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第三章 世界に降りかかる受難
第818話
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リザママとリザードマンはこのオアシスからあまり離れないように暮らしていたらしい、何せ周囲に出る魔物がでかい確率がとても高く、下手に遭遇したらプチっとされちゃう可能性があるから。
幸いにもオアシスは絶対的に安全圏が約束されており、近くには滝もあって魚が獲れていたので気を付けて暮らせば不自由は特になかったみたいです。
……あの滝、ヘラ母さんが雷を落としてプカプカ漁やっちゃったけど大丈夫だろうか。
我が家の池の主、トラちゃんにお願いして魚分けてもらう?
「何よりこのオアシスには可愛らしい小動物が集まってきます」
「見た目は可愛いけど、性格は可愛くないような?」
頭と肩、それから膝の上にリスと狐を乗せたリザードマンが幸せそうに語る。
隣に座って果物を小さくカットしているのは騎士様、本日はお子様リザードマンのためのフルーツカットマシーンとなっているようです。
騎士様にこれを切れと言わんばかりに、次々フルーツを運んでいるのは、戦士が愛おしそうに愛でているリスたちである。
「かつてこの地を緑に変えて下さったドラゴンの影響で図太くなったと言われておりますな」
「……へぇ」
騎士様の視線がフェンリルのべろんべろん攻撃を受けている涼玉に向けられる。
そうです、犯人はあちらの豊穣ドラゴンです。僕じゃないよー。
「ですがお陰で我らが小さきものと触れ合える。ありがたいことです」
リザードマンは本来とても闘争本能が強い種族らしく、小動物を愛でるなんて夢のまた夢のような話。
けれどこのオアシスにいる彼らは逃げない、肩には乗るし、果物切れと我儘で振り回したり、一緒に生活もする小さき隣人、小さいものを愛する戦士にとってオアシスはまさに楽園なのである。
「あの巨大なトレントもこちらには近付いて来ません」
「巨大な犬はたまにきて、オアシスに鼻を突っ込んでいきますが、基本無害です」
トレントじいちゃん、よくよく話を聞いたら、あの日涼玉とダンスバトルしたトレントだった。
そしてオアシスに鼻を突っ込むその子は、多分巨大な柴ちゃんだろうなー、なんか、こう、定期的にオアシスが気になるんだと思う。
つまりここ僕の領地。
帝国が僕に押し付けるずっと前から僕のもの。
人間が不可侵なのも僕の祈りが原因だったのである。
過去の世界で最大のやらかしだと思ったけど、それがリザママの安全と今に繋がっているのだから、涼玉が過去に迎えに来たのも、一緒に大暴れしたのも全て運命。
全ての要因があったからこそリザママが無事だった。
オッケー、オッケー、何も問題はない。
「ちび、所で昨日から見られている気配がするんだが、何か心当たりはないか?」
「んー?」
フェンリルと狼の群れはそこにいる。
白熊さんはシャムスをお腹に乗せてお昼寝中。
柴犬は崖に手をかけてこちらを見ている。鼻息でお子様リザードマンがコロコロ転がっているけど、笑っているし放っておいていいだろう。
これだけ揃うと僕でも分かる。
見ている視線の主は恐らく――。
「やれ、ようやく近付く事が出来ました」
「お邪魔するのじゃ!」
妖艶な九尾のお兄さんとのじゃ幼女がリザードマンの集落に降り立った。
そりゃぁ様子見に来るよね、これだけ仲間と僕らが固まっていれば。
幸いにもオアシスは絶対的に安全圏が約束されており、近くには滝もあって魚が獲れていたので気を付けて暮らせば不自由は特になかったみたいです。
……あの滝、ヘラ母さんが雷を落としてプカプカ漁やっちゃったけど大丈夫だろうか。
我が家の池の主、トラちゃんにお願いして魚分けてもらう?
「何よりこのオアシスには可愛らしい小動物が集まってきます」
「見た目は可愛いけど、性格は可愛くないような?」
頭と肩、それから膝の上にリスと狐を乗せたリザードマンが幸せそうに語る。
隣に座って果物を小さくカットしているのは騎士様、本日はお子様リザードマンのためのフルーツカットマシーンとなっているようです。
騎士様にこれを切れと言わんばかりに、次々フルーツを運んでいるのは、戦士が愛おしそうに愛でているリスたちである。
「かつてこの地を緑に変えて下さったドラゴンの影響で図太くなったと言われておりますな」
「……へぇ」
騎士様の視線がフェンリルのべろんべろん攻撃を受けている涼玉に向けられる。
そうです、犯人はあちらの豊穣ドラゴンです。僕じゃないよー。
「ですがお陰で我らが小さきものと触れ合える。ありがたいことです」
リザードマンは本来とても闘争本能が強い種族らしく、小動物を愛でるなんて夢のまた夢のような話。
けれどこのオアシスにいる彼らは逃げない、肩には乗るし、果物切れと我儘で振り回したり、一緒に生活もする小さき隣人、小さいものを愛する戦士にとってオアシスはまさに楽園なのである。
「あの巨大なトレントもこちらには近付いて来ません」
「巨大な犬はたまにきて、オアシスに鼻を突っ込んでいきますが、基本無害です」
トレントじいちゃん、よくよく話を聞いたら、あの日涼玉とダンスバトルしたトレントだった。
そしてオアシスに鼻を突っ込むその子は、多分巨大な柴ちゃんだろうなー、なんか、こう、定期的にオアシスが気になるんだと思う。
つまりここ僕の領地。
帝国が僕に押し付けるずっと前から僕のもの。
人間が不可侵なのも僕の祈りが原因だったのである。
過去の世界で最大のやらかしだと思ったけど、それがリザママの安全と今に繋がっているのだから、涼玉が過去に迎えに来たのも、一緒に大暴れしたのも全て運命。
全ての要因があったからこそリザママが無事だった。
オッケー、オッケー、何も問題はない。
「ちび、所で昨日から見られている気配がするんだが、何か心当たりはないか?」
「んー?」
フェンリルと狼の群れはそこにいる。
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柴犬は崖に手をかけてこちらを見ている。鼻息でお子様リザードマンがコロコロ転がっているけど、笑っているし放っておいていいだろう。
これだけ揃うと僕でも分かる。
見ている視線の主は恐らく――。
「やれ、ようやく近付く事が出来ました」
「お邪魔するのじゃ!」
妖艶な九尾のお兄さんとのじゃ幼女がリザードマンの集落に降り立った。
そりゃぁ様子見に来るよね、これだけ仲間と僕らが固まっていれば。
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