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権力とは使う為にある
第231話
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えーっと、新しい仲間が増えました!
「ふははははは!! 我が闇の力にひれ伏すが良い!」
ボロボロのフードを被り、高笑いするどこかで見た事のあるこちらの威勢のいい子は自称「不死王リッチ」、RPGでボスとして活躍するあの子だね。
「食べれないから吐き出したらついて来た」
そう言って世話を丸投げされたけど、正直元の場所に戻してきて欲しい。
『リっちゃんお食事中よ』
『行儀が悪い奴は追い出すが』
「失礼いたしました」
静かになった。
シャムス、アー君、ありがとう。
ボスだろうがラスボスだろうが隠しボスだろうとも、うちのチートの塊な子供達に勝てるわけもなく、邪悪な存在も厨二な言動以外は完璧に封じられている。
二人ともありがとう、デザートにアイス一個追加しておくね。
「次は天丼」
「はい」
当の神薙さんは大盛りの天丼を美味しそうに食べている。
仕分けが間に合わなかったので食べ放題は明日に繰り越し、国家予算がまた増えるだろうから双子にも連絡済み。
「ただいま~、樹~労わってぇ~」
「騎士様お帰りなさい、本日は丼物なのでメニューから選んでドリアンに言ってください」
「労わりは?」
「本日の功労賞は神薙さんですので」
横に座って希望の丼物を次々提供している真っ最中なんです。
「はぁ、やっぱり味が付いているものがいいね」
神薙さんの舌が確実に肥えている。
ちなみにナーガは食べ過ぎで胸焼け起こして帰宅した。
今頃はマシュー君にお世話されている頃だろう、胃薬一応渡したけど大丈夫だろうか。
「モンスターは次からナーガに譲る」
この場に居たらきっと真っ青な顔で拒否されただろうなぁ。
ダンジョンの暴走は夜が近付いても終わらなかったけど、神薙さんが入口で踊り食いしている間に溢れた魔物は一掃され、あとは暴走が止まるのを待つだけだった。
けれど日も沈み、夕食の時間が近付いた所で神薙さんは気付いた――
「夕食食べれない?」
口を開けているだけで餌が入ってくるのはまぁいい、だけどずっとそれをやっていると夕食にありつけないという事に気付いて絶望した。
結果、イライラから邪気が溢れてダンジョンの暴走が悪化する事態になった。
それを察知した騎士様が慌てて迎えに行き、物理的にダンジョンを消滅させて神薙さんを撤退させる事でその場を治めたんだ。
遅くなった理由は漏れた邪気から一帯が死地になってしまったので、それをどうしようか国王様と相談していたから。
「そうだ、食べている間暇だったから属性分離したりして遊んでたんだけど、なにか欲しい属性ある?」
「え! いいのですか! シャムス何作る!?」
「さいきょーすらいむ作るの!」
え、えーっと?
「くくく、右目が疼きおる」
右目もなにも、君は目玉ないよね?
「ふははははは!! 我が闇の力にひれ伏すが良い!」
ボロボロのフードを被り、高笑いするどこかで見た事のあるこちらの威勢のいい子は自称「不死王リッチ」、RPGでボスとして活躍するあの子だね。
「食べれないから吐き出したらついて来た」
そう言って世話を丸投げされたけど、正直元の場所に戻してきて欲しい。
『リっちゃんお食事中よ』
『行儀が悪い奴は追い出すが』
「失礼いたしました」
静かになった。
シャムス、アー君、ありがとう。
ボスだろうがラスボスだろうが隠しボスだろうとも、うちのチートの塊な子供達に勝てるわけもなく、邪悪な存在も厨二な言動以外は完璧に封じられている。
二人ともありがとう、デザートにアイス一個追加しておくね。
「次は天丼」
「はい」
当の神薙さんは大盛りの天丼を美味しそうに食べている。
仕分けが間に合わなかったので食べ放題は明日に繰り越し、国家予算がまた増えるだろうから双子にも連絡済み。
「ただいま~、樹~労わってぇ~」
「騎士様お帰りなさい、本日は丼物なのでメニューから選んでドリアンに言ってください」
「労わりは?」
「本日の功労賞は神薙さんですので」
横に座って希望の丼物を次々提供している真っ最中なんです。
「はぁ、やっぱり味が付いているものがいいね」
神薙さんの舌が確実に肥えている。
ちなみにナーガは食べ過ぎで胸焼け起こして帰宅した。
今頃はマシュー君にお世話されている頃だろう、胃薬一応渡したけど大丈夫だろうか。
「モンスターは次からナーガに譲る」
この場に居たらきっと真っ青な顔で拒否されただろうなぁ。
ダンジョンの暴走は夜が近付いても終わらなかったけど、神薙さんが入口で踊り食いしている間に溢れた魔物は一掃され、あとは暴走が止まるのを待つだけだった。
けれど日も沈み、夕食の時間が近付いた所で神薙さんは気付いた――
「夕食食べれない?」
口を開けているだけで餌が入ってくるのはまぁいい、だけどずっとそれをやっていると夕食にありつけないという事に気付いて絶望した。
結果、イライラから邪気が溢れてダンジョンの暴走が悪化する事態になった。
それを察知した騎士様が慌てて迎えに行き、物理的にダンジョンを消滅させて神薙さんを撤退させる事でその場を治めたんだ。
遅くなった理由は漏れた邪気から一帯が死地になってしまったので、それをどうしようか国王様と相談していたから。
「そうだ、食べている間暇だったから属性分離したりして遊んでたんだけど、なにか欲しい属性ある?」
「え! いいのですか! シャムス何作る!?」
「さいきょーすらいむ作るの!」
え、えーっと?
「くくく、右目が疼きおる」
右目もなにも、君は目玉ないよね?
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