神様のポイント稼ぎに利用された３

第三章 世界に降りかかる受難

第732話

　ギレンのお家に突撃訪問したら、お家の人が丁重にもてなしてくれた。
　ハッピー、ハッピー。

「あー、良いわぁ、これ、あぶくが気持ちいい」
「リザママ、頭にお花付いてる」
「これかぁいい匂い」

　ギレンと遊びに来たと言うはずが、ギレンで遊びに来た。と言い間違えたのに使用人の人たちはとても優しく受け入れてくれた。
　案内された客室はちょう豪華、まず異世界なのに和室！
　畳！
　障子！
　板張りの床！
　囲炉裏！

　囲炉裏のあるお部屋の隣は寝室、障子を開けると和風を意識して整えられた広いお庭。
　あの大きい岩、あとで登ろう。

「こちら側に行きますとジャグジーバスルームがあります」
「リザママ見に行こう」
「おうよ」

　板張りの床だけど、神薙さんのお家と違って自動再生はないからリザママが歩くのに気を使っていたので、えっちゃんにお願いして特殊材質のスリッパを出してもらった。
　こちら幼児から大人まで、相手のサイズに合わせて自動で大きさが変わる魔法のスリッパになります。
　うちの子たちが遊びで作りました。

　それを履いてもらってから改めてバスルームに移動。
　お庭と部屋の間にはちょっとした廊下があって、囲炉裏のあるお部屋を出て右側が寝室、左を向けば各種バスルームがあった。
　この建物、Ｌ字になってるのかな？

「風呂があるだけでも凄いのに、風呂場にソファがあるんだが？？」
「ギレンお金持ちだからね」

　そして将来はそのお金をうちの子のために使うので、ここがさらに豪華になります。

「うっそ源泉かけ流し？」
「はい、こちらの湯は体の血行が良くなります」
「ちびはすぐ冷えるからな、後で入っておけよ」
「あい」
「そして次は」
「他にもあるのか」

　驚くリザママに微笑みを返す使用人に案内され、足湯や露天風呂付家族湯など次々お風呂を紹介されました。
　そして最後に案内されたのが、見た瞬間にリザママが飛び込んだ綺麗なお花が浮く露天ジャグジー。

　おあーと声にならない声を出してリラックス状態、これはもう当分出てこないと見た。

「何かお食べになりますか？」
「いろりで焼いて食べゆ」
「承知しました」

　涼玉がいないから焦げないように気をつけねば！
　何て心配はいらなかった。

　囲炉裏に火をつけ、マシュマロや一口サイズのお餅を焼いてくれたのだけど、それら全て、丁度よい焼き加減で取り上げて僕に食べさせてくれたのです。
　上げ膳据え膳でダメな幼児になりそう！！

「お気に召しましたか？」
「あい！」
「では夕食もこちらをメインに使ったものに致しましょう」
「なんでお前らは泊まるのを前提でもてなしてるんだよ！」

　甘くとろけたマシュマロをあーんしてもらった所でギレンが登場、リザママの晩酌に付き合える相手が来たので夕食にはお酒も出してください。
　僕はリザママが安心して飲めるよう、今日だけは大人しくする予定です。