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第三章 世界に降りかかる受難

第668話

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 神秘の森の制圧完了。
 忘れていた訳じゃないけれど、そう言えば本当の目的ここじゃなかった。
 大型魔物追い掛け回すのが楽しくてうっかりしてました。

「うっかりうっかり」
「俺らも当初の目的忘れてたな」
『神薙様が戻ってこないはずなのよ』
「ママの領土にするためにお誘いに行っただけでした」

 本来の目的は僕に奉納された亡国の土地の魔改造。
 そう、僕らの大いなる目的はここからが本番――。

「よぉ」

 まず拠点を作ろうと王都跡地近くに来たらレイアさんがいた。

「レイアさん? ダンジョンは?」
「さすがに過剰戦力過ぎて攻略が一瞬だったからこっちきた」

 今は騎士様と皇帝が二人が魔法使用なし、剣のみの縛りプレイで二周目に挑戦中らしい。
 
『レイア様と騎士様だけですでに過剰戦力なの』
「勝てる相手いたら見てみたいよな」
「ママぐらい、ですかね」

 暇になったから僕らと行動しようとこちらに来たらしい、そういう訳で一緒に廃都を見学する事になりました。
 ワクワク王都散策です。滅びているけど。

 王都を守る城壁はある程度形は保っている。ただし血まみれなのか視界全体がモザイク。
 スプラッターホラーがあったのは間違いない。

 王都を守る門はひしゃげているし、当然門番なんてどこにもいない、門の真横には人間が押し付けられたような形がついている。ご愁傷さまです。
 これやったの誰だろう、恐怖を煽ってなぶり殺しにしてません?

 血まみれの門をくぐって王都に入って分かった。
 あれやったの神薙さんだ。
 なぜ分かったかって?

 門からお城に向かって一直線に大地がなかったからです。

「これどうやったんですかね?」
『瘴気ブレス?』
「ドラゴンブレスならぬ邪神ブレスですねー」

 恐らくこの先にはお城があったんだろうなぁ、今は何も見えないけど。
 王都に入るにも地面が消失している場合はどうしたらいいのだろうか、僕子供だから分からないや。

「ジャンプで入ればいいだろ」

 脳筋がなんか言ってる。

「それがダメなら……城壁に穴開けて新しく道を作るとか」

 さすが脳筋代表、発想が違う。
 お願いしたら数秒後には新しい出入口が出来上がり、知らなかったなぁ、城壁って素手で壊せるんだね。

 破壊された城壁から王都に入ると全体的にモザイクだった。
 景色を楽しめないでござる。

『恨みと瘴気が混ざって空気が淀んでるの、あと全体的に血まみれでママが何も見えないのよ』
「イネス、合体技やってみるか!」
「いいですね! やっちゃいますか!」

 僕が何も見えない事を察した子供達が現状をどうにかしてくれうそうです、とても頼もしい。
 派手にお願いします!
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