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第三章 世界に降りかかる受難
第751話
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本日はお弁当を持って一人お出掛けです。
リザママは昨日山のように収穫された栗を加工するため、一日おうちにこもるんだって。
なんだかリザママがドリちゃんのようになってきた件。
神薙さんのご飯にかかりきりになって、本来の僕の子守りが出来ていなよね。
でも相手が相手だから文句も言えないっていう。
そんな僕が一人でやって来たのは知らない土地、転移をしたのはえっちゃんなので、えっちゃんなりの基準かお決まりのテンプレが発生するからここを選んだんだろーなー。
目の前には教会、白くて厳かな感じのちょっと高級感もあり、これはたぶん貴族階級向けの外装なんだろうな。
ヴィシュタル教の貴族からお金を搾り取ろう精神、嫌いじゃないよ。
どうやら本日は結婚式なようで、教会のお庭でパーティーが開かれていました。
どれだけの金額が動いたのか、司祭とかに聞いてみたい。
教会がそんなゲスい感じで良いのかと言えば全く問題ない、だって祀っている神様、あの腐女神様だよ?
あと多分だけど、男同士のカップルが結婚するのを直接祝福したいとか、ラブラブなのを覗き見たいとか、なんなら初夜までガッツリ見守りたいとかそういう思惑がきっとある。
祝福の対価が初夜の覗き見ってどうなんだろう?
腐っているのはもう騎士様も諦めの境地にあるけど、倫理観はどうした。
何て色々思いながらパーティー会場に潜入、お金を掛けて整えられたお庭でお客が新郎新婦を待ちながら談笑していました。
会場に一歩入った瞬間、司祭さんが横に立ったのは驚いた。
体がぴょん。って宙に浮いたよ。
「女神様より神託がありました。貴方が神子様ですね」
「あい」
まさかの女神様に先読みされていた件。
ん、もしやえっちゃんに場所指定したの女神様?
自分の神子ならいいだろうと僕にお遣いをさせるつもりだな!
司祭さんの案内で祭壇近くまで移動、なんだろうなー。って怪しげだけどここまでは何もなし。
うぅん分からん。
少し待って新郎新婦の入場。
花婿は眉間に皺を寄せた不機嫌な感じ丸出し、花嫁は晴れの日にも関わらず表情が昏い。
露骨に不穏な結婚式である。
新郎も新婦も両方男だった事を一応付け加えておく。
(えー、この二人は見てわかる通り政略結婚ってやつだ。しかも片方がピンク系に魅了されたまま、婚約破棄し損ねたパターン!)
(竜頭蛇尾、女神様のせいじゃない?)
(そんな事はない!)
神託という名の脳内電波での会話も慣れたものです、だいたいですね、ピンク系が存在する時点で全部女神様の責任だと思うんだ。
(ああ誓いの言葉が始まる)
(僕何すればいいの?)
(二人の結婚邪魔して)
(あーい)
祭壇前で祈りの言葉を聞く二人。
でもね、BLをこよなく愛する女神様が君たちの結婚に反対しているんです。
腐っているけどあの人って純愛好きだからね、覗きに趣味にと忙しい女神様は全ての人間の幸せにする暇もやる気もないけれど、信者に幸せのきっかけを与えるぐらいはしてくれます。
「――はシリル・レヴァインを愛すると誓いますか」
「その結婚はむこーです!」
えっちゃんの力を借り、祭壇の上で仁王立ち。
僕、今とても目立ってる。
「神子様」
「女神さまの神託です、二人の結婚、認めない!」
「な、なにを無礼な! その子供を引きずりおと――」
落とせと言いたかったのだろう貴族のおじさん、最後まで言い切れずにいきなりぶっ倒れたと思ったらいびきをかいて寝ています。
隅の方で司祭の一人が汗をぬぐっている。どうやらスリープをかけたようだ。
僕に無礼を働いてえっちゃんに消されるよりはマシである。
リザママは昨日山のように収穫された栗を加工するため、一日おうちにこもるんだって。
なんだかリザママがドリちゃんのようになってきた件。
神薙さんのご飯にかかりきりになって、本来の僕の子守りが出来ていなよね。
でも相手が相手だから文句も言えないっていう。
そんな僕が一人でやって来たのは知らない土地、転移をしたのはえっちゃんなので、えっちゃんなりの基準かお決まりのテンプレが発生するからここを選んだんだろーなー。
目の前には教会、白くて厳かな感じのちょっと高級感もあり、これはたぶん貴族階級向けの外装なんだろうな。
ヴィシュタル教の貴族からお金を搾り取ろう精神、嫌いじゃないよ。
どうやら本日は結婚式なようで、教会のお庭でパーティーが開かれていました。
どれだけの金額が動いたのか、司祭とかに聞いてみたい。
教会がそんなゲスい感じで良いのかと言えば全く問題ない、だって祀っている神様、あの腐女神様だよ?
あと多分だけど、男同士のカップルが結婚するのを直接祝福したいとか、ラブラブなのを覗き見たいとか、なんなら初夜までガッツリ見守りたいとかそういう思惑がきっとある。
祝福の対価が初夜の覗き見ってどうなんだろう?
腐っているのはもう騎士様も諦めの境地にあるけど、倫理観はどうした。
何て色々思いながらパーティー会場に潜入、お金を掛けて整えられたお庭でお客が新郎新婦を待ちながら談笑していました。
会場に一歩入った瞬間、司祭さんが横に立ったのは驚いた。
体がぴょん。って宙に浮いたよ。
「女神様より神託がありました。貴方が神子様ですね」
「あい」
まさかの女神様に先読みされていた件。
ん、もしやえっちゃんに場所指定したの女神様?
自分の神子ならいいだろうと僕にお遣いをさせるつもりだな!
司祭さんの案内で祭壇近くまで移動、なんだろうなー。って怪しげだけどここまでは何もなし。
うぅん分からん。
少し待って新郎新婦の入場。
花婿は眉間に皺を寄せた不機嫌な感じ丸出し、花嫁は晴れの日にも関わらず表情が昏い。
露骨に不穏な結婚式である。
新郎も新婦も両方男だった事を一応付け加えておく。
(えー、この二人は見てわかる通り政略結婚ってやつだ。しかも片方がピンク系に魅了されたまま、婚約破棄し損ねたパターン!)
(竜頭蛇尾、女神様のせいじゃない?)
(そんな事はない!)
神託という名の脳内電波での会話も慣れたものです、だいたいですね、ピンク系が存在する時点で全部女神様の責任だと思うんだ。
(ああ誓いの言葉が始まる)
(僕何すればいいの?)
(二人の結婚邪魔して)
(あーい)
祭壇前で祈りの言葉を聞く二人。
でもね、BLをこよなく愛する女神様が君たちの結婚に反対しているんです。
腐っているけどあの人って純愛好きだからね、覗きに趣味にと忙しい女神様は全ての人間の幸せにする暇もやる気もないけれど、信者に幸せのきっかけを与えるぐらいはしてくれます。
「――はシリル・レヴァインを愛すると誓いますか」
「その結婚はむこーです!」
えっちゃんの力を借り、祭壇の上で仁王立ち。
僕、今とても目立ってる。
「神子様」
「女神さまの神託です、二人の結婚、認めない!」
「な、なにを無礼な! その子供を引きずりおと――」
落とせと言いたかったのだろう貴族のおじさん、最後まで言い切れずにいきなりぶっ倒れたと思ったらいびきをかいて寝ています。
隅の方で司祭の一人が汗をぬぐっている。どうやらスリープをかけたようだ。
僕に無礼を働いてえっちゃんに消されるよりはマシである。
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