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第三章 世界に降りかかる受難
第747話
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ある日森の中、熊さんに出会って出合い頭に抱っこされた。
前に会った事のある子連れママさんでした。
イエティもいたけど熊に馴染み過ぎてて気付くの遅れちった!
しかも子熊が親離れしておらず、大きくなっても一緒だったの。
謎能力のやらかしが原因だろうか。
「くーまくまー」
「森のーなぁかぁ~」
「俺、熊に乗ってる」
すっかり大人になった子熊たちの背に乗り、孤児院の子供たちも大喜び。
そして引率として付いてきた司祭のおじいちゃん、腰と顎を抜かして動けなくなったのでイエティがお姫様抱っこで運んでます。
高ランクの魔物であるイエティ、謎能力の影響を受けて最強に至った母熊、森の中でも機動力を失わないリザママ、このメンバーが揃っている森歩きに危険があるわけない。
案内するゴブリンも最初は驚いていたものの、今は案内を母熊に任せて自分も子供たちに混ざって採取に勤しんでいます。
それでいいのだろうか。
「イェーイ、きのこみっけー!」
「毒キノコもあったぞー!」
「ぎゃぎゃぎゃ!」
陽の光が入って明るい森の中、賑やかに採取する子供たちとゴブリン。
でも皆して視線が地面、栗は?
あっ、どんぐり。
たまにチラッと野生動物の姿が見えるけど、ビクッとして慌てて逃げて行っちゃう。
動物と触れ合えなくて寂しいなーって思っていたら、僕でも見える範囲に何と白い狼が!!
「白い狼!」
「あっ、こらちび、野生動物に無暗に近付くんじゃありません!」
狼ー!
日常の中に常に狼がいた暮らしをしていた僕、久々の白いもふもふに理性が弾けて考えるより先に走った。
僕が駆け寄っても狼は逃げる様子も襲ってくる様子もない、勢いのまま首に抱き着いても怒られなかった。
普通に考えてレイアさんから雷が落とされる行動である。
「普段はとろいのに……って銀狼じゃねぇか!」
追いついたリザママが狼さんを見て息をのんだ。
その時すでに僕は狼の背中にへばりつくように乗っていました。
野生動物のゴワゴワも嫌いじゃないのよ。
「銀狼に抱き着くって普通に自殺行為だからね!?」
「狼、銀狼だったの?」
見れば分かるだろうと言わんばかりに鼻息で返答された。
ごめんね、久々に見る狼に興奮して種族までキチンと見ていませんでした。
「ちび、悪いこと言わないからこっち戻っておいで~」
「やーよ」
ワンコの毛並みと独特の匂いがとても落ち着く。
後で肉球の匂い嗅がせてくれないかなぁ。
「そうだ、僕らね、栗を探してるの。場所知ってる?」
「フン」
ノシっと僕を乗せたまま銀狼が歩き出す、あわあわしながらリザママが追って来て、少し離れて熊さんやゴブリンたちも後を付いてくる。
リザママが困惑しているのは十二分に承知だけど、狼の背中から離れられない。
このまま寝てもいいかなぁ。
前に会った事のある子連れママさんでした。
イエティもいたけど熊に馴染み過ぎてて気付くの遅れちった!
しかも子熊が親離れしておらず、大きくなっても一緒だったの。
謎能力のやらかしが原因だろうか。
「くーまくまー」
「森のーなぁかぁ~」
「俺、熊に乗ってる」
すっかり大人になった子熊たちの背に乗り、孤児院の子供たちも大喜び。
そして引率として付いてきた司祭のおじいちゃん、腰と顎を抜かして動けなくなったのでイエティがお姫様抱っこで運んでます。
高ランクの魔物であるイエティ、謎能力の影響を受けて最強に至った母熊、森の中でも機動力を失わないリザママ、このメンバーが揃っている森歩きに危険があるわけない。
案内するゴブリンも最初は驚いていたものの、今は案内を母熊に任せて自分も子供たちに混ざって採取に勤しんでいます。
それでいいのだろうか。
「イェーイ、きのこみっけー!」
「毒キノコもあったぞー!」
「ぎゃぎゃぎゃ!」
陽の光が入って明るい森の中、賑やかに採取する子供たちとゴブリン。
でも皆して視線が地面、栗は?
あっ、どんぐり。
たまにチラッと野生動物の姿が見えるけど、ビクッとして慌てて逃げて行っちゃう。
動物と触れ合えなくて寂しいなーって思っていたら、僕でも見える範囲に何と白い狼が!!
「白い狼!」
「あっ、こらちび、野生動物に無暗に近付くんじゃありません!」
狼ー!
日常の中に常に狼がいた暮らしをしていた僕、久々の白いもふもふに理性が弾けて考えるより先に走った。
僕が駆け寄っても狼は逃げる様子も襲ってくる様子もない、勢いのまま首に抱き着いても怒られなかった。
普通に考えてレイアさんから雷が落とされる行動である。
「普段はとろいのに……って銀狼じゃねぇか!」
追いついたリザママが狼さんを見て息をのんだ。
その時すでに僕は狼の背中にへばりつくように乗っていました。
野生動物のゴワゴワも嫌いじゃないのよ。
「銀狼に抱き着くって普通に自殺行為だからね!?」
「狼、銀狼だったの?」
見れば分かるだろうと言わんばかりに鼻息で返答された。
ごめんね、久々に見る狼に興奮して種族までキチンと見ていませんでした。
「ちび、悪いこと言わないからこっち戻っておいで~」
「やーよ」
ワンコの毛並みと独特の匂いがとても落ち着く。
後で肉球の匂い嗅がせてくれないかなぁ。
「そうだ、僕らね、栗を探してるの。場所知ってる?」
「フン」
ノシっと僕を乗せたまま銀狼が歩き出す、あわあわしながらリザママが追って来て、少し離れて熊さんやゴブリンたちも後を付いてくる。
リザママが困惑しているのは十二分に承知だけど、狼の背中から離れられない。
このまま寝てもいいかなぁ。
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