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第三章 世界に降りかかる受難
第817話
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朝起きたらリザママの尻尾に巻かれて寝ていました。
暖かいけど寝辛い、よく熟睡できたなと思う。
そしてまさかの外。
藁ぶき屋根の小屋ではなく大地がベッド。
体が痛くないのはポンチョのおかげか、リザママの尻尾のおかげか……。
「さて朝食の用意をしようかね」
優雅に伸びをしながら小屋から出てきたのはヘラ母さん、片手には二日酔いで唸っているレイアさん。
強い、色んな意味で強い。
「リザママ、リザママ、お腹すきすき」
「んがっ!」
尻尾をペチペチと叩いたらやっと起きてくれました。ママー、お腹空いたーごはーん。
本来だったら僕もお手伝いしたいけど、幼児化が解けないのでリザママが僕の分まで頑張ってください。
「飯、今日は何にするか……ちびは顎が弱いから……おにぎり、焼き飯風でいいかな」
「リザママ?」
尻尾から前に抱きなおし、僕のポンチョをもふもふしながら目が半分閉じている。
「任せろ、二日酔いに負けてお前を放置すると地形が変わる……」
リザママ、もしかして二日酔いプラス寝ぼけてる?
「えっちゃんに迎え酒もらうかなー」
お酒のせいで記憶が混乱しているっぽい、面白いから放っておきたい気持ちがとても強いです。
どうしようかなー?
周りを見たら死屍累々。
あちこちに酒瓶を抱いたリザードマンの屍がゴロゴロ、お子様リザードマンはそのお腹をベッドにして寝ているようだ。
うちの子たちは――あっ、欠伸をしながら涼ちゃんが出てきた。
地鳴りのような音が聞こえるし、あれは空腹で起きたな。
「……」
リザママがボーっと僕を見ている。
起きたらなそろそろご飯を食べたいなぁ。
「……ちび」
「あい」
「そんな猫耳のポンチョ持ってたか?」
「ペルシャ猫ちゃんの猫耳です」
イケメン孫がこだわってたので間違えちゃ駄目ですよ、今頃はお家でクリスマス風のポンチョ製作していると思う。
僕がいなくなってからもずっとポンチョを作っていたらしくって、十種類ぐらい増えてた。
「ほらしじみ汁だよ、イツキ飲ませてやりな」
「あーい」
ヘラ母さんにお椀とスプーンを渡され、リザママのお口に運んだら素直にパカッと口を開けた。
もぐもぐしている内に目が覚めてきたようで、噛む速度が遅くなってきました。
「リザママー、あーん」
「……待って、ちょっとだけ待って」
正気に戻ってしまってさぁ大変、リザママのお顔が真っ赤です。
あちこちで悲鳴が上がるから視線を向けたら、ヘラ母さんが鍋を片手に二日酔いで苦しむリザードマンたちに軽い雷を落としていました。
最強の主婦、ヘラ母さんは酔っ払いに容赦ないのである。
暖かいけど寝辛い、よく熟睡できたなと思う。
そしてまさかの外。
藁ぶき屋根の小屋ではなく大地がベッド。
体が痛くないのはポンチョのおかげか、リザママの尻尾のおかげか……。
「さて朝食の用意をしようかね」
優雅に伸びをしながら小屋から出てきたのはヘラ母さん、片手には二日酔いで唸っているレイアさん。
強い、色んな意味で強い。
「リザママ、リザママ、お腹すきすき」
「んがっ!」
尻尾をペチペチと叩いたらやっと起きてくれました。ママー、お腹空いたーごはーん。
本来だったら僕もお手伝いしたいけど、幼児化が解けないのでリザママが僕の分まで頑張ってください。
「飯、今日は何にするか……ちびは顎が弱いから……おにぎり、焼き飯風でいいかな」
「リザママ?」
尻尾から前に抱きなおし、僕のポンチョをもふもふしながら目が半分閉じている。
「任せろ、二日酔いに負けてお前を放置すると地形が変わる……」
リザママ、もしかして二日酔いプラス寝ぼけてる?
「えっちゃんに迎え酒もらうかなー」
お酒のせいで記憶が混乱しているっぽい、面白いから放っておきたい気持ちがとても強いです。
どうしようかなー?
周りを見たら死屍累々。
あちこちに酒瓶を抱いたリザードマンの屍がゴロゴロ、お子様リザードマンはそのお腹をベッドにして寝ているようだ。
うちの子たちは――あっ、欠伸をしながら涼ちゃんが出てきた。
地鳴りのような音が聞こえるし、あれは空腹で起きたな。
「……」
リザママがボーっと僕を見ている。
起きたらなそろそろご飯を食べたいなぁ。
「……ちび」
「あい」
「そんな猫耳のポンチョ持ってたか?」
「ペルシャ猫ちゃんの猫耳です」
イケメン孫がこだわってたので間違えちゃ駄目ですよ、今頃はお家でクリスマス風のポンチョ製作していると思う。
僕がいなくなってからもずっとポンチョを作っていたらしくって、十種類ぐらい増えてた。
「ほらしじみ汁だよ、イツキ飲ませてやりな」
「あーい」
ヘラ母さんにお椀とスプーンを渡され、リザママのお口に運んだら素直にパカッと口を開けた。
もぐもぐしている内に目が覚めてきたようで、噛む速度が遅くなってきました。
「リザママー、あーん」
「……待って、ちょっとだけ待って」
正気に戻ってしまってさぁ大変、リザママのお顔が真っ赤です。
あちこちで悲鳴が上がるから視線を向けたら、ヘラ母さんが鍋を片手に二日酔いで苦しむリザードマンたちに軽い雷を落としていました。
最強の主婦、ヘラ母さんは酔っ払いに容赦ないのである。
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