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ダンジョン

第363話

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 話し合いが終わり、神社の屋台でお土産を物色。
 お好み焼きとケバブ、フランクフルトを買ってもらいのんびりと家への道を歩く。

 家が見えてきた所で春日さんがボソリと呟いた。

「我が望みを叶えよ、さすれば汝が望みを叶えん」
「リクエストがあるなら普通に言ってください、ゲームのし過ぎですよ?」

 僕の望みを叶える力があるなら、自分で自分の望みを解決してください。

「俺もカレー食べてみたい、あと月餅を土産に欲しい」
「カレーは激辛から甘口まであります、月餅は了解しました」
「そうだなぁ、あいつらガキだから甘口かな」
「ご飯とナン、どっちがいいですか?」
「ナンで、あと一応辛さを緩和する飲み物も欲しい」
「はぁい」

 雪ちゃんはああ見えて辛口平気だけど、こうちゃんやいのちゃんが辛いの駄目なんだよねぇ。

「そうだあとさ」
「はい」
「俺も子供ほしー」
「謹んでご遠慮させていただきます」

 何か言いだしたよ、周囲に寝具がなくてなによ……宿舎がある。
 通り過ぎよう。

「えー、いいじゃないのぉ、うちの子の子供産んだんでしょ?」
「最終奥義」
「ん?」
「レイアさっ」
「ごめん、本当にごめん、冗談だから」

 言い切る前に口をふさがれた。
 ありがとう女神レイア様!!
 騎士様以外にも名前が利くって素敵!

「アイツは主神だろうが容赦しないから、勘弁して」

 そう言えば春日さんってレイアさんの主神なんだっけ、その設定って効力あるのかな?
 疑問に思って聞いてみた。

「正直、何も拘束力はない。むしろレイアの主神をやる事で俺が拘束されている感がある」

 春日さん曰く、レイアさんは自らに捧げられる信仰心を全て、「主神を敬うのは当然だ」と言いながら春日さんに捧げているらしい。
 お腹いっぱいだと告げても無理矢理口をこじ開けて物を詰め込む勢いで。

 お陰で春日さんは信者もいないのに全盛期より力が漲っている状態。

「本気で俺を主神として敬っているならまだマシなんだけど、全部ただの嫌がらせなんだよ。俺の加護がなければ神として覚醒しなかったから」
「敬うどころか恨まれている」
「レイアが女神として君臨する限り、俺……引退できないの」

 この世界の戦女神として知名度も信仰度も高いですよ、つまりこの世界がある限り引退不可。

 ご愁傷様でーす。
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