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貴族になろう
第197話
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シャムス命名、スドラは作り手に似て温厚な魚だった。
魔族や獣人が泳いでも威嚇もしなければ攻撃もしてこない、マイペースにゆったり泳ぎながら過ごしている。
だからこそ、増えた時は驚いた。
「単為生殖……でも全然似てないね!」
「スドラは兄の力が強く影響して、あのようなのんびりした外見になったのだろう」
なんか獲れたーと獣人が持ってきたのは、アマゾンにでも居そうな凶悪な顔の魚だった。
魚、だよね?
「ギャギャギャギャ」って鳴き声発してるけど、魚だよね?
タイガと二人観察したけど、危うく噛みつかれそうになってタイガに助けられた。
びっくりした、びっくりした、びっくりしたぁぁぁ!!!
でも歯がなかったような。
あれ?
もしかして顔に似合わず無害?
シャムスが作った魚だし、可能性は高いなぁ。
「食べてみていい?」
「待って、シャムスがナーガの為に作った魚だから、まず一番最初にナーガに食べて貰おう。その後に許可を貰ってから食べてね」
「うっす」
早く食べてみたかったのだろう、狐の獣人さんは魚を持って和館の方へ走って行った。
「せめて調理してから献上しよう」そう言いたかったけれど口を開くより彼の足の方が早かった。
「あっちはゲストハウスではなかったか?」
「あーうん、最初は洋館の方を使っていたんだけど、シャムスが階段から落ちたら危ないからって和館に居を移したしたんだって。洋館は騎士様に許可貰ったうえでベル君一家に提供したみたい」
家賃は取るらしいけどね。
利用料はナーガへ食物を奉納、もちろん心を込めないと受け取って貰えない。ただ奉納するより難しいかも。
「ああ、なるほど、シャムス好みの色合いでラグの注文を受けたが、それが理由か」
ナーガは和館に移動すると一番日当たりのよい部屋にせっせとクッションを運び込んで快適な空間を作っているらしい、シャムスがさっそく侵入してお昼寝をしていたとマシュー君が言っていた。
しかしシャムスの好みの色か、あの子そこまでまだ拘り持ってない気がする。
「兄を囲い込むつもりなのか、ナーガは」
「シャムスの愛で孵化したようなものだからね~、幼児じゃなかったら問答無用だったろうなぁ」
神薙さんが後見人なのも大きいかな、じゃなかったら危なかったかも。
「献上して来た! 食べていいって!」
「良かったね」
「おぅ!」
ニカッと笑った狐さんが可愛い。
「食べていいってよー!」と狐さんが声を上げると、池で泳いでいた獣人さん達が一斉に池に潜った。
僕も試しに池に入ってみたけど、浅い所で足首ぐらいまで、奥に行くとどんどん深くなっていく感じだった。
小島の下が一番深くなっていて主は普段はそこにいるらしい。
『かあさま~』
「シャムス」
タイガと焚火の準備をしていたらシャムスの声が聞こえたので、振り向いて池に視線を向けたらアナコンダより一回り以上大きな白蛇に乗ったちっちゃな狼版のシャムスが居た。
滑るように水上を泳ぐ姿は優雅だ、僕としてははしゃいだシャムスが落ちないかハラハラするのでもうちょっと大人しくしてほしい。
魔族や獣人が泳いでも威嚇もしなければ攻撃もしてこない、マイペースにゆったり泳ぎながら過ごしている。
だからこそ、増えた時は驚いた。
「単為生殖……でも全然似てないね!」
「スドラは兄の力が強く影響して、あのようなのんびりした外見になったのだろう」
なんか獲れたーと獣人が持ってきたのは、アマゾンにでも居そうな凶悪な顔の魚だった。
魚、だよね?
「ギャギャギャギャ」って鳴き声発してるけど、魚だよね?
タイガと二人観察したけど、危うく噛みつかれそうになってタイガに助けられた。
びっくりした、びっくりした、びっくりしたぁぁぁ!!!
でも歯がなかったような。
あれ?
もしかして顔に似合わず無害?
シャムスが作った魚だし、可能性は高いなぁ。
「食べてみていい?」
「待って、シャムスがナーガの為に作った魚だから、まず一番最初にナーガに食べて貰おう。その後に許可を貰ってから食べてね」
「うっす」
早く食べてみたかったのだろう、狐の獣人さんは魚を持って和館の方へ走って行った。
「せめて調理してから献上しよう」そう言いたかったけれど口を開くより彼の足の方が早かった。
「あっちはゲストハウスではなかったか?」
「あーうん、最初は洋館の方を使っていたんだけど、シャムスが階段から落ちたら危ないからって和館に居を移したしたんだって。洋館は騎士様に許可貰ったうえでベル君一家に提供したみたい」
家賃は取るらしいけどね。
利用料はナーガへ食物を奉納、もちろん心を込めないと受け取って貰えない。ただ奉納するより難しいかも。
「ああ、なるほど、シャムス好みの色合いでラグの注文を受けたが、それが理由か」
ナーガは和館に移動すると一番日当たりのよい部屋にせっせとクッションを運び込んで快適な空間を作っているらしい、シャムスがさっそく侵入してお昼寝をしていたとマシュー君が言っていた。
しかしシャムスの好みの色か、あの子そこまでまだ拘り持ってない気がする。
「兄を囲い込むつもりなのか、ナーガは」
「シャムスの愛で孵化したようなものだからね~、幼児じゃなかったら問答無用だったろうなぁ」
神薙さんが後見人なのも大きいかな、じゃなかったら危なかったかも。
「献上して来た! 食べていいって!」
「良かったね」
「おぅ!」
ニカッと笑った狐さんが可愛い。
「食べていいってよー!」と狐さんが声を上げると、池で泳いでいた獣人さん達が一斉に池に潜った。
僕も試しに池に入ってみたけど、浅い所で足首ぐらいまで、奥に行くとどんどん深くなっていく感じだった。
小島の下が一番深くなっていて主は普段はそこにいるらしい。
『かあさま~』
「シャムス」
タイガと焚火の準備をしていたらシャムスの声が聞こえたので、振り向いて池に視線を向けたらアナコンダより一回り以上大きな白蛇に乗ったちっちゃな狼版のシャムスが居た。
滑るように水上を泳ぐ姿は優雅だ、僕としてははしゃいだシャムスが落ちないかハラハラするのでもうちょっと大人しくしてほしい。
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