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権力とは使う為にある
第226話
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今日は学園がお休みだからアカーシャに会いに昼過ぎにやってきたギレン、ライバル出現?に危機感を覚えたのだろうか、久々に大量の差し入れをしてくれた。
早朝から漁に出て釣ってきた戦利品なんだって、張り切ったなぁ。
「ギレンありがとう」
「アカーシャの為だからなァ」
愛しの嫁を侍らせ、デレデレしながら注いで貰っているのはお酒ではなくお茶だけどね。
庭に高々と積み上げられた巨大魚の数々、子供達の声援を受けながらドリアンとスラちゃんが協力して次々捌いている。
今日の夕食はお魚パーティーかな。
「イツキ、これを夕食に使ってくれ」
そう言って渡されたのは上品な銀色の皿に鎮座する「フカヒレ」、サメのひれの部分を乾燥させた中国食材のアレだ。
まさか異世界で出会う事になるとは、地球から持って来たのか似たような魔物がいるのかちょっとだけ気になる。
フカヒレは一個だけ、騎士様に無限魔法をかけて貰おう。
「いいよー」
「ありがとうございます。では今夜の夕食の味見権は騎士様が独占という事で手を打ちましょう」
怪しげな条件を口にされる前にささっと対価を提示、味見権は神薙さんからの恨みを向けられる事もある危険な権利だけど、まぁ騎士様だし大丈夫だろう。
「残念……どうせなら樹の独占権が欲しかった」
という訳で、無限フカヒレゲット。これでフカヒレ料理作り放題!
「うーん、どんな感じにしようかなぁ」
フカヒレが主役なのは当然として、ただ大量の魚もあるからそちらをメインに魚パーティーにするべきか、それとも中華料理パーティーにすべきか迷う。
『楽しみね』
『俺は、喰うぞ』
『バイキングかな?』
『魚パーティーもありえる』
びたーんびたーん
『佐助も楽しみね』
「はい!」
本日の佐助はコモドドラゴンに変化して、シャムスを背に乗せている。
どうやらシャムスを神棚に上げて祀る事でアカーシャの心証をさらに良くしようという作戦らしい、せっかくリザードマンに進化したのにそれでいいのか……。
『イブは何が食べたい?』
『なんでも美味しい』
『だよな! あーでも、胃に優しい方がいいな』
『平気です』
「ははうえー」
「なぁに?」
「中華はちょっと重い」
アー君が可愛い。
気付いてるかなぁ、小さな肉球でイブの袖を掴んでいる事。
「分かった、じゃあ魚メインにしようね。お寿司とちらし寿司どっちがいいかな?」
『全部!』
「お刺身!」
「巨大魚丸呑み!」
「ラセンはわさび入りで」
シャムスに続き、イネス、神薙さん、タイガまで参戦。
これ以上は収拾付かなくなっちゃうかな。
「母様、久々にバイキングにしよう、それなら少量を色々食べれるから」
「そうしよう」
助言ありがとうアカーシャ。
「よーし今から始めようか、タイガはどうする? 活け造り作る?」
「いいのか? ならばやりたい」
「じゃあタイガチームは活け造りの為のお魚確保だね」
「俺の持って来た魚があるだろ?」
「ギレン残念、解体とっくに終わってるんだ」
「早過ぎだろ」
ちなみに騎士様に無限魔法をかけて貰った辺りでもう終了してたよ。
『佐助、釣りしようね』
「御意!」
『才蔵もな』
「しかし、護衛が」
「今日はずっとドリちゃんの傍に居るから大丈夫だよ」
「承知」
「ギレンは鉄板の準備、アカーシャ、マシュー君やベル君はどうしよう?」
「今日は止めておいた方がいいかな? 昨日別れ際に今日は来れないって言われてる」
一日ベッドの中にいるつもりなんだね……りょーかーい。
ブランにお魚料理振舞いたかったなぁ、仕方ないからまた今度だね。
準備にそれぞれが解散したので僕も立ち上がった。
よぉし、始めるぞー。
「樹、ちょっと待って」
気合を入れた所で騎士様に捕獲され、ディープなキスとともに魔力を与えられた。
「ちょっと多めに配給しておいたけれど、あまり無理しないようにね」
「はぁい」
キスの余韻にふらつきながら僕は台所に向かったのだった。
早朝から漁に出て釣ってきた戦利品なんだって、張り切ったなぁ。
「ギレンありがとう」
「アカーシャの為だからなァ」
愛しの嫁を侍らせ、デレデレしながら注いで貰っているのはお酒ではなくお茶だけどね。
庭に高々と積み上げられた巨大魚の数々、子供達の声援を受けながらドリアンとスラちゃんが協力して次々捌いている。
今日の夕食はお魚パーティーかな。
「イツキ、これを夕食に使ってくれ」
そう言って渡されたのは上品な銀色の皿に鎮座する「フカヒレ」、サメのひれの部分を乾燥させた中国食材のアレだ。
まさか異世界で出会う事になるとは、地球から持って来たのか似たような魔物がいるのかちょっとだけ気になる。
フカヒレは一個だけ、騎士様に無限魔法をかけて貰おう。
「いいよー」
「ありがとうございます。では今夜の夕食の味見権は騎士様が独占という事で手を打ちましょう」
怪しげな条件を口にされる前にささっと対価を提示、味見権は神薙さんからの恨みを向けられる事もある危険な権利だけど、まぁ騎士様だし大丈夫だろう。
「残念……どうせなら樹の独占権が欲しかった」
という訳で、無限フカヒレゲット。これでフカヒレ料理作り放題!
「うーん、どんな感じにしようかなぁ」
フカヒレが主役なのは当然として、ただ大量の魚もあるからそちらをメインに魚パーティーにするべきか、それとも中華料理パーティーにすべきか迷う。
『楽しみね』
『俺は、喰うぞ』
『バイキングかな?』
『魚パーティーもありえる』
びたーんびたーん
『佐助も楽しみね』
「はい!」
本日の佐助はコモドドラゴンに変化して、シャムスを背に乗せている。
どうやらシャムスを神棚に上げて祀る事でアカーシャの心証をさらに良くしようという作戦らしい、せっかくリザードマンに進化したのにそれでいいのか……。
『イブは何が食べたい?』
『なんでも美味しい』
『だよな! あーでも、胃に優しい方がいいな』
『平気です』
「ははうえー」
「なぁに?」
「中華はちょっと重い」
アー君が可愛い。
気付いてるかなぁ、小さな肉球でイブの袖を掴んでいる事。
「分かった、じゃあ魚メインにしようね。お寿司とちらし寿司どっちがいいかな?」
『全部!』
「お刺身!」
「巨大魚丸呑み!」
「ラセンはわさび入りで」
シャムスに続き、イネス、神薙さん、タイガまで参戦。
これ以上は収拾付かなくなっちゃうかな。
「母様、久々にバイキングにしよう、それなら少量を色々食べれるから」
「そうしよう」
助言ありがとうアカーシャ。
「よーし今から始めようか、タイガはどうする? 活け造り作る?」
「いいのか? ならばやりたい」
「じゃあタイガチームは活け造りの為のお魚確保だね」
「俺の持って来た魚があるだろ?」
「ギレン残念、解体とっくに終わってるんだ」
「早過ぎだろ」
ちなみに騎士様に無限魔法をかけて貰った辺りでもう終了してたよ。
『佐助、釣りしようね』
「御意!」
『才蔵もな』
「しかし、護衛が」
「今日はずっとドリちゃんの傍に居るから大丈夫だよ」
「承知」
「ギレンは鉄板の準備、アカーシャ、マシュー君やベル君はどうしよう?」
「今日は止めておいた方がいいかな? 昨日別れ際に今日は来れないって言われてる」
一日ベッドの中にいるつもりなんだね……りょーかーい。
ブランにお魚料理振舞いたかったなぁ、仕方ないからまた今度だね。
準備にそれぞれが解散したので僕も立ち上がった。
よぉし、始めるぞー。
「樹、ちょっと待って」
気合を入れた所で騎士様に捕獲され、ディープなキスとともに魔力を与えられた。
「ちょっと多めに配給しておいたけれど、あまり無理しないようにね」
「はぁい」
キスの余韻にふらつきながら僕は台所に向かったのだった。
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