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可愛い子には旅をさせよ
第309話
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アー君が一向に吐かないのでお酒の力を使うことにしました。
もちろん飲ませる相手はアー君じゃないからご安心を。
この度の護衛は傭兵団の「好意」なので、報酬はなくても特に問題はない。
刀雲が報酬交渉したけれど、真っ青になって首を振って拒否されたらしい、これは本格的に何があったか吐いてもらうしかないよね。
シャムスとアー君の護衛を無事終えた人達を尋問するのは良心が咎めるから、なるべく穏便に真実を明らかにしようね。という事で宴席を設けました。
アー君が居ては計画を阻止される可能性があるので、疲労から回復した魔物の馬さん達に子供達の相手をお願いした。
今頃ヒッポカムポスと競争して海面を走っていると思う。
「さぁ皆さんこちらの部屋にどうぞ」
ドンの一族の方々にも手伝ってもらい、神様達に好評の宴会料理をずらりと座敷に並べ、お酒はドリちゃんにお願いして我が家の在庫から。
レイアさんリクエストのワイバーン料理、獅皇さんお勧めのゴツゴツ唐揚げ、お弁当にあると嬉しいな騎士様推薦おにぎり、匂いだけですでに辛い刀雲印の激辛カレーなども並べました。
そして極めつけ。
邪神のために存在する一族が心血を注いで作り上げた邪神のための酒「邪神の甘露」、聖水を魔素の濃い所に置き、熟成させた猛毒……危なっ、これは神薙さん専用だね、他の人が飲まないように注意が必要だ。
上座に座って目をギラ付かせている神薙さんの前に置く、給仕する専属の人もいるので間違いが起こることはないだろう。
ドリちゃんに色々お酒用意してもらったけど、どれが一番美味しいんだろう?
まぁ騎士様達が喜んで飲んでいるし、どれもきっと美味しいってことでいいか。
「すっげぇ、ワイバーン料理がある」
「なんだこれ、スープ? 匂いが目に沁みるけど、食欲も刺激される」
部屋に案内された傭兵団の人達が席に着き、机に並んだ料理と高級酒に目を輝かせる。
「報酬を受け取らないお前達へのせめてもの礼だ」
「姉御が、優しい!」
「私だって労をねぎらうぐらいするさ」
言っている事はカッコイイ、ただ笑顔がすっごい黒い。
「神々の宴席に並ぶ料理だ、どんなに金を積んだって他じゃ食べれない料理を用意した」
「食べていいんスか?」
「夢じゃないよな?」
「ははは何を言ってるんだお前ら」
笑顔のレイアさんが取り出したのはラウルさんからのお手紙。
「お喋りタイムと行こうか、坊やたち」
「え、あの」
「皆さん本当に今回はありがとうございました、シャムスとアー君が無事に帰ってこれたのも皆さんのおかげです。感謝しているのは本当です」
「不穏なものを感じずにはいられない」
「ボス、俺、凄い逃げたいッス」
「ああ俺もだ」
「上座をご覧ください、神薙さんが舌なめずりしているのがお分かりですか?」
計画にあたり、神薙さんには味わって食べてくださいとは言ってある。言ってあるけど、拘束力がどのくらいあるかは不明。
「皆さんが気持ち良く本当の事を白状してくれれば、この料理は食べていただいて構いません」
「え、神子様?」
「ただ、黙秘を貫くなら悲しいですが、全部神薙さんの胃に消えます。神薙さんいいですよー」
「いただきます!!」
あっ、ダメだった。
いつも通りのスピードだわ、料理に意識が行って僕らの言葉飛んじゃったなあれは。
「ど、どどどどどうしようボス!」
「俺に聞くな!」
「アルジュナ様との約束が、でも俺ら昨日から何も食べてないッス!」
パニック起こしている暇はないですよー。
どんどん料理消えていきますからね~。
もちろん飲ませる相手はアー君じゃないからご安心を。
この度の護衛は傭兵団の「好意」なので、報酬はなくても特に問題はない。
刀雲が報酬交渉したけれど、真っ青になって首を振って拒否されたらしい、これは本格的に何があったか吐いてもらうしかないよね。
シャムスとアー君の護衛を無事終えた人達を尋問するのは良心が咎めるから、なるべく穏便に真実を明らかにしようね。という事で宴席を設けました。
アー君が居ては計画を阻止される可能性があるので、疲労から回復した魔物の馬さん達に子供達の相手をお願いした。
今頃ヒッポカムポスと競争して海面を走っていると思う。
「さぁ皆さんこちらの部屋にどうぞ」
ドンの一族の方々にも手伝ってもらい、神様達に好評の宴会料理をずらりと座敷に並べ、お酒はドリちゃんにお願いして我が家の在庫から。
レイアさんリクエストのワイバーン料理、獅皇さんお勧めのゴツゴツ唐揚げ、お弁当にあると嬉しいな騎士様推薦おにぎり、匂いだけですでに辛い刀雲印の激辛カレーなども並べました。
そして極めつけ。
邪神のために存在する一族が心血を注いで作り上げた邪神のための酒「邪神の甘露」、聖水を魔素の濃い所に置き、熟成させた猛毒……危なっ、これは神薙さん専用だね、他の人が飲まないように注意が必要だ。
上座に座って目をギラ付かせている神薙さんの前に置く、給仕する専属の人もいるので間違いが起こることはないだろう。
ドリちゃんに色々お酒用意してもらったけど、どれが一番美味しいんだろう?
まぁ騎士様達が喜んで飲んでいるし、どれもきっと美味しいってことでいいか。
「すっげぇ、ワイバーン料理がある」
「なんだこれ、スープ? 匂いが目に沁みるけど、食欲も刺激される」
部屋に案内された傭兵団の人達が席に着き、机に並んだ料理と高級酒に目を輝かせる。
「報酬を受け取らないお前達へのせめてもの礼だ」
「姉御が、優しい!」
「私だって労をねぎらうぐらいするさ」
言っている事はカッコイイ、ただ笑顔がすっごい黒い。
「神々の宴席に並ぶ料理だ、どんなに金を積んだって他じゃ食べれない料理を用意した」
「食べていいんスか?」
「夢じゃないよな?」
「ははは何を言ってるんだお前ら」
笑顔のレイアさんが取り出したのはラウルさんからのお手紙。
「お喋りタイムと行こうか、坊やたち」
「え、あの」
「皆さん本当に今回はありがとうございました、シャムスとアー君が無事に帰ってこれたのも皆さんのおかげです。感謝しているのは本当です」
「不穏なものを感じずにはいられない」
「ボス、俺、凄い逃げたいッス」
「ああ俺もだ」
「上座をご覧ください、神薙さんが舌なめずりしているのがお分かりですか?」
計画にあたり、神薙さんには味わって食べてくださいとは言ってある。言ってあるけど、拘束力がどのくらいあるかは不明。
「皆さんが気持ち良く本当の事を白状してくれれば、この料理は食べていただいて構いません」
「え、神子様?」
「ただ、黙秘を貫くなら悲しいですが、全部神薙さんの胃に消えます。神薙さんいいですよー」
「いただきます!!」
あっ、ダメだった。
いつも通りのスピードだわ、料理に意識が行って僕らの言葉飛んじゃったなあれは。
「ど、どどどどどうしようボス!」
「俺に聞くな!」
「アルジュナ様との約束が、でも俺ら昨日から何も食べてないッス!」
パニック起こしている暇はないですよー。
どんどん料理消えていきますからね~。
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