神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

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第三章 世界に降りかかる受難

第780話

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 闇落ち勇者の説得なんて誰得だよーと嘆くリザママ、強いて言えば魔王様に優秀な部下か出来るから、魔王様と魔物たちと、城下町に暮らす人々と……結構たくさんの人が得をします。
 そんな訳で元勇者さんこんにちは。

「ヴァァァァ」
「やみおち!」
「知ってる」

 意思疎通が出来ない状態だった。
 いつもなら出会い頭に仲間になっても不思議はないけど、ここに来るまでの間に僕のテンションが下がっちゃってね、謎能力が発動しない悲劇!

 なお闇落ちさんは空洞になった窪みから闇色の涙を流しながら、廃墟になった王都をさ迷っていました。
 うーん古の王様を思い出すなぁ、僕のテンションさえ下がってなければすぐに救えたのに申し訳ない。 

 生きている人間はたぶんいる。どこかに隠れていると思うだよね、王都って広いし。
 普通なら教会に逃げたと思うでしょ?
 でもこういう時の教会って逃げ足が光の速度、イベント案件が発生した気配を察知した瞬間にこの国を見捨てて冒険者たちと近くの国に避難したはず。
 逃げないと神薙様に食べられちゃいますからね。って前に誰かが言ってた。

 教会の逃げ足の速さに思いをはせていたら、理性を失っている闇落ちさんが叫びながらこちらに襲い掛かってきました。
 リザママいけー!

「いやいやちび、お前任せておけって言っただろ!?」
「お腹すきすきしてテンション下がった」
「おまえなぁぁぁ!!」

 爪でガッキンガッキンと闇落ちさんの攻撃を叩き落しながら吠えるリザママ。
 すまんね、幼児だから空腹には勝てないの。

 あっスケルトン集団。
 元々この王都の住人だったのが闇落ちさんに殺されてアンデットかぁ、あるある。よくある。

「くそ囲まれるっ! ちび逃げろ!!」
「スケルトンと言えばタップダンス」
「なんて!?」

 ゾンビなら某ダンサーのダンスなのだけど、スケルトンならタップダンスというイメージがなぜかある。
 そもそも足が骨。
 つまり全身でタップダンス?
 教えて涼玉。

「「ウガァ!」」

 我が子へ疑問を投げかけた瞬間、スケルトン集団が一斉に両手を掲げたポーズをとった。
 壁側にいた個体は踊りにくかったのか、あばら辺りの骨を抜き取って音を鳴らす役に回ったようだ。
 城下に鳴り響く骨の軽い音。
 全身を揺らし、骨を揺らすことで音を出すスケルトン。
 バラバラだった音が徐々にリズムを合わせていき、音が一つになった瞬間、両手を掲げていたスケルトンたちが一斉に踊りだしました。

「ちび、俺は何を見せられているんだ」
「たっぷだんす」

 闇落ちさんも顎を外してぽっかーんとダンスを見ている。
 初見だと驚くよね。

 とりあえずポップコーンを出してもらい、ダンスを見ながら三人で仲良く食べました。
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