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第三章 世界に降りかかる受難

第715話

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 神薙さんがお昼目当てに訪れるようになりました。

「周防さんは?」
「大物を狩るといってこの一週間ほど出掛けている」

 周防さんは超人的に強いだけで転移とかは使えないらしい。
 なので一度お出掛けするとなかなか帰ってこないみたいです、それは知らなかったなぁ。
 最もアイテムボックスはあるから、行きも帰りも手ぶらではあるらしい、荷物が少なく済むのは強みだね。

 朝は惰眠を貪り、夜はお酒を飲んで寝るだけなので、美味しいものを食べるならお昼と決めている。
 神は神でも邪神様だし、暴れずに大人しくしているのがお仕事なんだよね。

 将来は朝晩関わらずあちこちに出没するし、屋台で買い食いしたり、ダンジョン周回したり、騎士様の要請で異世界に出張したりとか忙しい日もあるので、今のうちにダラダラしておいてください。
 その肝心の未来がいつか分かれば帰れるんだけどなー、ここどのぐらい過去なんだろうね?

「そういう訳でダンジョン行きたい」
「どういう訳だろうね」

 クルミを素手で割るリザママに本日の予定を伝えたら頬っぺたをむにーんってされました。

「ダンジョン行って食材たくさん」
「ダンジョンはアイテムドロップするけど、必ずしも食べれるもんとは限らないぞ。あと危険すぎて子供が行く場所じゃない」

 そう言えばアー君が手を入れるまでそんな感じだったっけ。
 未来じゃお気軽に高級食材が手に入る魅惑のダンジョンが増えまして、おかげで邪神様もご機嫌です。

「ダンジョンだめ、じゃあ森?」
「お前なぁ、遊びに行く事よりももっと考える事あるだろう?」
「?」

 なんだろう、神薙さんのおやつとか三食メニューとかそういうの?

 でも待てよ。
 よくよく考えたら出会った頃の神薙さん、ドラゴンの鱗だろうが翼だろうが鉱石だろうがバリバリ食べてた。
 つまりドロップした素材類でも何の問題もない!

「魔王様から聞いてるぞ、遥か未来からここに飛ばされてきたって」
「あい」

 正直、えっちゃんが一緒にいるから何の不安も抱いてなかったです。

「元の世界に戻る方法とか考えなくていいのか?」
「んー?」

 えっちゃんとは合流できたから、後は騎士様が頑張って迎えに来てくれると信じてます。
 ただそれにはこの時間軸をなるべく正しく把握する必要があるってえっちゃんが言ってた。それをそのままリザママに伝えました。

「え、何で、魔王様の上司が迎えに来ることを確信してるんだ? 閣下を顎で使っている気配がするんだけど?」
「しぜんのせつり」

 旦那とは嫁に逆らえない存在なのである。
 あと僕を無事に保護しないと子供達から総スカン食らうと思うんだ。
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