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可愛い子には旅をさせよ
第290話
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刀雲が船酔い起こして帰って来た。
「大丈夫?」
絨毯の上にふわふわのクッションが敷き詰められた寝床に沈む刀雲の背中をさする。
山の男は海に弱かったのかー、でも、あれ?
「刀雲、前にも船に乗ったよね?」
「今日は色々あったんだ、アー君の冒険談にも負けないぐらいの衝撃が」
本当に何があった。
「イツキ、悪いがちょっと来てくれ」
ギレンが入って来て呼び寄せられた。
「どうしたの?」
「お前の身内を止めてくれねぇか?」
「んん? 刀雲少し離れて大丈夫?」
「ぉー」
「すぐ戻るね」
ささっと解決して戻って来よう、騎士様が絡んでいたら見なかったことにして退却だ。
ギレンに誘導されて辿り着いたのは佐助と才蔵が拠点にしているプールだった。
「わぁ」
どこかで見た事のあるような魔物が、50mプールの中を唸り声をあげながらぐるぐる泳ぎ回っている。
女神様もいて、プールを覗き込みながら間抜けな顔をさらしてます。
あれだ、あのゲームだ、一狩り行くあのゲームで海竜種では初登場になったあの子だ。
海にも女神様の趣味が反映されているって判明した瞬間だね。
アー君が張り切っていたけれど、魔物を全て把握するのは不可能なんじゃなかろうか、っていうかどうやって捕まえたの!?
サイズは縮小されているっぽいけれど、それでもプールじゃ狭そうだよ?
「誤解だイツキ、水中にいても見えないからさすがに海域には手を出してない」
うわぁって目で見ていたら女神様が慌てて弁明して来た。
「じゃあこの子はなんですか? 露骨にあのモンスターですよね?」
「フィギュアすら作った覚えはない、うねる身体の表現が出来なくて」
「僕だよ」
名乗りを上げたのはなんと神薙さん。
詳しく聞くと、どうやらフィギュアを作ったのはタイガ、デザインの発案はアー君だった。
家にある魔物部屋に放つ予定だったのをアイテムボックスに入れて持ち歩いていて、海に放ったらどうなるかなーって思いながら船の上で取り出したら、船が揺れて海に落ちてしまった。と言うのがこの子が実体化してしまった真相。
「神薙さんが犯人なら仕方ないですね」
「扱いの差が気になる」
「腐女神様と家族同然に暮らしている邪神様じゃ当然です」
片や迷惑ばかりかけてくる女神様、片や同じ釜の飯を食べている邪神様、どちらに甘くなるかと言えば当然後者でしょう。
「うーん、海に還しますか?」
「どうしよっか」
女神様が作った訳ではないから、外見以外は何も設定されておらず攻撃はしてこない、ただ不愉快そうにプールをぐるぐる泳いでいるだけだ。
「人化出来れば一緒にお家に帰れるのに」
僕が何気なくそう言った瞬間、プールがカッと光って海竜種が消え、全身が鱗に包まれた全裸の男性が現れた。
久々にやってしまった。
そう言えば僕、獅皇さんの加護があるから凶悪な魔物も仲間に出来ちゃうんだった。
「大丈夫?」
絨毯の上にふわふわのクッションが敷き詰められた寝床に沈む刀雲の背中をさする。
山の男は海に弱かったのかー、でも、あれ?
「刀雲、前にも船に乗ったよね?」
「今日は色々あったんだ、アー君の冒険談にも負けないぐらいの衝撃が」
本当に何があった。
「イツキ、悪いがちょっと来てくれ」
ギレンが入って来て呼び寄せられた。
「どうしたの?」
「お前の身内を止めてくれねぇか?」
「んん? 刀雲少し離れて大丈夫?」
「ぉー」
「すぐ戻るね」
ささっと解決して戻って来よう、騎士様が絡んでいたら見なかったことにして退却だ。
ギレンに誘導されて辿り着いたのは佐助と才蔵が拠点にしているプールだった。
「わぁ」
どこかで見た事のあるような魔物が、50mプールの中を唸り声をあげながらぐるぐる泳ぎ回っている。
女神様もいて、プールを覗き込みながら間抜けな顔をさらしてます。
あれだ、あのゲームだ、一狩り行くあのゲームで海竜種では初登場になったあの子だ。
海にも女神様の趣味が反映されているって判明した瞬間だね。
アー君が張り切っていたけれど、魔物を全て把握するのは不可能なんじゃなかろうか、っていうかどうやって捕まえたの!?
サイズは縮小されているっぽいけれど、それでもプールじゃ狭そうだよ?
「誤解だイツキ、水中にいても見えないからさすがに海域には手を出してない」
うわぁって目で見ていたら女神様が慌てて弁明して来た。
「じゃあこの子はなんですか? 露骨にあのモンスターですよね?」
「フィギュアすら作った覚えはない、うねる身体の表現が出来なくて」
「僕だよ」
名乗りを上げたのはなんと神薙さん。
詳しく聞くと、どうやらフィギュアを作ったのはタイガ、デザインの発案はアー君だった。
家にある魔物部屋に放つ予定だったのをアイテムボックスに入れて持ち歩いていて、海に放ったらどうなるかなーって思いながら船の上で取り出したら、船が揺れて海に落ちてしまった。と言うのがこの子が実体化してしまった真相。
「神薙さんが犯人なら仕方ないですね」
「扱いの差が気になる」
「腐女神様と家族同然に暮らしている邪神様じゃ当然です」
片や迷惑ばかりかけてくる女神様、片や同じ釜の飯を食べている邪神様、どちらに甘くなるかと言えば当然後者でしょう。
「うーん、海に還しますか?」
「どうしよっか」
女神様が作った訳ではないから、外見以外は何も設定されておらず攻撃はしてこない、ただ不愉快そうにプールをぐるぐる泳いでいるだけだ。
「人化出来れば一緒にお家に帰れるのに」
僕が何気なくそう言った瞬間、プールがカッと光って海竜種が消え、全身が鱗に包まれた全裸の男性が現れた。
久々にやってしまった。
そう言えば僕、獅皇さんの加護があるから凶悪な魔物も仲間に出来ちゃうんだった。
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