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巡り合い
第532話
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騎士様がお倒れになったそうです。
詳しく説明しますと、春日さんから神薙さんの妊娠を聞いた瞬間、膝から崩れ落ちたらしい。
お城での話し合いの最中だったため、部屋を借りてベッドに放り込んで報告のために戻ってきてくれたと。
「そう言う訳で俺とアイツは宴会欠席するけど」
「……」
「中止にしろとは言わないから、背後から顔を覗き込むのやめてくれないかなぁぁ」
真顔で顔を覗き込まれるのは春日さんも怖いようだ。
「俺ら抜きで楽しんでくれって言いたかっただけだから!」
「分かった」
「ふぅ」
心労絶えないですね。
お見舞いに聖なるさつま芋で作ったスイートポテトをどうぞ。
「サンキュー、あーうまー」
……春日さんが食べちゃったんですか、それ騎士様の分だったんだけどなぁ。
まだあるからいいけど。
「あれ?」
「おいし」
もう一度アイテムボックスから取り出したはずなのに手の中にない、何が起こったかは隣でご機嫌な邪神様を見て察した。
騎士様ごめんなさい、スイートポテト最後の一個は神薙さんの胃袋に消えました。
『神薙しゃまのごかいにんお祝いにまた何か植えよ』
「いいな、何にする?」
「リンゴ! 生でも焼いても食えるってドリちゃに聞いた! にいちゃリンゴ!」
「ぐえぇー俺をふりまわすなー」
どうも黒ちゃんと涼玉は相性が良くないみたいだね、事あるごとに黒ちゃんが涼玉のおもちゃになっているよ。
素早いはずなのに簡単に捕まってるのも不思議。
「神薙様へのお祝い! リンゴは涼が食べたいだけだろ?」
「ううん、リンゴがいい」
別のにしようと却下しかけたアー君を神薙さんが止めた。
「新種のリンゴでデザート」
リンゴのデザートってアップルパイぐらいしか思い浮かばないなぁ、あとうさぎリンゴとか?
後でメニュー画面で検索してみるとしようかな、今はやらない、夕食の準備があるから。
「まぁま」
こっそり席を立とうとしたけどダメだった。
露骨なほど猫撫で声なアー君に呼び止められてしまいました。
「なにかな?」
「お願いあるんだー」
小さな獅子の獣人が、ふわふわの尻尾を揺らしながらすり寄ってきた。
しかも、しかも!! くりっとした瞳で上目遣いに僕を見つめてるんです!
っく、可愛い!
「まーま」
「かーちゃ」
「イツキー」
「イツキ」
シャムスと涼玉に続き、黒ちゃんと神薙さんまでが媚を売ってきました。
あっ、春日さん呆れたような目でこっち見てないで助けてください。
「じゃあ、俺、行くわ」
「待ってください春日さん、この状況に僕一人で立ち向かえと!?」
「俺は忙しいんだ。報告しなきゃいけないしな!」
騎士様、心労で倒れたんだよね?
そんな人にさらなる心労をかけるの?
鬼や、この神様、鬼や!
なんて心の中でツッコミを入れていたら、サッと春日さんは転移してしまった。
その間にもアー君がメニュー画面を開いてと催促してくる。
しかもドリアンにクリーンをかけてもらった三匹が、食べ物の話をしている事を察知して僕の全身をかぎ始めた。
まだ出してないから、これからだから!
詳しく説明しますと、春日さんから神薙さんの妊娠を聞いた瞬間、膝から崩れ落ちたらしい。
お城での話し合いの最中だったため、部屋を借りてベッドに放り込んで報告のために戻ってきてくれたと。
「そう言う訳で俺とアイツは宴会欠席するけど」
「……」
「中止にしろとは言わないから、背後から顔を覗き込むのやめてくれないかなぁぁ」
真顔で顔を覗き込まれるのは春日さんも怖いようだ。
「俺ら抜きで楽しんでくれって言いたかっただけだから!」
「分かった」
「ふぅ」
心労絶えないですね。
お見舞いに聖なるさつま芋で作ったスイートポテトをどうぞ。
「サンキュー、あーうまー」
……春日さんが食べちゃったんですか、それ騎士様の分だったんだけどなぁ。
まだあるからいいけど。
「あれ?」
「おいし」
もう一度アイテムボックスから取り出したはずなのに手の中にない、何が起こったかは隣でご機嫌な邪神様を見て察した。
騎士様ごめんなさい、スイートポテト最後の一個は神薙さんの胃袋に消えました。
『神薙しゃまのごかいにんお祝いにまた何か植えよ』
「いいな、何にする?」
「リンゴ! 生でも焼いても食えるってドリちゃに聞いた! にいちゃリンゴ!」
「ぐえぇー俺をふりまわすなー」
どうも黒ちゃんと涼玉は相性が良くないみたいだね、事あるごとに黒ちゃんが涼玉のおもちゃになっているよ。
素早いはずなのに簡単に捕まってるのも不思議。
「神薙様へのお祝い! リンゴは涼が食べたいだけだろ?」
「ううん、リンゴがいい」
別のにしようと却下しかけたアー君を神薙さんが止めた。
「新種のリンゴでデザート」
リンゴのデザートってアップルパイぐらいしか思い浮かばないなぁ、あとうさぎリンゴとか?
後でメニュー画面で検索してみるとしようかな、今はやらない、夕食の準備があるから。
「まぁま」
こっそり席を立とうとしたけどダメだった。
露骨なほど猫撫で声なアー君に呼び止められてしまいました。
「なにかな?」
「お願いあるんだー」
小さな獅子の獣人が、ふわふわの尻尾を揺らしながらすり寄ってきた。
しかも、しかも!! くりっとした瞳で上目遣いに僕を見つめてるんです!
っく、可愛い!
「まーま」
「かーちゃ」
「イツキー」
「イツキ」
シャムスと涼玉に続き、黒ちゃんと神薙さんまでが媚を売ってきました。
あっ、春日さん呆れたような目でこっち見てないで助けてください。
「じゃあ、俺、行くわ」
「待ってください春日さん、この状況に僕一人で立ち向かえと!?」
「俺は忙しいんだ。報告しなきゃいけないしな!」
騎士様、心労で倒れたんだよね?
そんな人にさらなる心労をかけるの?
鬼や、この神様、鬼や!
なんて心の中でツッコミを入れていたら、サッと春日さんは転移してしまった。
その間にもアー君がメニュー画面を開いてと催促してくる。
しかもドリアンにクリーンをかけてもらった三匹が、食べ物の話をしている事を察知して僕の全身をかぎ始めた。
まだ出してないから、これからだから!
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