750 / 844
第三章 世界に降りかかる受難
第737話
しおりを挟む
恐怖のピクニックを終えた翌日。
5m級のマグロと小ぶりのサーモンを持ったギレンが我が家にやってきた
「マグロは神薙に、サーモンはお前らに、小ぶりだがこの時期のサーモンは身がしまってて美味いんだ」
「おおさっそく捌いて食べような」
「あい」
受け取ったから帰っていいよ。という雰囲気を出すリザママをギレンが睨む。
問答無用で遊びに押しかけ、秘蔵酒まで飲んだのにこの雑な扱い、もしやギレンは不憫系キャラだったのだろうか。
似合わない。
「そっちのちび助に聞きたいことがあるんだ」
「ぼくはない」
「助平親父がうちの子に近付くな」
「俺の扱いひどくない?」
でもギレンが助平なのは嘘偽りない事実なのである。
アカーシャに出会うまでは下半身事情がゆるゆるキャラだった。
思い出してみよう地球でのギレンと触れ合った日々を。
三匹のもふもふ長毛種ボルゾイ、もふもふふわふわ、とても可愛かった。
ギレンにもらったお小遣いを三匹をブラッシングするためのブラシに投資した日々、とても懐かしい。
……ではなく、漆黒の肌が綺麗なお姉さんと腕を組んで良い車に乗ってお出かけして行きましたね。
きっとモデルさんか女優さんだったんだろう、手足は長いし、全身のバランスが完璧だったし、歩き方もとても綺麗だったなぁ。
対するギレンはお鼻の下がとても、とてーーも長かった。気がする。
「ギレンの好みは褐色肌のエロい感じのひと」
「っぐぁ」
ポロっと言葉を漏らしたらギレンにダメージが入りました。
本当のこと言ってごめんね?
「すけべほんとう、リザママするどい」
「そうだろう、そうだろう」
本当に教育に悪いわぁと言ってギレンに視線を向けるリザママ、えん罪ではないのでフォローしようがない。
「それで? うちのちびに何の用?」
「未来から来たと神薙から聞いた。知りたいことがある」
「嫁のおちりにしかれて幸せいっぱい」
ガチッとギレンの動きが止まった。
あれ、聞きたいのそういう事じゃなかったの?
「それは、幸せ、なのか??」
「ふまんは聞いたことないなー」
例えアカーシャの作った料理が炭だとしても、引きつった笑顔で完食してました。
愛妻のために心身を削るスパダリだと思う。
「そうじゃない、俺が聞きたいのは、俺の未来の事だ」
ようは未来を先取りして、自分に有利に導きたいってことらしい。
助言して未来が揺れても困るので下手な事は言えないなぁ、あっ、でも一つだけギレンに伝えられる事がある。
「将来ボルゾイ飼わないと不幸になる」
主に僕が。
5m級のマグロと小ぶりのサーモンを持ったギレンが我が家にやってきた
「マグロは神薙に、サーモンはお前らに、小ぶりだがこの時期のサーモンは身がしまってて美味いんだ」
「おおさっそく捌いて食べような」
「あい」
受け取ったから帰っていいよ。という雰囲気を出すリザママをギレンが睨む。
問答無用で遊びに押しかけ、秘蔵酒まで飲んだのにこの雑な扱い、もしやギレンは不憫系キャラだったのだろうか。
似合わない。
「そっちのちび助に聞きたいことがあるんだ」
「ぼくはない」
「助平親父がうちの子に近付くな」
「俺の扱いひどくない?」
でもギレンが助平なのは嘘偽りない事実なのである。
アカーシャに出会うまでは下半身事情がゆるゆるキャラだった。
思い出してみよう地球でのギレンと触れ合った日々を。
三匹のもふもふ長毛種ボルゾイ、もふもふふわふわ、とても可愛かった。
ギレンにもらったお小遣いを三匹をブラッシングするためのブラシに投資した日々、とても懐かしい。
……ではなく、漆黒の肌が綺麗なお姉さんと腕を組んで良い車に乗ってお出かけして行きましたね。
きっとモデルさんか女優さんだったんだろう、手足は長いし、全身のバランスが完璧だったし、歩き方もとても綺麗だったなぁ。
対するギレンはお鼻の下がとても、とてーーも長かった。気がする。
「ギレンの好みは褐色肌のエロい感じのひと」
「っぐぁ」
ポロっと言葉を漏らしたらギレンにダメージが入りました。
本当のこと言ってごめんね?
「すけべほんとう、リザママするどい」
「そうだろう、そうだろう」
本当に教育に悪いわぁと言ってギレンに視線を向けるリザママ、えん罪ではないのでフォローしようがない。
「それで? うちのちびに何の用?」
「未来から来たと神薙から聞いた。知りたいことがある」
「嫁のおちりにしかれて幸せいっぱい」
ガチッとギレンの動きが止まった。
あれ、聞きたいのそういう事じゃなかったの?
「それは、幸せ、なのか??」
「ふまんは聞いたことないなー」
例えアカーシャの作った料理が炭だとしても、引きつった笑顔で完食してました。
愛妻のために心身を削るスパダリだと思う。
「そうじゃない、俺が聞きたいのは、俺の未来の事だ」
ようは未来を先取りして、自分に有利に導きたいってことらしい。
助言して未来が揺れても困るので下手な事は言えないなぁ、あっ、でも一つだけギレンに伝えられる事がある。
「将来ボルゾイ飼わないと不幸になる」
主に僕が。
20
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる