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権力とは使う為にある

第239話

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 なんとかぐや、男の子でした!
 しっかり付くモノ付いてたよ!

「ええ、ですので化粧はふようです」

 外見は僕寄りだけど中身はアカーシャに似てる!
 っは、つまり僕の中にもオカン要素が眠っているって事か!

「身を飾る宝石類より、しょくりょうの支援をおねがいしたいです」
「かぐや、ちょっと目を閉じてね」
「ふようなのです」

 今何をしているかって?
 嫁に出す為の衣装や装飾の選別です。

 アカーシャが張り切ってお化粧施しているんだけど、あのスキルはどこで手に入れたのかな? かぐやは「やーん」って感じで嫌がっているけどスルーされてる。

『アー君、女神様から情報引き出した?』
『おう、今度は不正じゃないから母上にも公開できるぞ! 堂々とな!』
「とーうん」
「……おぅ」
「あのね、かぐちゃんのお嫁いしょー、ここからさがそ」

 舌足らずなシャムスが可愛いなぁ、一生懸命お喋りしてるのがきゅんとする。
 ちなみに刀雲は真っ白です、国と国を繋ぐ神事として行われるので否定の言葉すら言えないんだよね、お嫁に出すのを見送れるだけいいと思うんだ。
 だってアカーシャもタイガも即だったからね、お別れする時間は多少あるだけマシ! 僕は開き直ったよ!

「花嫁衣装か……はは、色々、あるなぁ」
「みんな白いの」
「汚したくなる感じが良いな、イツキにも着て欲しい」

 あ、なんか持ち直したっぽいね、シャムスありがとうって言いたいけど欲が僕に向いているのが複雑です。

「これナーガが着てたの」
「アオザイもいいな」

 待って、アオザイは民族衣装であって花嫁衣装じゃなかったような気がするんです、相変わらず興味ない知識が雑!

「うぉ、インドの衣装エロっ! アカーシャ、アカーシャ、これ着てくれ!」
「アカーシャは嫁にやらん!」

 カタログを覗いたギレンが興奮して目を輝かせたけど、刀雲が横から手を叩き落とした。
 二度目の嫁入りはまだまだ遠そうだなぁ。

「かぐや、次は紅を塗るよ」
「ふようなのにー」

 当の本人はそれをスルーしてかぐやの飾りつけに集中している。

「しょうがねぇ、ヴィシュタルにコピーもらうか」

 ギレン……欲望に忠実だね。
 あと僕もちらっとカタログ見せて貰ったけどさ、なんで女性用衣装オンリーなの!?
 途中からルークも参加して盛大に脱線し始めてるんだけど、この責任はどうお取りしてくれるんですかねぇ、女神様ー?

「とーうん、いしょーえらび!」
「っと、悪い悪い、選ぼうな~」

 ストップをかけたのはシャムスだった。偉い、おやつサービスするね!

「和装が似合いそうだなァ、ああこのページの白無垢ってやつだ」
「あのね、にゃーががね、このおぼーし重いって言ってた」
「角隠しって書いてあるな、ヴェールで代用すればいい」

 ここにはいないタイガはブーケを作るための花を探しに出ています、僕はドリちゃんとウェディングケーキの試作中、クロードさんのお陰で多少は絞れているんだけどねぇ。

「ママ、それ食べていーい?」
「神薙さんが帰ってきたらね」
「はーい」

 いっそ横綱ピザみたいに数個を合わせた大きさに……駄目だ、違う、神薙さんが食べるわけじゃないから普通のでいいんだよ。
 あー、でも一度作ってみたいなぁ、落ち着いたら子供達と作ってみよう、きっと楽しい。
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