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優しい人生を

第50話

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 カレーはお子様用甘口から刀雲の好物の辛いカレーまで揃えた。
 本当は火を噴くほど辛いのに挑戦してみたかったけど、シャムスとアー君の口に入る危険性を考えて断念したよ、あれは匂いだけでも辛くて泣けてくるからなぁ。

 サラダはレタスサラダやマカロニサラダなどを並べました。
 レタスサラダはごま油とごまをかけたシンプルなものだけど、レタスはシャムスがちぎったんだよねー、ちぎるだけならスライムにならなかった!
 お手伝いできてシャムスもご満悦だったよ。

 他にもカツや唐揚げ、エビフライなど揚げ物も作った。
 カレーの王者カツカレー、神薙さんに出したのは特製サイズですよ当然。

「あれ、チーズカレードリアって神薙だけ!?」
「はい」
「イツキ、私にも!」
「俺も俺も」

 レイアさんと騎士様が手を上げて催促をしている。でも残念。

「カレーもうないんですよね」
「え、でも神薙用に大量に作ってるだろ?」

 我が家の常識です、当然たくさん作りましたとも。

「あちらをご覧ください」
「おいし」
「神薙ひでぇ」

 業務用の寸胴鍋でカレーを飲み物のように平らげているのは我らが邪神様です、お代わりは全て神薙さんの胃に消えました!
 おかしいよね!

『辛いのーーー!』
「あーあーあー、イツキ、水!」
「あらららシャムス、パパの食べちゃ駄目だよ」

 ぴょえーという泣き声にそちらを見れば、手にカレーを付けたシャムスが大泣きしていた。
 どうやらお酒を取ろうとした刀雲の隙を見て一口食べたみたい、やると思った、警戒もしてたはずなのにこういう時の行動は素早いなぁ!

「ほらシャムス、ヨーグルトだよ、あーん」
『ふぇ』

 悪戯する事を想定してドリちゃんが作っておいてくれたヨーグルト、ドリちゃん製だから辛さを緩和してくれる優しい味だよ!

『シャムス』
『うぅ』
『私達は大人しくお子様用を食べよう』
『うん』
『カレーは危険だ、唇が腫れた』

 シャムスを慰めるアー君の口周りが腫れている。
 良く見れば目もなんだか涙目だ。

 ……盗み食いしたな。

 仕方がない、甘いとは分かっているけど伝家の宝刀を出して進ぜよう。

「シャムス、アー君、はいこちらをどうぞ」

 皆さんは100円寿司をご存じだろう、寿司を背に走る新幹線も。
 二人に出したのはその新幹線がお子様ランチ用プレートになったもの、ギレンからの賄賂の一部です。
 わざわざ地球に行って購入して来たのか、必死だね!

 本日はカレーチャーハンとタコさんウィンナー、きゅうりの浅漬け、ハンバーグも乗っている。

『きゃーー!』
『おおーさすが女神!』

 このように二人も大喜び、大人組がずるいずるい言っているけど知りません。
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