776 / 809
第三章 世界に降りかかる受難
第763話
しおりを挟む
配達を終えて戻ってきた所でちゃんと道案内をしてくれました。
ただし慈善事業じゃないんだなぁこれが。
「金、持ってないの?」
「はい」
「金目の物も」
「はい、すみません」
「大人三人いて?」
「マジです」
裏路地を脱出出来た所で大人三人が正座して、少年に説教されている図。
大丈夫、刀国ではきっと珍しくない光景のはずです、その証拠に屋台のおばちゃんがこちらをチラッと見ても何も言わないし、通りがかった冒険者も苦笑いで立ち去って行くのがその証拠。
下手な動きをしたら包丁飛んできそうな怖さはあるけど、逃げなきゃ平気よ。多分。
僕は幼児だからね、お説教からは免除されてますよ。
むしろ子供連れなのに無一文なのかとさらに塩対応になって三人涙目、知り合ったばかりだと反論する前に心が折れてますね。
でもこの三人が僕の保護者だと思われるのはちょっと……リザママが名誉にかけて決闘を申し込みそうなので、そろそろ否定してあげよう。
「この人たち他人」
「そうなのか?」
「突然声かけられた」
「ちびちゃん、言い方!」
情けない三人から一転、不審者&幼児誘拐疑惑の瞳を向けられ、否定する二人と涙目で僕に言い直しを懇願するリーダーっぽいの。
刀国の子供って本当に強いなぁ。
「僕ね、神薙さんの所でいそーろー中よ」
「あー最近噂の暴走神子様!」
「……」
何その変なあだ名。
まるで僕がいつも暴走しているようじゃないか。
「じゃあこの三人は?」
「ただのおばか」
「ひどいっ!」
でも無一文でも道を踏み外したりせず、幼児に真面目に道を聞くようなおばかなの。
「仕方ないなぁ、バイト先を紹介してやるよ」
「マジか」
「え、神?」
「天使かよ」
三人が抱き合いながら喜んでいる。
でも喜ぶのは早すぎると思うの、労働内容聞いてからの方がいいと思うよ?
そして案内された場所はこちら!
「貴族の屋敷??」
「マジか」
「貴族のご子息様??」
「違うよ、ここって子供が多くて子守りを年中募集してるんだ」
まさかの子守り斡旋だった。
そしてまさかまさかの子だくさん公爵のご先祖。
門番に呼ばれて出てきた家令さん、三人を見て一つ頷き、案内役の子にお小遣いを与えると三人を連れて行ってしまった。
大丈夫? これ人身売買してない??
「じゃあ神子様は神社かな」
「あい!」
本日の旅はこれでおしまいか、次はお小遣いもらって今度こそ屋台でご飯。と思ったけれど、直後に解決した。
「いい子」
「神薙様のお役に立てて光栄です!!」
案内役の子の頭を撫でて褒める神薙さん、脇に抱えられて逃亡不可の僕。扱いの差よ。
お昼の用意が出来たのでリザママにお願いされて僕を迎えに来たらしい、なお本日のお昼はカレー、揚げ物選び放題。
リザママもとうとう神薙さんを気軽に使うようになったかー。
ただし慈善事業じゃないんだなぁこれが。
「金、持ってないの?」
「はい」
「金目の物も」
「はい、すみません」
「大人三人いて?」
「マジです」
裏路地を脱出出来た所で大人三人が正座して、少年に説教されている図。
大丈夫、刀国ではきっと珍しくない光景のはずです、その証拠に屋台のおばちゃんがこちらをチラッと見ても何も言わないし、通りがかった冒険者も苦笑いで立ち去って行くのがその証拠。
下手な動きをしたら包丁飛んできそうな怖さはあるけど、逃げなきゃ平気よ。多分。
僕は幼児だからね、お説教からは免除されてますよ。
むしろ子供連れなのに無一文なのかとさらに塩対応になって三人涙目、知り合ったばかりだと反論する前に心が折れてますね。
でもこの三人が僕の保護者だと思われるのはちょっと……リザママが名誉にかけて決闘を申し込みそうなので、そろそろ否定してあげよう。
「この人たち他人」
「そうなのか?」
「突然声かけられた」
「ちびちゃん、言い方!」
情けない三人から一転、不審者&幼児誘拐疑惑の瞳を向けられ、否定する二人と涙目で僕に言い直しを懇願するリーダーっぽいの。
刀国の子供って本当に強いなぁ。
「僕ね、神薙さんの所でいそーろー中よ」
「あー最近噂の暴走神子様!」
「……」
何その変なあだ名。
まるで僕がいつも暴走しているようじゃないか。
「じゃあこの三人は?」
「ただのおばか」
「ひどいっ!」
でも無一文でも道を踏み外したりせず、幼児に真面目に道を聞くようなおばかなの。
「仕方ないなぁ、バイト先を紹介してやるよ」
「マジか」
「え、神?」
「天使かよ」
三人が抱き合いながら喜んでいる。
でも喜ぶのは早すぎると思うの、労働内容聞いてからの方がいいと思うよ?
そして案内された場所はこちら!
「貴族の屋敷??」
「マジか」
「貴族のご子息様??」
「違うよ、ここって子供が多くて子守りを年中募集してるんだ」
まさかの子守り斡旋だった。
そしてまさかまさかの子だくさん公爵のご先祖。
門番に呼ばれて出てきた家令さん、三人を見て一つ頷き、案内役の子にお小遣いを与えると三人を連れて行ってしまった。
大丈夫? これ人身売買してない??
「じゃあ神子様は神社かな」
「あい!」
本日の旅はこれでおしまいか、次はお小遣いもらって今度こそ屋台でご飯。と思ったけれど、直後に解決した。
「いい子」
「神薙様のお役に立てて光栄です!!」
案内役の子の頭を撫でて褒める神薙さん、脇に抱えられて逃亡不可の僕。扱いの差よ。
お昼の用意が出来たのでリザママにお願いされて僕を迎えに来たらしい、なお本日のお昼はカレー、揚げ物選び放題。
リザママもとうとう神薙さんを気軽に使うようになったかー。
20
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!
ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。
弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。
後にBLに発展します。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる