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第三章 世界に降りかかる受難

第803話

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 アカーシャのお家でおやつを食べた後、皆で商業ギルドの支店に向かっています。

「商業ギルドの支店? 本部じゃないの?」
「本部どこにあんの?」
『そう言えば知らない』
「わたしも知らないです」
「にいちゃ知ってるか?」
「正確に言うと商業ギルドの本部はアカーシャ自身だな」
「はい、私がいる所が本部です」

 女神に愛され、国民全てがアイテムボックスを持つ刀国民、さらにアカーシャは夢の世界という強みがある。

「本当に大切な情報や秘匿性の高い情報は夢の世界にある屋敷に保管して、重要度が低い書類はアイテムボックスに入れてあるんだ」

 うちのアカーシャが歩く商業ギルド本部だった件。
 確かに夢の世界なら僕らが全滅でもしない限り消滅しないけれども。

 なお、書類の保管や警備はスライムとマンドラゴラのコンビが行ってくれているそうです。
 いつの間にか夢の世界に生物が増えている。

「着いたぞ」
「んー? ねぇアー君、冒険者ギルドしかないよ?」

 アー君が指差した先には冒険者ギルド。
 今日もむさ苦しいおっちゃんや綺麗なお兄さん、尻尾や耳のあるお姉さまからショタまで出入りしています。

「ギルドの隣に上品な感じの家があるだろう、あれ」
「んんー?」

 冒険者ギルドの存在感と人の出入りで分かりにくかったけれど、言われてみれば隣に白で統一されたシックな感じのお店があった。

『いつの間に』
「冒険者ギルドと連携することが多いでしょう、打ち合わせする頻度も増えた事で時短のためにも冒険者ギルドの隣にやっぱり土地が欲しいと言われてね。あとここだと揉め事が起こると冒険者たちが張り切って助けに来てくれるんです」

 アカーシャの部下である商業ギルドの職員は美人さんがとても多い、冒険者たちが鼻の下を長くしている姿が容易に想像できるのである。

「もっと近くに行くと分かるけど、建物がくっついていて実は裏で繋がっている」
「職員の休憩所は共有なんだ」

 他にも打ち合わせで使う会議室や、邪神一家がくつろぎに来るサロンなどがあるらしい。
 防犯もばっちりである。

「さぁ皆入って、新しく入った職員を紹介するよ」
「アカーシャが紹介するの初めてだなー」
「特別仕様の職員です?」
「魔物か獣人だったりしたらイツキ大喜びなんよ」
『不思議な魔力感じるのよ』
「魔力、混ざってます?」
「ママ足元気を付けて」
「あーい」

 アー君に手を引かれながらオシャレな外観の商業ギルド支店にこんにちは。

「統括こんちゃ、何かナイナイしたか?」

 なんだろう、ギルドの職員なのに言葉遣いがおかしい。
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