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ダンジョン
第354話
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なんだろう、僕だけど僕じゃない美化されたあの顔、どこかで見た事があるような。
うーーん
「あっ、タイガが作った僕のフィギュア!」
あれだ間違いない。
『母様せいかーい』
「さすが我が母、気付いたか」
なるほど、あれを使ったから美化された僕が簡単に作れた訳か。
「パパ、仕上げ!」
「わぁ最後丸投げかぁ」
苦笑いしながらも騎士様がもう一人の僕に対して何かを操作している。
「樹ー、ちょっと来て」
「はい」
呼ばれて傍に行ったら僕の前に座らされた。
鏡を見ているみたい、不思議な気分。
黒い髪、黒い瞳、平凡な顔に似合わない波乱な転生後の人生、周りがチートばかりで少々チートがゲシュタルト崩壊してるんだよね、そう考えると返って平凡って貴重なんじゃないだろうか、平凡万歳……いや、転生2年そこそこで子だくさんな時点で平凡じゃないな。
よし、帰ったら平凡を絵に描いたようなご飯作ろう。
それより子供達をお風呂に入れるのが先かな、きっと手間を省く為に魔法で済ませている可能性があるからね。
お風呂上りは牛乳。
縁側で庭を眺めながら夕涼みして、夕食のメニューは和を中心にしよう。
和……納豆、とか?
僕は食べたいけど、子供達が悲惨なことになりそうだね。
もうちょっと練ろう。
なんて考えていたらもう一人の僕の外見がちょっと変化していた。
どこにでもいる日本の平均的な学生らしく短髪だった黒い髪が腰まで伸び、ちょっと前のアカーシャみたいな色気をまとっている。
あれ?
「樹の魂とリンクさせてー、あとはこれとこれと~、はい樹の複製完成、樹と差を付けるために外見をちょっとだけ弄ったよ」
『完成よー』
「おー、母上と魂の繋がりあるな、すげーすげー」
「魂の双子と言っても過言はないな」
「匂いも一緒です」
「「わぅわぅわぅ」」
複製ってそんな簡単に出来るものなのだろうか、出来るかこのメンバーなら。
それに今の僕の体って女神様に作られたものだしね、女神様に出来る事をこの子達が出来ないわけがない。
「お行き」
「はい」
ゆっくり立ち上がった僕がヴァルの前へ移動してその手を取った。
「イツキ?」
「うん、ヴァルだけのイツキだよ」
「嬉しい」
納得してもらえたよ、みんな大手柄!!
「解決した。帰ってご飯」
「うん、まだだからね。あと君もさっさと帰ろうとしない」
納得してもう一人の僕を連れて帰ろうとしたヴァルを騎士様が止めた。
「俺らも帰りたいから巻きで説明するよ、もうちょっとだけ留まって」
「むぅ」
子供達に邪魔される前にと、騎士様は本当に簡潔に説明した。
まずこのダンジョンはダンジョンではなく、刀国の領地の一つとして扱う事が決められ、領主はもちろんヴァル。
魔王領と同じお隣扱いになるようだ。
ダンジョンから生成されるモンスターの名称はそのままだけど、その他のヴァルやガルーダ、ヘラ母さんやゴーレムなどのモンスターでも魔物でもない生き物は『魔獣』と名を定められた。
ヴァルに課せられた役目は今と変わらず、モンスターが領地の外に出ないように間引きする事。
魔王様が「一人で対処するな、周りに頼れ」とアドバイスしていた。経験談だろうな。
あとゴーレムはヴァルが引き取ってくれて、ガルーダはヘラ母さんを口説くために休みの時は刀国へと遊びに来ると泣きながら言っていた。
「十年、百年かかろうとも口説き続けます!」
だから恋人作らないでくださいねーー。と言う叫びを残してヴァル達と下層へと帰っていった。
これでひとまず今回の騒動は一区切りかな?
うーーん
「あっ、タイガが作った僕のフィギュア!」
あれだ間違いない。
『母様せいかーい』
「さすが我が母、気付いたか」
なるほど、あれを使ったから美化された僕が簡単に作れた訳か。
「パパ、仕上げ!」
「わぁ最後丸投げかぁ」
苦笑いしながらも騎士様がもう一人の僕に対して何かを操作している。
「樹ー、ちょっと来て」
「はい」
呼ばれて傍に行ったら僕の前に座らされた。
鏡を見ているみたい、不思議な気分。
黒い髪、黒い瞳、平凡な顔に似合わない波乱な転生後の人生、周りがチートばかりで少々チートがゲシュタルト崩壊してるんだよね、そう考えると返って平凡って貴重なんじゃないだろうか、平凡万歳……いや、転生2年そこそこで子だくさんな時点で平凡じゃないな。
よし、帰ったら平凡を絵に描いたようなご飯作ろう。
それより子供達をお風呂に入れるのが先かな、きっと手間を省く為に魔法で済ませている可能性があるからね。
お風呂上りは牛乳。
縁側で庭を眺めながら夕涼みして、夕食のメニューは和を中心にしよう。
和……納豆、とか?
僕は食べたいけど、子供達が悲惨なことになりそうだね。
もうちょっと練ろう。
なんて考えていたらもう一人の僕の外見がちょっと変化していた。
どこにでもいる日本の平均的な学生らしく短髪だった黒い髪が腰まで伸び、ちょっと前のアカーシャみたいな色気をまとっている。
あれ?
「樹の魂とリンクさせてー、あとはこれとこれと~、はい樹の複製完成、樹と差を付けるために外見をちょっとだけ弄ったよ」
『完成よー』
「おー、母上と魂の繋がりあるな、すげーすげー」
「魂の双子と言っても過言はないな」
「匂いも一緒です」
「「わぅわぅわぅ」」
複製ってそんな簡単に出来るものなのだろうか、出来るかこのメンバーなら。
それに今の僕の体って女神様に作られたものだしね、女神様に出来る事をこの子達が出来ないわけがない。
「お行き」
「はい」
ゆっくり立ち上がった僕がヴァルの前へ移動してその手を取った。
「イツキ?」
「うん、ヴァルだけのイツキだよ」
「嬉しい」
納得してもらえたよ、みんな大手柄!!
「解決した。帰ってご飯」
「うん、まだだからね。あと君もさっさと帰ろうとしない」
納得してもう一人の僕を連れて帰ろうとしたヴァルを騎士様が止めた。
「俺らも帰りたいから巻きで説明するよ、もうちょっとだけ留まって」
「むぅ」
子供達に邪魔される前にと、騎士様は本当に簡潔に説明した。
まずこのダンジョンはダンジョンではなく、刀国の領地の一つとして扱う事が決められ、領主はもちろんヴァル。
魔王領と同じお隣扱いになるようだ。
ダンジョンから生成されるモンスターの名称はそのままだけど、その他のヴァルやガルーダ、ヘラ母さんやゴーレムなどのモンスターでも魔物でもない生き物は『魔獣』と名を定められた。
ヴァルに課せられた役目は今と変わらず、モンスターが領地の外に出ないように間引きする事。
魔王様が「一人で対処するな、周りに頼れ」とアドバイスしていた。経験談だろうな。
あとゴーレムはヴァルが引き取ってくれて、ガルーダはヘラ母さんを口説くために休みの時は刀国へと遊びに来ると泣きながら言っていた。
「十年、百年かかろうとも口説き続けます!」
だから恋人作らないでくださいねーー。と言う叫びを残してヴァル達と下層へと帰っていった。
これでひとまず今回の騒動は一区切りかな?
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