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第三章 世界に降りかかる受難
第767話
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白髪のおじいちゃん、実は呪われて年を取っていただけ――なんてそんな展開はなかった。
パーティーメンバーで一番モテモテなのは正真正銘の老人だった。
冒険者ギルドで情報が共有されたのか、僕の露店は基本的に冒険者は近寄らない。
別に呪われたアイテム売っている訳じゃないのに失礼しちゃうわ。
「こうなったらアイツにプレゼントを買うつもりだった金を全部使ってやる!」
勢いのまま拝殿に突撃して寄付をするのかと思いきや、突撃してきたのは僕の露店だった。
おじいちゃんお目が高いね。
「うわっ、ばか、そこは!!」
「あわわわ」
「はわわわ」
「地雷に突撃しやがった」
酷い言いざまである。
「宝箱がある……これにする」
「あい!」
「迷いなく地雷を選びやがった!」
どすっと置かれたお金が入った布袋と引き換えに、横幅1mぐらいある宝箱がお買い上げされた。
何を隠そうこの宝箱、普通に生きています。
「ぎゃーー! 爺が食われたー!」
「ガジガジしてる! ガジガジしてるぅぅ!」
他の魔物同様、丸呑みされそうだった所を荷物持ちをしますとアピールし、何とか生き残ることが出来た生きのよいミミックちゃん。
あとあれは食べているのではなく、甘噛みです。
「なんか、安心する」
「棺桶が欲しいなら買ってやるから!」
「このミミック、材質がオーク【極】って出る」
「枠とかオリハルコンなんだけどっ!」
「どこで拾ってきたんだ、これ」
「ダンジョン」
持ってた鉱物等を餌代わりに与えたら、それを使って自分自身を魔改造したんだ。びっくりよね。
神薙さんのペット枠なので本当は非売品だけど、レンタルは可能です。
「ここに住もうかな」
「いいから出てきなさい!」
人生に疲れたおじいちゃん、とうとうミミックの中に住もうと言い出しました。
分かる。あの中って妙に安心するのよね。
「持ち帰れないし、さすがに返品したいんだが」
「歩けるよ」
魔力で四本の足をみょんって作って移動するの、移動速度もルーちゃんに負けないよ。
「俺知ってるこのパターン、強制レンタルのあれだ」
「ねぇ、もっと冒険に役立つもの売ってほしいな!」
「お願いします!」
「お願い!!」
四人が必死に説得する間もおじいちゃんはミミックとイチャ付いています、両サイドの屋台の店主もちょっと同情しつつあり、空気がカオス。
うーん何かあるかなぁ。
「神薙さんのオススメ、ドラゴンの丸焼きも出来る伝説の杖」
「火力強すぎて人間が扱っていいやつじゃないね」
十代とまだ若いのにしっかりしている。
「山も真っ二つに出来る大剣」
「森林破壊で神薙様が言いがかりを付けてくるか、神薙様の食事を邪魔して祟られるか」
ダンディー冒険者、意見が冷静。
手強い二人である。
ならば魔法使いっぽい人にはそっち系かな、ダメならえっちゃんのオススメを売りつけよう。
「魔術書」
「……これ古代語、読めないや」
「これで貴方もモテモテ、初心者向けキャンプの書」
「買ったぁ!」
名乗りを上げたのはおじいちゃんだった。
ミミックの中から元気に手を挙げている。
「ミミック返品、本一冊お買い上げぇ」
「キャンプで使える道具、売ってるぜ」
「うちのたこ焼き、キャンプで温め直して食うと美味いぞ!」
商談成立と同時に両サイドの店主が自分の商品を売り込み始めた。
神薙神社で商売を許されるだけあり、価格も冒険者のお手軽で冒険者の懐にとても優しい、僕の両サイドにいなくても普通に商売成り立ちそうなのになぜここにいるのか、謎である。
パーティーメンバーで一番モテモテなのは正真正銘の老人だった。
冒険者ギルドで情報が共有されたのか、僕の露店は基本的に冒険者は近寄らない。
別に呪われたアイテム売っている訳じゃないのに失礼しちゃうわ。
「こうなったらアイツにプレゼントを買うつもりだった金を全部使ってやる!」
勢いのまま拝殿に突撃して寄付をするのかと思いきや、突撃してきたのは僕の露店だった。
おじいちゃんお目が高いね。
「うわっ、ばか、そこは!!」
「あわわわ」
「はわわわ」
「地雷に突撃しやがった」
酷い言いざまである。
「宝箱がある……これにする」
「あい!」
「迷いなく地雷を選びやがった!」
どすっと置かれたお金が入った布袋と引き換えに、横幅1mぐらいある宝箱がお買い上げされた。
何を隠そうこの宝箱、普通に生きています。
「ぎゃーー! 爺が食われたー!」
「ガジガジしてる! ガジガジしてるぅぅ!」
他の魔物同様、丸呑みされそうだった所を荷物持ちをしますとアピールし、何とか生き残ることが出来た生きのよいミミックちゃん。
あとあれは食べているのではなく、甘噛みです。
「なんか、安心する」
「棺桶が欲しいなら買ってやるから!」
「このミミック、材質がオーク【極】って出る」
「枠とかオリハルコンなんだけどっ!」
「どこで拾ってきたんだ、これ」
「ダンジョン」
持ってた鉱物等を餌代わりに与えたら、それを使って自分自身を魔改造したんだ。びっくりよね。
神薙さんのペット枠なので本当は非売品だけど、レンタルは可能です。
「ここに住もうかな」
「いいから出てきなさい!」
人生に疲れたおじいちゃん、とうとうミミックの中に住もうと言い出しました。
分かる。あの中って妙に安心するのよね。
「持ち帰れないし、さすがに返品したいんだが」
「歩けるよ」
魔力で四本の足をみょんって作って移動するの、移動速度もルーちゃんに負けないよ。
「俺知ってるこのパターン、強制レンタルのあれだ」
「ねぇ、もっと冒険に役立つもの売ってほしいな!」
「お願いします!」
「お願い!!」
四人が必死に説得する間もおじいちゃんはミミックとイチャ付いています、両サイドの屋台の店主もちょっと同情しつつあり、空気がカオス。
うーん何かあるかなぁ。
「神薙さんのオススメ、ドラゴンの丸焼きも出来る伝説の杖」
「火力強すぎて人間が扱っていいやつじゃないね」
十代とまだ若いのにしっかりしている。
「山も真っ二つに出来る大剣」
「森林破壊で神薙様が言いがかりを付けてくるか、神薙様の食事を邪魔して祟られるか」
ダンディー冒険者、意見が冷静。
手強い二人である。
ならば魔法使いっぽい人にはそっち系かな、ダメならえっちゃんのオススメを売りつけよう。
「魔術書」
「……これ古代語、読めないや」
「これで貴方もモテモテ、初心者向けキャンプの書」
「買ったぁ!」
名乗りを上げたのはおじいちゃんだった。
ミミックの中から元気に手を挙げている。
「ミミック返品、本一冊お買い上げぇ」
「キャンプで使える道具、売ってるぜ」
「うちのたこ焼き、キャンプで温め直して食うと美味いぞ!」
商談成立と同時に両サイドの店主が自分の商品を売り込み始めた。
神薙神社で商売を許されるだけあり、価格も冒険者のお手軽で冒険者の懐にとても優しい、僕の両サイドにいなくても普通に商売成り立ちそうなのになぜここにいるのか、謎である。
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