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第三章 世界に降りかかる受難
第774話
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謎の闘技場を脱出しました。
なお、偉そうな人達は脱出できません、今回は失敗したから次こそはなんてそうはえっちゃん問屋が卸さない。
僕を巻き込んだ時点で詰みです!
そして爆誕したムキムキの異形は当然ながら処分できない、だって子供たちと仲良くなってしまったから。
どうしようかなー?
困った時の魔王様である。
「こんちゃ」
「うむ、ちゃんと挨拶できて偉い」
突撃訪問でも怒らない魔王様、懐の大きい大人である。
召喚されて奴隷っぽい大人たちがもごもごしてモザイクになって、最終的に子供たちにヒーロー扱いされる異形になったと説明した。
魔王様が眉間を揉んでいる。どうやら頭痛がするらしい。
分かる。
騎士様もよくアー君たちのやらかしに同じ動作してるから。
付き合いが長いと行動も似てくるんだなぁ。
「この新種の魔物を引き取るのは分かるが、子供たちまでとなると難しい。我が守るのは魔物、人間の子供を守り育てる設備も知識もない」
「なければ作ればいいじゃない?」
「簡単に言ってくれる」
「魔王様、孤児院作るっスか? 乳児がいるなら乳が出る奴に声かけて来ますぜ?」
苦笑いする魔王様に声を掛けたのは、謁見の間の掃除をしに来た猿に似た魔物だった。
三角巾とエプロンが似合いますね。
「おさるさん」
「うきっきー」
ムキムキさんでグロ耐性が付いただけでなく、魔物への忌避感まで克服してしまったようで、お猿の魔物を怖がる様子がない。
この分なら魔王城の城下で暮らしていけるんじゃない?
あっ、魔素耐性が問題になるのかな? その辺は女神様に要相談で。
「乳児はいない」
「どれどれー? あー、全員健康状態は悪い、悪いかこれ?」
困惑するお猿さんに思わず首を傾げる。
初めて初めて見た時は小さな体を寄せ合っていた子供たち、ろくな食事を与えられていなかったのか体は骨と皮だけだった。
でもご覧ください、なぜか髪は艶々、体はふっくら健康そのもの。
「もしかして純粋な人間じゃないのか? 獣人の混血なのか? だとしたらこの神子の影響だな」
「諸々の問題が解決した!」
半分だろうが薄っすらとだろうが、獣人の血が流れていれば謎能力の大勝利である。
魔素なんて怖くない、病気なにそれ、筋肉こそ正義!
同時に子供たちが途中からノリノリだった理由が判明した。
獣人の血が流れていたから僕のテンションに影響されちゃったっぽい、あるある。よくある。
「パパとママは?」
「もうお家に帰れないの?」
「困った時のえっちゃん!」
子供たちの両親も家族も一族もご近所さんも、えっちゃん基準をクリアしていたら魔王城にご招待!!
……でも何も起こらなかった。
あれぇ?
「魔王様ぁぁぁぁ! 空から突然村が降ってきて、城下の何もなかった場所に着地しましたぁぁ!」
さすが、さすがのえっちゃんである。
頼ったらまさかの村ごと召喚でした。
よし、めでたしめでたし!
魔王様、あとはよろしく!!
なお、偉そうな人達は脱出できません、今回は失敗したから次こそはなんてそうはえっちゃん問屋が卸さない。
僕を巻き込んだ時点で詰みです!
そして爆誕したムキムキの異形は当然ながら処分できない、だって子供たちと仲良くなってしまったから。
どうしようかなー?
困った時の魔王様である。
「こんちゃ」
「うむ、ちゃんと挨拶できて偉い」
突撃訪問でも怒らない魔王様、懐の大きい大人である。
召喚されて奴隷っぽい大人たちがもごもごしてモザイクになって、最終的に子供たちにヒーロー扱いされる異形になったと説明した。
魔王様が眉間を揉んでいる。どうやら頭痛がするらしい。
分かる。
騎士様もよくアー君たちのやらかしに同じ動作してるから。
付き合いが長いと行動も似てくるんだなぁ。
「この新種の魔物を引き取るのは分かるが、子供たちまでとなると難しい。我が守るのは魔物、人間の子供を守り育てる設備も知識もない」
「なければ作ればいいじゃない?」
「簡単に言ってくれる」
「魔王様、孤児院作るっスか? 乳児がいるなら乳が出る奴に声かけて来ますぜ?」
苦笑いする魔王様に声を掛けたのは、謁見の間の掃除をしに来た猿に似た魔物だった。
三角巾とエプロンが似合いますね。
「おさるさん」
「うきっきー」
ムキムキさんでグロ耐性が付いただけでなく、魔物への忌避感まで克服してしまったようで、お猿の魔物を怖がる様子がない。
この分なら魔王城の城下で暮らしていけるんじゃない?
あっ、魔素耐性が問題になるのかな? その辺は女神様に要相談で。
「乳児はいない」
「どれどれー? あー、全員健康状態は悪い、悪いかこれ?」
困惑するお猿さんに思わず首を傾げる。
初めて初めて見た時は小さな体を寄せ合っていた子供たち、ろくな食事を与えられていなかったのか体は骨と皮だけだった。
でもご覧ください、なぜか髪は艶々、体はふっくら健康そのもの。
「もしかして純粋な人間じゃないのか? 獣人の混血なのか? だとしたらこの神子の影響だな」
「諸々の問題が解決した!」
半分だろうが薄っすらとだろうが、獣人の血が流れていれば謎能力の大勝利である。
魔素なんて怖くない、病気なにそれ、筋肉こそ正義!
同時に子供たちが途中からノリノリだった理由が判明した。
獣人の血が流れていたから僕のテンションに影響されちゃったっぽい、あるある。よくある。
「パパとママは?」
「もうお家に帰れないの?」
「困った時のえっちゃん!」
子供たちの両親も家族も一族もご近所さんも、えっちゃん基準をクリアしていたら魔王城にご招待!!
……でも何も起こらなかった。
あれぇ?
「魔王様ぁぁぁぁ! 空から突然村が降ってきて、城下の何もなかった場所に着地しましたぁぁ!」
さすが、さすがのえっちゃんである。
頼ったらまさかの村ごと召喚でした。
よし、めでたしめでたし!
魔王様、あとはよろしく!!
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