
帰りたいなー、度数強いお酒出して潰すか、アー君に助けを求めるか、どっちがいいかな。
とりあえず平和的に潰す努力をして、駄目だったらアー君呼ぼう。
「なぁなぁ悪役令嬢誰だと思う?」
「縦巻ドリルな髪形のご令嬢かなぁと」
今のところネリちゃんの他に、パーティー会場で見た子ぐらいしか知らないけど。
諫めるには諫めていたけど、アカーシャが現れたら速攻で役割交代してたな。
「あれなぁ、本来はコルネリアが筆頭令嬢として悪役ポジなんだけどさー、ほら、コルネリアってシャムス様のお気に入りだろ? 加護で守られて強制力が仕事しない」
コルネリア、シャムスのお気に入り……あっ、ネリちゃんのことか。
「でも悪役は必要だから美人で目立つ、尚且つ行動を正すよう注意するアカーシャにその役がいってるみたいでさぁ、アルジュナ様になんとかしろってせっつかれてるけど、やる気がいまいち出ない。ここらで一つ濃厚な閨を見ればやる気が出るかもしれねぇ」
焼酎、テキーラ、火酒、スピリッツ、これだけ飲ませても倒れない。
駄目か、アー君に助けを求めよう。
「なぁなぁイツキ、刀雲と教室で「教師と生徒」っていう設定でヤらない? 教室は用意するから! 放課後の誰もいない教室設定で頼みますよぉ!
「上司と部下」も捨てがたいな、新入社員が残業してたらいきなり上司に襲われるのっ! ぐふふ、スーツ、乱れたスーツとか涎出そう! いや、刀雲なら軍服とか騎士の装備でもいいな、そうなるとイツキは文官衣装とかどうだろっ! うひょーー!
体格差がロマン、机ガタガタ鳴らしながら泣くイツキを攻めまくってほしい、口調は強めか命令口調もいいよなー、ああ敬語攻めもいいなぁ。
それか動けない刀雲の目の前で無理矢理他の男にっていう寝取られプレイもやってみてほしい、その時の相手は冒険者とか希望、乱暴な行為が理想だな」
アー君助けてー。
腐女神様の語りが暴走始めちゃって逃げられないのー。
「母上に呼ばれてただいま参上!!」
「アー君待ってた!」
「最初は無理矢理だけど、何度もヤられているうちに恐怖を疑似愛にすり替えて男に抱かれて喜びを感じるようになるんだよ! なんて素敵なヤンデレルーーーーート!!」
「殺処分?」
「酔っ払いの言動を気にしちゃ駄目だよ、帰ろう」
「うん」
絶叫する女神様をゴミでも見るような目で見てから、小さな手で僕の手を握ってくれた。
「戦いで生死不明になる夫、泣き暮れる妻、慰める部下、やがて二人の間で愛が育まれ、お腹に新しい命が宿ったと分かったと同時に生還する夫! ど・ろ・ぬ・まーー!」
「あれが悪意を歪めた妄想力。あんなのに守られている現実が辛い」
気持ちは分かる。
でもさっきから叫んでいる内容が教育に悪過ぎるから、さっさと帰ろう、帰って騎士様のお見舞いにでも行こうか。
あの人しか女神様を制御できないからね~。
いつもならそうです、でも違った。
「まぁまぁ待てよイツキちゃん、久しぶりなんだからお話しよーぜー」
上機嫌の女神様にそう言われて引き止められました。
お話といっても一方的に酔っぱらった女神様が語っただけなんだけどね、ワイン一杯しか飲んでいないような、度数強すぎたのかな?
「ピンクヒロインは本当にストレスが溜まる存在でさぁ、あんなののどこがいいか全く理解できねぇんだよなー、攻略対象が魅了されている場合もあるけど、それにしても趣味が悪いっ! かーっこのワイン美味いっ!」
ワインって優雅に飲むイメージがあったのだけど、日本酒を飲み干すおっさんと言動が一致するのはなぜだろう。
「お花畑ヒロインと言えば悪役令嬢と攻略対象! 本来ならピンクとワンセットなはずなんだけどさ、悪役令嬢が圧倒的に足りないうえに役割を果たさない、攻略対象はいるにはいるけど地位も顔も劣化してるっつーか中途半端?」
帰りたいなー、度数強いお酒出して潰すか、アー君に助けを求めるか、どっちがいいかな。
とりあえず平和的に潰す努力をして、駄目だったらアー君呼ぼう。
「なぁなぁ悪役令嬢誰だと思う?」
「縦巻ドリルな髪形のご令嬢かなぁと」
今のところネリちゃんの他に、パーティー会場で見た子ぐらいしか知らないけど。
諫めるには諫めていたけど、アカーシャが現れたら速攻で役割交代してたな。
「あれなぁ、本来はコルネリアが筆頭令嬢として悪役ポジなんだけどさー、ほら、コルネリアってシャムス様のお気に入りだろ? 加護で守られて強制力が仕事しない」
コルネリア、シャムスのお気に入り……あっ、ネリちゃんのことか。
「でも悪役は必要だから美人で目立つ、尚且つ行動を正すよう注意するアカーシャにその役がいってるみたいでさぁ、アルジュナ様になんとかしろってせっつかれてるけど、やる気がいまいち出ない。ここらで一つ濃厚な閨を見ればやる気が出るかもしれねぇ」
焼酎、テキーラ、火酒、スピリッツ、これだけ飲ませても倒れない。
駄目か、アー君に助けを求めよう。
「なぁなぁイツキ、刀雲と教室で「教師と生徒」っていう設定でヤらない? 教室は用意するから! 放課後の誰もいない教室設定で頼みますよぉ!
「上司と部下」も捨てがたいな、新入社員が残業してたらいきなり上司に襲われるのっ! ぐふふ、スーツ、乱れたスーツとか涎出そう! いや、刀雲なら軍服とか騎士の装備でもいいな、そうなるとイツキは文官衣装とかどうだろっ! うひょーー!
体格差がロマン、机ガタガタ鳴らしながら泣くイツキを攻めまくってほしい、口調は強めか命令口調もいいよなー、ああ敬語攻めもいいなぁ。
それか動けない刀雲の目の前で無理矢理他の男にっていう寝取られプレイもやってみてほしい、その時の相手は冒険者とか希望、乱暴な行為が理想だな」
アー君助けてー。
腐女神様の語りが暴走始めちゃって逃げられないのー。
「母上に呼ばれてただいま参上!!」
「アー君待ってた!」
「最初は無理矢理だけど、何度もヤられているうちに恐怖を疑似愛にすり替えて男に抱かれて喜びを感じるようになるんだよ! なんて素敵なヤンデレルーーーーート!!」
「殺処分?」
「酔っ払いの言動を気にしちゃ駄目だよ、帰ろう」
「うん」
絶叫する女神様をゴミでも見るような目で見てから、小さな手で僕の手を握ってくれた。
「戦いで生死不明になる夫、泣き暮れる妻、慰める部下、やがて二人の間で愛が育まれ、お腹に新しい命が宿ったと分かったと同時に生還する夫! ど・ろ・ぬ・まーー!」
「あれが悪意を歪めた妄想力。あんなのに守られている現実が辛い」
気持ちは分かる。
でもさっきから叫んでいる内容が教育に悪過ぎるから、さっさと帰ろう、帰って騎士様のお見舞いにでも行こうか。
あの人しか女神様を制御できないからね~。
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