781 / 927
第三章 世界に降りかかる受難
第768話
しおりを挟む
僕がお店屋さんごっこを始めてから神薙さんとリザママのご機嫌がとてもいい。
気になったのでご機嫌な理由を聞いてみたら、どうやら神薙さんは貯まり続けるドロップ品が実は邪魔だったようです。
神薙邸にある蔵に放り込むことも考えたけれど、あちらは奉納品が詰まっているので断念、ふと思いついて気まぐれに僕に与えたら意外と喜んだので、じゃあれもこれもとポイポイ渡していたようだ。
お陰でため込んでいた財宝がちょっぴり減ったとにっこにこ、でも全然売れないので僕の手元に殆ど残っています。
現状、単純に僕が荷物を押し付けられただけのような?
周防さんに整理整頓押し付ければいいのに……と思ったけど、神薙さんに捧げる獲物を探しに遠征して全然帰って来ないから無理だね。
今頃どの辺にいるのやら。
一方、リザママがご機嫌な理由は僕がお店屋さんごっこをする事で敷地内から出ないし、昼には帰ってくるから安心度が大きいみたいです。
冒険者に被害は出ているけど、国が一つ無くなる訳じゃないからまぁいいかって感じ、理由が完全にママ目線である。
今日も適当な理由を付けてドロップ品を渡されるかと思いきや、本音を暴露したからもういいよねと、要らないものを大量に押し付けられました。
とりあえずこっそり逃げようとしたミミックを捕まえて、えっちゃんと二人でミミックの中に全部詰め込みました。
容量?
そんなもの謎能力の前には無力である。
そんな訳でリザママの料理の研究がひと段落するまで僕の露店が強制イベント続行中です。
正に在庫一掃セール。安いよ安いよ、歴史的価値があるものもお安くしとくよー!
「カタタタタ」
宝箱の角に鉢巻を巻いたミミックが目印ですよー。
「どうしても宝箱に目が行くっ!」
「冒険者の本能が憎いっ!」
実はえっちゃんにお願いしてオリハルコンと何かよく分からないけど光る物質を混ぜてもらい、それをミミックに与えました。
そしたらびっくり、ミミックちゃんの外装がイルミネーションのように自在に輝くようになったのです。
イネスが好きそう。
未来に連れて帰りたい。
どうにか未来でも一緒にいられないかなぁ?
魔物だしワンチャンあると思うんだよね。
「あれ、これお前が欲しがってた輝く短剣じゃ?」
「うわっ本当だ!! 演出が派手なだけで攻撃力がないから買うの止められたあのっ!!」
「神子様これお幾ら?」
「ここで買えないと拗ねて邪魔くさい」
「適当でいいよー」
そもそも儲けるためにやってる訳じゃないからね。
銀貨一枚でも二枚でも、ただし転売とかすると神薙さんが行くかもしれないからその辺だけはご注意を。
「いやいや、いいよ、再会できただけで十分、貴重なパーティーの金を娯楽品に使うわけにはいかないだろ」
「娯楽品じゃなきゃいい?」
涎を垂らしそうな顔で短剣を見ていたお兄さん、仲間の声に正気に戻ったようです。
安心するがいい、このお店は僕にとって完全なお遊び、そう道楽なのである!
まずはこの短剣をミミックにずぼっと。
次に大きすぎて持ち上げられなかった魔石をえっちゃんの影からミミックの中にポイ、話し合いをしている間にもぐもぐと揉みこみをしてもらいます。
ミミックが大きく口を開けたら出来上がり、ご覧ください、派手に輝く魔剣が爆誕しました。
「銀貨一枚でいいよー」
「ほら、ここで買わなきゃ後悔するぞ!」
「え、ちょっ、待っ」
仲間の人からお金を受け取り毎度ありー。
それに焦ったのは掘り出し物を探していたため、ミミックを使って行われた何かを見ていた仲間その2。
だがもう遅い、取引は成立したのである! ふはははは!
気になったのでご機嫌な理由を聞いてみたら、どうやら神薙さんは貯まり続けるドロップ品が実は邪魔だったようです。
神薙邸にある蔵に放り込むことも考えたけれど、あちらは奉納品が詰まっているので断念、ふと思いついて気まぐれに僕に与えたら意外と喜んだので、じゃあれもこれもとポイポイ渡していたようだ。
お陰でため込んでいた財宝がちょっぴり減ったとにっこにこ、でも全然売れないので僕の手元に殆ど残っています。
現状、単純に僕が荷物を押し付けられただけのような?
周防さんに整理整頓押し付ければいいのに……と思ったけど、神薙さんに捧げる獲物を探しに遠征して全然帰って来ないから無理だね。
今頃どの辺にいるのやら。
一方、リザママがご機嫌な理由は僕がお店屋さんごっこをする事で敷地内から出ないし、昼には帰ってくるから安心度が大きいみたいです。
冒険者に被害は出ているけど、国が一つ無くなる訳じゃないからまぁいいかって感じ、理由が完全にママ目線である。
今日も適当な理由を付けてドロップ品を渡されるかと思いきや、本音を暴露したからもういいよねと、要らないものを大量に押し付けられました。
とりあえずこっそり逃げようとしたミミックを捕まえて、えっちゃんと二人でミミックの中に全部詰め込みました。
容量?
そんなもの謎能力の前には無力である。
そんな訳でリザママの料理の研究がひと段落するまで僕の露店が強制イベント続行中です。
正に在庫一掃セール。安いよ安いよ、歴史的価値があるものもお安くしとくよー!
「カタタタタ」
宝箱の角に鉢巻を巻いたミミックが目印ですよー。
「どうしても宝箱に目が行くっ!」
「冒険者の本能が憎いっ!」
実はえっちゃんにお願いしてオリハルコンと何かよく分からないけど光る物質を混ぜてもらい、それをミミックに与えました。
そしたらびっくり、ミミックちゃんの外装がイルミネーションのように自在に輝くようになったのです。
イネスが好きそう。
未来に連れて帰りたい。
どうにか未来でも一緒にいられないかなぁ?
魔物だしワンチャンあると思うんだよね。
「あれ、これお前が欲しがってた輝く短剣じゃ?」
「うわっ本当だ!! 演出が派手なだけで攻撃力がないから買うの止められたあのっ!!」
「神子様これお幾ら?」
「ここで買えないと拗ねて邪魔くさい」
「適当でいいよー」
そもそも儲けるためにやってる訳じゃないからね。
銀貨一枚でも二枚でも、ただし転売とかすると神薙さんが行くかもしれないからその辺だけはご注意を。
「いやいや、いいよ、再会できただけで十分、貴重なパーティーの金を娯楽品に使うわけにはいかないだろ」
「娯楽品じゃなきゃいい?」
涎を垂らしそうな顔で短剣を見ていたお兄さん、仲間の声に正気に戻ったようです。
安心するがいい、このお店は僕にとって完全なお遊び、そう道楽なのである!
まずはこの短剣をミミックにずぼっと。
次に大きすぎて持ち上げられなかった魔石をえっちゃんの影からミミックの中にポイ、話し合いをしている間にもぐもぐと揉みこみをしてもらいます。
ミミックが大きく口を開けたら出来上がり、ご覧ください、派手に輝く魔剣が爆誕しました。
「銀貨一枚でいいよー」
「ほら、ここで買わなきゃ後悔するぞ!」
「え、ちょっ、待っ」
仲間の人からお金を受け取り毎度ありー。
それに焦ったのは掘り出し物を探していたため、ミミックを使って行われた何かを見ていた仲間その2。
だがもう遅い、取引は成立したのである! ふはははは!
20
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい
拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。
途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。
他サイトにも投稿しています。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる