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祭事

第150話

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「貴族の力を見よ!」
「あぁぁぁぁ、またベルっち強ぇぇ」

 子供達が熱中しているのは人生ゲーム異世界版、女神様制作、クロードさん監修。
 ギレンが持ってきたのを見て二人で作ったらしい、「こっちの路線はまだ着手してなかった」とか言ってギラギラした目をしていた翌日、試しに遊んで欲しいと持ってきたんだ。

 サイズは6畳分ぐらいかなぁ?
 茶の間の隣の部屋を開放し、そこに広げて遊んでいる。
 駒は付属品があるけど、子供達が使っているのはタイガが作った本人達を模った駒、サイコロは銀狼ルークの爪を削って作った逸品。

 ベル君がやたらこのゲーム強くて、子孫繁栄で貧乏になるどころか子供達が鉱山発見したり、勇者になってスタンピード治めたりなどして一族繁栄しまくっている。
 マシュー君が下働きミニゲームで堅実に稼いでいるのを横目に、ひたすら金銀財宝に埋もれた人生を送っているんだ。すげぇ。

『負けないの!』
「神に愛された人間ってリアルにいるんだな」

 シャムスやアー君のように小さな子でも遊べるのがいいよね、しかもタイガ作のこの駒、自動で動くんだよ。
 ふんふんと鼻息荒くサイコロを振るシャムスの隣には卵がいる、これがまた器用にサイコロを振るから驚きだ。
 アー君はダンジョンコースに入ってしまい、抜けられないと言っている割には楽しそうだ。っていうかこのすごろく、ミニゲーム多いな。

「いのちゃんまた一回休みだね」
「ぷきゅ」

 アカーシャはいのちゃんの代わりにサイコロを振っている、でも何の呪いか一回休みや痺れて二回休みに必ず足止めされてるんだよ。
 本人は嬉しそうだからいい、のか?

「チチ!」
「はい」

 ブランはこうちゃんの代理、雪ちゃんは反対側の肩で観戦中。
 山も谷もなく、罠もするりと潜り抜けてミニゲームでおやつを貯めつつきっちり進めている。

「ラーシャ討伐! 討伐コース!」
「レア諦めよーぜ」

 イネスの手足になっているのはもちろんラーシャ、討伐ミニゲームで手に入る『レアアイテム』をひたすら狙っているようだ。

「爵位上がったのだ!」
「え、またぁ!? ベルっちの強さが神懸ってるんだけど!」
「わふ!」
「ん? あっ、エムがゴールだ。『森の賢者』だって」

 称号はカッコいいけれどようは森の奥に籠って隠居するおじいちゃんゴール、まぁ銀狼は元々森の生き物だから満足そうだけどね。

「わぉぅ」
「次はローがやるの?」

 僕はと言えば三匹のうち二匹を両側に、駒を進める子を膝に乗せ、代理でサイコロ振ってます。
 三匹同時に進める事も出来るけど、僕が働きださないようにこの場に留めておくための策の一つのようだ。
 うぅん、でもおやつの用意とかしたいなぁ。

 ゴールと言っても種類が色々ある。
 国王になった時点で上がりになってもいいし、子供がいれば譲位してゲームを続行する事も可能、このすごろく、上がりポイントか幾つも存在しているけれど、どこで終わりにするかは本人次第なんだよね。
 
 ……でもこのサイズを売るの?
 もっと普通ので良いと思います。
 
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