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祭事

第126話

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 イネスの欲しい物が判明。
 これはクリスマスプレゼントにするしかないよね!

 こっそり入手したかったので、子供達がお昼を食べている間に騎士様とあのクリスマス仕様の部屋に行き、拝み倒しました。
 僕が引き入れたわけじゃないよ? 「ちょっとお時間いいですか?」って聞いたらこの部屋に拉致されたんです。

「虹色の肉が食べたいの? いいよー」

 案外簡単に了承してくれた。
 やったね、イネスお肉食べれるよー。

「あれってどんな魔物の肉なんですか?」
「んー?」

 え、その反応、まさか聖獣とか神獣の肉!?

「あれはねー、百の魔物、千の魔獣、一のドラゴンの血肉を混ぜて作った」

 なんと人工物!?

「謎の生命体の肉だよ」
「さっきのやっぱり却下! いらないです!」
「えぇ~、サービスしてもらうチャンスだったのにー」

 騎士様って最近欲望を隠さないよね、是非とも高潔な人格を目指していただきたい。

「まぁいいいや」
「ふぅ」
「別口でご褒美もらっちゃおう」
「!?」

 パチリと騎士様が指を鳴らした瞬間、部屋の照明が一斉に落ちた。

「騎士様何も見えません!」
「大丈夫、俺は見える!」

 威張る事じゃない!

「あ、ムードって大事だよね」

 ボゥと暖炉に火が灯る。

「大丈夫、大丈夫、お腹の子が驚くといけないから挿れないよ、ただちょっとこのお口で――」
「はぁぁあああああ!」

 僕妊娠してるの!?

 いつ、どこで、誰の!?

 心当たり有りすぎて検討が付かない!
 いや待て、ちょっと前から刀雲がデレデレしてた気がする。

 っは、まさか味覚変わったのとか、油の匂いで具合悪くなったのとか、それ原因!?

「こんな事している場合じゃない! 栄養摂らなきゃ!」
「こら樹、急に走らない」

 騎士様の腕の中から飛び出し、お昼を食べるべく扉に向かった僕は盛大につまずいた。

「樹!!」

 あ、やばい、これ騎士様も間に合わないパターン?

 ゴッ!

 そう思ったけれど、突風が吹いて身体が浮き上がり騎士様に無事回収された。
 突風というより炎の膜だったかな? あ! ゼノスさんだ!

「本当に……心臓に悪い」

 部屋の明かりがつき、騎士様に大きな溜息を吐かれてしまった。ごめんなさい。
 でもかなり強い風だったのに部屋の装飾に乱れはない、咄嗟でも精度凄いな。

「妊婦さんが走らない、俺が居るのに何かあったら刀雲や神薙に怒られる」
「はぁい」
「はー、皆の所に行こう、もふもふズにまた護衛お願いしなきゃねー」

 背中を優しく押され退室する。
 走ると怒られる日々がまた来るのか……自業自得とは言え、つまらないのー。
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