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第三章 世界に降りかかる受難
第690話
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やって参りましたキャンプ場。
確か湖の中には秘境を守る結界の要の一つが安置されているんだっけ。
ここはイネスとネヴォラが見つけ、キャンプ場に決定したんだよね。
その後、騎士様が魔力枯渇を起こすぐらいこき使われて、あっという間に神々の保養地になりました。
それぞれのコテージ、内装にとてもこだわったらしいよ。
緩やかな斜面を滑るソリとドラゴンと大蛇、僕が湖の中を覗き込んでいる間に子供達は全力で遊ぶために散り、騎士様は釣竿を持たされて釣りに、刀雲はいい感じの木陰を確保してバーベキューの用意、イケメン孫もそれを手伝っています。
僕はどうしようかなぁ。
できれば泳ぎたいけど、一人で泳いだらさすがに駄目よね。
なんて思っていた僕の横に二つの影。
「ロー、ルド」
「わふん」
ローが地面に置いたのはペット用浮き輪、乗れるタイプ。に変じたスライム。
ローは何も身に着けていないけれど、ルドは犬用ライフジャケットを装着していた。オレンジがとってもカッコイイ感じ。
それを湖に浮かばせ、ぴょーんと飛び乗るロー、僕のポンチョをくわえてそこに飛び乗るルド。
ワンワンとボート遊び、とても良い、幼児最高である。
漕いでもいないのに自然と動き出すホラー現象だと思ったら、湖に住んでいる海坊主ミニが僕らを運んでいました。
あれ、でも湖だから海坊主違う? 湖坊主? ごろが悪いから海坊主でいいか。
少し深めの所に来た所でルドが湖に飛び込んだ。
水にはしゃぐワンコが最高に可愛い、運んでくれた海坊主ミニもありがとー。
ローは浮き輪のフチに顎を乗せ、水の音と風を楽しんでいるようです。
いや違う、視線が刀雲に釘付けだから、単にお肉が出される瞬間を狙っているだけだ。
ローの背中をクッションに、自然の風景を楽しみつつ、ルドの華麗なアクションを楽しんでいたら、その横を爆速で通り過ぎるヨムちゃん。
良く見たら足元に二匹のミニクラーケンがいた。子分にしたのかな。
僕も泳ごうかなぁ、でも見てるだけでも楽しい。
「わふっ!!」
突然顔を上げたローが目を輝かせながら一吠えした。
どうやらバーベキューの準備が完了し、食材が並び始めたようだ。
海坊主ミニがこちらを見ている。
「岸へお願い」
頼んだら触手をぐっと伸ばして返事をしてくれた。この子賢い。
岸に向かって動く浮き輪、尻尾を千切れんばかりに振るローと、ヨムちゃんに拾ってもらい、僕らを追い越して行ったルド、すれ違う時なんだか得意げでした。
「戻ってきても昼はまだ当分先だぞ」
「!?」
やっと岸に着き、ルドに追いついたら刀雲の一言にショックを受けていました。
「ルド……朝食食べたばかりだろう?」
「きゅーん」
並べられていたはずの食材もすでに片付けられ、そこにあるのはバーベキューコンロと焚火台、食事を楽しむためのテーブルや椅子だけだった。
片付けないとローとルドを代表とする食いしん坊が味見と称しておねだりするだろうし、邪神一家が盗み食いするとも限らない。
家族の食事を守るため、家長である刀雲は銀狼のおねだりすら跳ねのける強固な精神力を持っている。
イネスも刀雲のガードを突破するのは難しいと言っていた。
逆に騎士様はちょろいと言われてました。なるほど、食事時にモテモテな訳だ。
ワンコ兄弟が諦めきれずに刀雲におねだりしている間、僕はイケメン孫に濡れてないのにふわふわタオルで拭かれ、ムササビポンチョに着替えさせられていました。
なんとなく、今なら空を飛べる気がする。
確か湖の中には秘境を守る結界の要の一つが安置されているんだっけ。
ここはイネスとネヴォラが見つけ、キャンプ場に決定したんだよね。
その後、騎士様が魔力枯渇を起こすぐらいこき使われて、あっという間に神々の保養地になりました。
それぞれのコテージ、内装にとてもこだわったらしいよ。
緩やかな斜面を滑るソリとドラゴンと大蛇、僕が湖の中を覗き込んでいる間に子供達は全力で遊ぶために散り、騎士様は釣竿を持たされて釣りに、刀雲はいい感じの木陰を確保してバーベキューの用意、イケメン孫もそれを手伝っています。
僕はどうしようかなぁ。
できれば泳ぎたいけど、一人で泳いだらさすがに駄目よね。
なんて思っていた僕の横に二つの影。
「ロー、ルド」
「わふん」
ローが地面に置いたのはペット用浮き輪、乗れるタイプ。に変じたスライム。
ローは何も身に着けていないけれど、ルドは犬用ライフジャケットを装着していた。オレンジがとってもカッコイイ感じ。
それを湖に浮かばせ、ぴょーんと飛び乗るロー、僕のポンチョをくわえてそこに飛び乗るルド。
ワンワンとボート遊び、とても良い、幼児最高である。
漕いでもいないのに自然と動き出すホラー現象だと思ったら、湖に住んでいる海坊主ミニが僕らを運んでいました。
あれ、でも湖だから海坊主違う? 湖坊主? ごろが悪いから海坊主でいいか。
少し深めの所に来た所でルドが湖に飛び込んだ。
水にはしゃぐワンコが最高に可愛い、運んでくれた海坊主ミニもありがとー。
ローは浮き輪のフチに顎を乗せ、水の音と風を楽しんでいるようです。
いや違う、視線が刀雲に釘付けだから、単にお肉が出される瞬間を狙っているだけだ。
ローの背中をクッションに、自然の風景を楽しみつつ、ルドの華麗なアクションを楽しんでいたら、その横を爆速で通り過ぎるヨムちゃん。
良く見たら足元に二匹のミニクラーケンがいた。子分にしたのかな。
僕も泳ごうかなぁ、でも見てるだけでも楽しい。
「わふっ!!」
突然顔を上げたローが目を輝かせながら一吠えした。
どうやらバーベキューの準備が完了し、食材が並び始めたようだ。
海坊主ミニがこちらを見ている。
「岸へお願い」
頼んだら触手をぐっと伸ばして返事をしてくれた。この子賢い。
岸に向かって動く浮き輪、尻尾を千切れんばかりに振るローと、ヨムちゃんに拾ってもらい、僕らを追い越して行ったルド、すれ違う時なんだか得意げでした。
「戻ってきても昼はまだ当分先だぞ」
「!?」
やっと岸に着き、ルドに追いついたら刀雲の一言にショックを受けていました。
「ルド……朝食食べたばかりだろう?」
「きゅーん」
並べられていたはずの食材もすでに片付けられ、そこにあるのはバーベキューコンロと焚火台、食事を楽しむためのテーブルや椅子だけだった。
片付けないとローとルドを代表とする食いしん坊が味見と称しておねだりするだろうし、邪神一家が盗み食いするとも限らない。
家族の食事を守るため、家長である刀雲は銀狼のおねだりすら跳ねのける強固な精神力を持っている。
イネスも刀雲のガードを突破するのは難しいと言っていた。
逆に騎士様はちょろいと言われてました。なるほど、食事時にモテモテな訳だ。
ワンコ兄弟が諦めきれずに刀雲におねだりしている間、僕はイケメン孫に濡れてないのにふわふわタオルで拭かれ、ムササビポンチョに着替えさせられていました。
なんとなく、今なら空を飛べる気がする。
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