神様のポイント稼ぎに利用された２

優しい人生を

第28話

　とうとう出産しました。
　いつも通り寝ている間にすぽっと！
　今回産婆を務めてくれたのは僕の部屋付きのドリアンです。
　
　そろそろ名前を付けた方がいいのだろうか。

　僕が今まで産んだ子はワンコが多かった。
　だからもちろん今度の子もワンコ耳だと思っていたんだ。

　まさかこんな……騎士様が即死しそうな子が産まれるとは思ってなかった。

「みゅー」

　バタバタバタ

　鳴き声一つでもふもふズが数匹倒れた。

『ふぁぁぁ』
「可愛い」
「わふぅ～」

　シャムス、アカーシャ、三匹が生まれたての子の顔を覗き込んで頬を染めている。

『まっしろ？』
「白銀？」
「純白？」
「イネスより小さい」

　生まれたのは純白の毛並みを持つ獅子の獣人だった。
　光の加減で銀にも見える不思議な色合い。
　生まれた瞬間なんて光ってた。

「産まれた瞬間からこの覇気って……俺、すでに負けてる？」

　ラーシャしっかり、君確か騎士様達からあれこれ加護貰っているはずでしょ！

『かあさま、弟？』
「うん、シャムスの弟だよ」
『可愛いね』

　パチリと開いた瞳は騎士様と同じ蒼い瞳。
　あ、犬歯は金色だ。

『人型ですらないだと……聞いてない！』
「お腹空いたのかな」
『しかも力が前より強い気がする！』

　がうがう鳴いて可愛いけど、あまり暴れると落としちゃうから大人しくしようね～。
　落とした事は一度もないけどね！

　ドリアンがアイテムボックスから人肌のミルクを取り出してくれたので、飲ませるために抱えなおして、魔力がたっぷり詰まったドリちゃんミルクを口元に当てる。
　自我があるならば哺乳瓶は嫌だろうなぁ、でもね、その辺の心情はスルーさせていただきます！

「はい、あーん」
『話をっ！　っぐ』
「可愛い、一生懸命飲んでる。かあさま、次の時は僕があげてみたい」
「うんアカーシャお願いね」

　小さな肉球で哺乳瓶を抱え、必死に飲んでいる姿が可愛らしい。
　ふふふ、美味しかろう。
　ドリちゃんが今日の為にさらに改良を重ねた逸品だからね！　味は僕の母乳を完全に再現する恐ろしいまでの執念です、最近ドリちゃんが何を目指しているか分からない。

「樹、樹、産まれた！？？」
「騎士様」
「「しーー！」」
「ごめんなさ……い……」

　僕の腕の中の子を見た瞬間、騎士様の動きが止まった。










「聖者？」