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第三章 世界に降りかかる受難
第776話
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魔王様たちと共に城下町へ走る。
なお僕は走ってない、リザママの腕の中よ。
人間じゃないので廊下をちんたら走ったりはせず、窓から外に出て屋根の上をぴょーんぴょーんです、僕の身体能力ではこれについて行けないからね!
スピードが速すぎてぐえぇー。
そして見えてきた巨体。
漫画ならここで街が破壊され、悲鳴を上げながら住人が逃げ惑う場面だろう。
だがしかし謎能力の謎すぎる効果がここで発揮されていた。
暴れる赤竜。
殴っても壊れない建物!
バイーンって感じで手が跳ね返っている!
あれじゃただサンドバッグを殴っているだけのようなものだ!
炎?
なにそれ、燃やせるもんなら燃やしてみろよー! と言うかのように全く燃えていません。
謎能力スゲー、君ここまで出来る子だったんだね。
あれだと逆に建物から出る方が危険かもしれない、謎能力に守られた建物なんて最強じゃないですか。
敢えてツッコミを入れるとしたら、建物が潰れないのでドラゴンさんが足場安定しなくて暴れにくそう。
「家屋が無事、だな?」
「あれぇ? 半壊ぐらい覚悟してたんですけどね??」
「ちびかなー? ちびしかいないかなぁ?」
「あい!」
獣族に対し絶対的なチートを発揮する我が謎能力。
どうやら獣族の生活も守ってくれるみたいです。愉快、愉快。
『我と戦えぇぇぇ!!』
「魔王様っ!」
「暴れるしか能がないドラゴンなどただのトカゲよ、我一人で十分」
「あい! あーーい!!」
僕を忘れてすぐシリアスモードに入るんだからー!
リザママに抱えられた状態で一生懸命手を振ってアピール!
「お任せぇ! 獣族相手ならチートよ!」
「ちび、お前が張り切るとろくな事がないんだけど。あとあれ獣族っていうより竜族じゃね?」
「ひとくくり!」
もふっとしていようが、つるりとしていようが、僕と謎能力にはあまり関係ないのです!
だってほら謎能力だから、基準も案外あいまいなのよ。
『そこかぁぁぁ!!』
暴れても壊れない建物、逃げずに引きこもる住人、駆け付けたのに漫才してばかりで構ってくれない魔王様。
痺れを切らした赤竜がこちらへ向かってくる。
ふはははは! 来たな!
「せんしぇ! 神薙せんしぇ! お願いしまぁぁぁす!!」
「分かった」
大口を開けて迫る赤竜の前に現れたのは、ダンジョンで手に入れた青空を切り取ったかのような鮮やかな青の着物をまとった我らが神薙さん。
この世界どころか全ての異世界含めて最強の邪神様です、思う存分戦ってください。
そう思ったんだけどね。
赤竜は本当に強い個体だったみたいで、自分より強い相手の見極めも出来るし、引くことも出来る子だった。
神薙さんと対峙して秒で土下座しました。
強い相手と戦いたいだけで即死は何か違ったようです、気付かずに戦うという展開はありませんでした。
さすが謎能力、生き物に優しいねー。
こうして赤竜襲撃事件は、赤竜が神薙さんの下僕になる事で決着がついたのでした。
めでたしめでたし、である。
なお僕は走ってない、リザママの腕の中よ。
人間じゃないので廊下をちんたら走ったりはせず、窓から外に出て屋根の上をぴょーんぴょーんです、僕の身体能力ではこれについて行けないからね!
スピードが速すぎてぐえぇー。
そして見えてきた巨体。
漫画ならここで街が破壊され、悲鳴を上げながら住人が逃げ惑う場面だろう。
だがしかし謎能力の謎すぎる効果がここで発揮されていた。
暴れる赤竜。
殴っても壊れない建物!
バイーンって感じで手が跳ね返っている!
あれじゃただサンドバッグを殴っているだけのようなものだ!
炎?
なにそれ、燃やせるもんなら燃やしてみろよー! と言うかのように全く燃えていません。
謎能力スゲー、君ここまで出来る子だったんだね。
あれだと逆に建物から出る方が危険かもしれない、謎能力に守られた建物なんて最強じゃないですか。
敢えてツッコミを入れるとしたら、建物が潰れないのでドラゴンさんが足場安定しなくて暴れにくそう。
「家屋が無事、だな?」
「あれぇ? 半壊ぐらい覚悟してたんですけどね??」
「ちびかなー? ちびしかいないかなぁ?」
「あい!」
獣族に対し絶対的なチートを発揮する我が謎能力。
どうやら獣族の生活も守ってくれるみたいです。愉快、愉快。
『我と戦えぇぇぇ!!』
「魔王様っ!」
「暴れるしか能がないドラゴンなどただのトカゲよ、我一人で十分」
「あい! あーーい!!」
僕を忘れてすぐシリアスモードに入るんだからー!
リザママに抱えられた状態で一生懸命手を振ってアピール!
「お任せぇ! 獣族相手ならチートよ!」
「ちび、お前が張り切るとろくな事がないんだけど。あとあれ獣族っていうより竜族じゃね?」
「ひとくくり!」
もふっとしていようが、つるりとしていようが、僕と謎能力にはあまり関係ないのです!
だってほら謎能力だから、基準も案外あいまいなのよ。
『そこかぁぁぁ!!』
暴れても壊れない建物、逃げずに引きこもる住人、駆け付けたのに漫才してばかりで構ってくれない魔王様。
痺れを切らした赤竜がこちらへ向かってくる。
ふはははは! 来たな!
「せんしぇ! 神薙せんしぇ! お願いしまぁぁぁす!!」
「分かった」
大口を開けて迫る赤竜の前に現れたのは、ダンジョンで手に入れた青空を切り取ったかのような鮮やかな青の着物をまとった我らが神薙さん。
この世界どころか全ての異世界含めて最強の邪神様です、思う存分戦ってください。
そう思ったんだけどね。
赤竜は本当に強い個体だったみたいで、自分より強い相手の見極めも出来るし、引くことも出来る子だった。
神薙さんと対峙して秒で土下座しました。
強い相手と戦いたいだけで即死は何か違ったようです、気付かずに戦うという展開はありませんでした。
さすが謎能力、生き物に優しいねー。
こうして赤竜襲撃事件は、赤竜が神薙さんの下僕になる事で決着がついたのでした。
めでたしめでたし、である。
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