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ダンジョン探検

第117話

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 その日の夕方、アー君達が血塗れになって帰還した。
 アー君が血塗れだからアー君を乗せているキーちゃんも血塗れ、同行していたもふもふズも所々血が落ちていない、どんな戦い方したんだろうか。

「母上! 肉いっぱい!」
「焼いてくれ!!」

 血塗れカップルか、お似合いですね!

「『洗浄クリーン』!」

 僕が使える唯一の魔法、レベルがあるなら結構上がったと思うんだけど、レベル設定とかあるのだろうか、その辺は女神様次第だよなぁ。

 綺麗になったアー君と白熊さん、もふもふズからドリアンが戦利品を受け取り、横で待機していたスラちゃん軍団に流れるように渡していく。
 スラちゃん軍団は血を処理してくれるだけでなく、解体もしてくれるんだよね、その前は池で洗ってたんだ、汚染知らずの池で本当に良かった。
 今それやったらトラちゃんとお嫁さんに獲物ごと食べられちゃうんだろうな、今は大量の魔物の内臓がトラちゃん一家のご飯です。

 魔法のようなスピードで解体されていく大量の魔物の山、仕分けされた肉以外の素材は仕留めた本人に返却するんだ。
 もふもふズはその素材を持って刀雲に押し掛け、騎士団に買い取ってもらう事でお小遣いにしているらしい、衛兵さんに付き添ってもらって屋台街で食べ放題する子、ひたすら金塊を貯めこむ子、孤児院に寄付する子など使用用途は様々だ。

 あれ、もしかして僕よりお金を有意義に使ってる? あれぇ?

 気を取り直して。
 さて、これだけ量があると色々作れるけど何を作ろうかな。
 トンカツとか作っちゃおうかな。
 あとあと……あ、僕そんなにレパートリー知らないや、悩むよりドリちゃんと打ち合わせした方が早いね。

「焼肉焼肉焼肉焼肉」
「ダロス、涎」
「おう」

 アー君が自分の服の袖で笑いながら白熊さんの口元を拭いた。
 いちゃ付いている、あのアー君が、男同士での婚姻、出産に悩んで産まれる事を拒絶していたあのアー君がデレてる!!!

『アー君おかえり』
「シャムスただいま」
『お土産いっぱい?』
「うん、シャムスが欲しい物あるかな?」
「義兄上、俺のも見てくれ」
「こら、そこで広げない! これから夕食の準備があるから縁側で広げてね」
「「はーい」」

 アー君は当たり前のように白熊さんの膝の上に座り、隣に座ったシャムスと一緒に素材の山から良い物はないかと選んでいる。

『これ、お骨、お兄ちゃんにあげたい』
「ルークにもあげよう」
『こっちの毛皮ね、いのちゃんのお布団』
「ぷぎゃー」
『魔石はね、タイガにあげるの、よういくひ』
「ああ……必要経費とか実は我が家から出てるからな」

 なんの会話をしているのだろうか。
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