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家族が増えました
第387話
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ご報告いたします。
クラーケンのハーフの子が我が家に子守りに通う事になりました。
なんで?
「俺と、ナーガがここに通う暇がないので、代わりです」
血涙を流しそうな勢いのマシュー君を通しての正式な申し出なのも驚いたね。
「ナーガと頑張ってはいるのですが、なかなか子供が出来なくて……」
「毎晩絞ってるのですけど、何が足りないのでしょうね?」
「いや、マシュー君はまだ子供だからね、学生!」
そう言えば僕も学生だった気がする。
月日の流れを把握していないせいか、それとも日々が平穏なおかげか、地球での記憶も適当になってきたなぁ。
もう勉強は嫌だから学園にはいかないけどね!
「でもナーガは成熟しているので出来るはずなのですが、意外と難しい。子供が生まれたら将来的にはシャムス様の従者に育てます」
生まれる前から将来が決められている。
本来なら子供達の将来を決めちゃうのは歓迎したくないけど、両親がシャムスを溺愛しているから大丈夫だろう。
そう言う一族もいるしねー。
「シャム兄の従者になるのか、ならば任せろ!」
会話に割り込んできたのは港街にいるはずのヨムちゃんだった。
「ヨムちゃんどこから」
「池!」
そう言えば全身濡れてるね。
えっ、もしかして水を介して転移したの!?
「お前!」
「キュィ」
「俺の眷属にしてやる! 今ならお得な海の加護付き!」
「キュィー!」
今更だけど、すっっごい今更だけど、このハーフの子、人間の言葉使ってないね。
「これでママも安心、喋ってみろ!」
「よろちくお願いします」
「使っている内にスムーズに喋れるようになるから大丈夫、ママ俺凄い?」
「凄い凄い、ありがとー」
「凄いですね」
「これが神の加護の威力……一瞬で進化するなんて」
進化したの?
どこか変わったかな?
うーん、うーん、あっ、ケモミミの艶が良くなっている。気がする。
「ナーガ、俺凄い?」
「凄い、神の格が違う」
「えへへー、シャム兄達と能力共有がでっかいかな」
忘れていた。
そうだよ、そうだった。
ヨムちゃんはうちの子でシャムス達の兄弟であると同時に、神薙さんの御子でもあるからナーガ達とも兄弟だった。
元々世界の理をガン無視して能力や加護を共有してチートの意味を崩壊させているのに、そこに邪神の力も混ざっているって事でして……うわぁ、深く考えてなかったけど、これって大変なことだよね。
えっ、うちの子、人間食べ始めたりとかしないよね?
『ヨムちゃーん』
「シャム兄ー!」
庭でトラちゃんと遊んでいたシャムスがヨムちゃんに気付いて突進してきた。
結構な勢いだったのに難なく受け止め、子犬な兄をぎゅうぎゅう抱きしめている。可愛い。永久保存したい。
『シャム兄、素材持ってきたよ』
『母様に内緒』
『分かった、向こうでこっそり渡す』
なにやらこそこそ喋っているけど大丈夫だろうか。
「ママ、俺ちょっとシャム兄達と遊んでくるな!」
「怪しい」
止めるより早くシャムスを抱えて庭で待つアー君、雷ちゃんの所へ行ってしまった。
不安しか残らない。
神薙さんの能力って大食いぐらいしかイメージないけど、邪神としての力はあまり詳しく知らないんだよね。
でも騎士様が何も言ってないから大丈夫だと信じたい。
決して全てを諦めて悟りを開いた状態ではないと誰かそう言って!
クラーケンのハーフの子が我が家に子守りに通う事になりました。
なんで?
「俺と、ナーガがここに通う暇がないので、代わりです」
血涙を流しそうな勢いのマシュー君を通しての正式な申し出なのも驚いたね。
「ナーガと頑張ってはいるのですが、なかなか子供が出来なくて……」
「毎晩絞ってるのですけど、何が足りないのでしょうね?」
「いや、マシュー君はまだ子供だからね、学生!」
そう言えば僕も学生だった気がする。
月日の流れを把握していないせいか、それとも日々が平穏なおかげか、地球での記憶も適当になってきたなぁ。
もう勉強は嫌だから学園にはいかないけどね!
「でもナーガは成熟しているので出来るはずなのですが、意外と難しい。子供が生まれたら将来的にはシャムス様の従者に育てます」
生まれる前から将来が決められている。
本来なら子供達の将来を決めちゃうのは歓迎したくないけど、両親がシャムスを溺愛しているから大丈夫だろう。
そう言う一族もいるしねー。
「シャム兄の従者になるのか、ならば任せろ!」
会話に割り込んできたのは港街にいるはずのヨムちゃんだった。
「ヨムちゃんどこから」
「池!」
そう言えば全身濡れてるね。
えっ、もしかして水を介して転移したの!?
「お前!」
「キュィ」
「俺の眷属にしてやる! 今ならお得な海の加護付き!」
「キュィー!」
今更だけど、すっっごい今更だけど、このハーフの子、人間の言葉使ってないね。
「これでママも安心、喋ってみろ!」
「よろちくお願いします」
「使っている内にスムーズに喋れるようになるから大丈夫、ママ俺凄い?」
「凄い凄い、ありがとー」
「凄いですね」
「これが神の加護の威力……一瞬で進化するなんて」
進化したの?
どこか変わったかな?
うーん、うーん、あっ、ケモミミの艶が良くなっている。気がする。
「ナーガ、俺凄い?」
「凄い、神の格が違う」
「えへへー、シャム兄達と能力共有がでっかいかな」
忘れていた。
そうだよ、そうだった。
ヨムちゃんはうちの子でシャムス達の兄弟であると同時に、神薙さんの御子でもあるからナーガ達とも兄弟だった。
元々世界の理をガン無視して能力や加護を共有してチートの意味を崩壊させているのに、そこに邪神の力も混ざっているって事でして……うわぁ、深く考えてなかったけど、これって大変なことだよね。
えっ、うちの子、人間食べ始めたりとかしないよね?
『ヨムちゃーん』
「シャム兄ー!」
庭でトラちゃんと遊んでいたシャムスがヨムちゃんに気付いて突進してきた。
結構な勢いだったのに難なく受け止め、子犬な兄をぎゅうぎゅう抱きしめている。可愛い。永久保存したい。
『シャム兄、素材持ってきたよ』
『母様に内緒』
『分かった、向こうでこっそり渡す』
なにやらこそこそ喋っているけど大丈夫だろうか。
「ママ、俺ちょっとシャム兄達と遊んでくるな!」
「怪しい」
止めるより早くシャムスを抱えて庭で待つアー君、雷ちゃんの所へ行ってしまった。
不安しか残らない。
神薙さんの能力って大食いぐらいしかイメージないけど、邪神としての力はあまり詳しく知らないんだよね。
でも騎士様が何も言ってないから大丈夫だと信じたい。
決して全てを諦めて悟りを開いた状態ではないと誰かそう言って!
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