82 / 1,127
ダンジョン探検
第81話
しおりを挟む
大鍋に入ったドリちゃん特製スープを一気飲みしていた神薙さんがふと動きを止めた。あれ十杯目だからさすがに飽きたのかな?
「お土産渡してなかった」
と思ったら大鍋は空だった。
「ごちそうさま」と言って鍋をドリアンに返却した神薙さんが、片付けられた机の上に取り出した戦利品を次々乗せて行く。
待って、待って、血生臭い、洗浄、あれ、浄化だっけ? とにかくそいやー!
綺麗にしなきゃと思って慌てて魔法を使ったらちゃんと発動した、しかも無詠唱だった気がする。
『ほうしぇき』
『なるほどこれがドロップ品』
『アー君これ、きれーね』
『魔石だな、ダンジョンに出現するモンスターが必ず持っているもののようだ』
アー君が肉球でちょいちょいと操作しているそれは、騎士様や僕が使っているのと同じもの。
「アー君、もしかして女神様から貰った?」
「父上におねだりして共有させてもらっている」
激甘ですね。
横を見たら騎士様が照れ臭そうに笑っていた。
『アー君これは?』
『ルーン文字だな』
『りゅーんもじ?』
『魔法陣などに組み込んで使う用途が多い、こんな風に……』
微笑ましいなぁと幼児二人を眺めていたら、アー君が宙に何か文字を描き始めた。ってあれ魔法陣!?
熱を感じた直後、アー君の手にはこんがり焼けた魚があった。
『調節次第でいつでも焼き立てが食べれる!』
『!! ドリちゃんいつも使ってる!』
『その通り! ドリちゃんは素晴らしいな!』
『すごいの! 神薙しゃまもにこにこなの!』
一瞬ひやっとしたけれどなんか大丈夫そうだな。
「シャムスが成長するまでは危険な事は教えないから安心してくれ」
それはつまり成長したら色々教えるって宣言?
『これ角?』
『うむ、使い方は…………この説明書使えねぇ』
ぐるるとアー君が低く唸っている。どうしたんだろう。
「アー君どうしたの?」
「これ」
見せて貰った画面には『この角で張り形作ると感度8割増』と説明書きが、女神様……こういう説明は力を入れてるからたち悪い。
「こっちの毛皮は『防水機能付き、宿屋で大人気』って書いてある。んー、説明がどうも鈴の煩悩まみれでバランス悪いなぁ」
女神様、騎士様に呆れられてますよー……。
「お土産渡してなかった」
と思ったら大鍋は空だった。
「ごちそうさま」と言って鍋をドリアンに返却した神薙さんが、片付けられた机の上に取り出した戦利品を次々乗せて行く。
待って、待って、血生臭い、洗浄、あれ、浄化だっけ? とにかくそいやー!
綺麗にしなきゃと思って慌てて魔法を使ったらちゃんと発動した、しかも無詠唱だった気がする。
『ほうしぇき』
『なるほどこれがドロップ品』
『アー君これ、きれーね』
『魔石だな、ダンジョンに出現するモンスターが必ず持っているもののようだ』
アー君が肉球でちょいちょいと操作しているそれは、騎士様や僕が使っているのと同じもの。
「アー君、もしかして女神様から貰った?」
「父上におねだりして共有させてもらっている」
激甘ですね。
横を見たら騎士様が照れ臭そうに笑っていた。
『アー君これは?』
『ルーン文字だな』
『りゅーんもじ?』
『魔法陣などに組み込んで使う用途が多い、こんな風に……』
微笑ましいなぁと幼児二人を眺めていたら、アー君が宙に何か文字を描き始めた。ってあれ魔法陣!?
熱を感じた直後、アー君の手にはこんがり焼けた魚があった。
『調節次第でいつでも焼き立てが食べれる!』
『!! ドリちゃんいつも使ってる!』
『その通り! ドリちゃんは素晴らしいな!』
『すごいの! 神薙しゃまもにこにこなの!』
一瞬ひやっとしたけれどなんか大丈夫そうだな。
「シャムスが成長するまでは危険な事は教えないから安心してくれ」
それはつまり成長したら色々教えるって宣言?
『これ角?』
『うむ、使い方は…………この説明書使えねぇ』
ぐるるとアー君が低く唸っている。どうしたんだろう。
「アー君どうしたの?」
「これ」
見せて貰った画面には『この角で張り形作ると感度8割増』と説明書きが、女神様……こういう説明は力を入れてるからたち悪い。
「こっちの毛皮は『防水機能付き、宿屋で大人気』って書いてある。んー、説明がどうも鈴の煩悩まみれでバランス悪いなぁ」
女神様、騎士様に呆れられてますよー……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
332
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる