神様のポイント稼ぎに利用された３

第三章 世界に降りかかる受難

第663話

　奉納された土地は意外と広く、アー君の領地よりは多分小さいのかな？
　そもそも正しい地図というものがないから分からない、カイちゃんに言えば教えてもらえるだろうけど領地経営という名の勉強会が始まりそうなので聞けない。

　ステータス画面で確認すればいい？
　地理とか歴史の授業苦手だったんだよね、それは今も変わらない。

　気を取り直して、見つけた主候補のその後を発表します！
　柴犬は自由に楽しんで欲しいのでそのまま、トレントのじいちゃんを楽し気にかじっていたので今後は一緒にいるのを見かけるかもしれない。
　枯れ木みたいな外見だけど噛み応えあるんだろうか。

　方向音痴なリッチは魔力が膨大だし、転生者なので主にいいかなと思ったけど、本人がよそに遊びに行ってみたい、異世界旅行を安全に楽しんでみたい。と言ったので呪われた雪山と古代の王様紹介しておきました。
　多分しばらく帰らないだろうなぁ、あっち豪邸とプールあるだけじゃなく、アー君と女神様プロデュースのジャンクフードの種類が豊富なんだ。
　あとドリンク。

　六本腕の白熊さんは野性を愛する性質だったので、今まで通り自由に生きてもらいます。
　皆によると僕に気に入られた時点で謎能力が発動しているので、万が一にも弱肉強食で倒れることはないんだって。
　本人が唯一困っていた食べ物も、涼玉がロデオと暴れまわって解決済み、美味しい物を食べてふっわさらの毛皮になるがいい。

　四つ首ドラゴンは縄張りに戻りました。
　元々の自分の縄張りだし、これからも引き続き守るからお願いだからおうちに返してって号泣された。
　なんでも傷に良く効く温泉があるらしく、早く入りたかったらしい。
　傷は治っても首は生えないと思う、尻尾だったら増やせるんだけどね。

「俺、自分の才能が怖いぜ」
『周囲の魔素が豊富なのよ』
「夢の世界にある世界樹ほど大きくないですけど、あれは規格外ですからねー」

　僕らが見上げているのは魔境の中心地に植えた世界樹の枝が成長したもの、僕ぐらいの高さだった枝を地面に植えて、涼玉がダンスしたらこの通り、三階建ての建物ぐらいまで成長しました。
　トレントのじいちゃんが「儂の若い頃にそっくりじゃぁ」と言っているけど本当だろうか、とりあえず孫のように面倒を見てくれるなら助かる。

　そしてこの世界樹の欠片、異世界ですからね、住めるんです！！
　暮らせる部分はまだ小屋程度の小さなスペースだけど、住人は九尾のお兄さんとのじゃ、エンシャントじいちゃんの三人。
　狐の二人は保護者と幼女だから分かるとして、じいちゃんは何でだろうと思ったら老後はのんびり暮らしたいと思っていたそうです。

　魔境なのに平和を愛するタイプの魔物が多い件。

　結局主として活躍出来そうなのが白熊さんと四つ首ぐらい？
　トレントのじいちゃんは自然の一部だから主と言えるか微妙、キングスラちゃんはシャムス専属だから一緒に帰宅するつもり満々だしね。
　あとは九尾のお兄さんがいるけど、主として土地を守る気はなさそうです。

　こういうタイプは二つ名を与えるといいぞってイグちゃんにアドバイス貰ったけれど、僕も子供たちもネームセンスがないのである。
　非常に不本意ながら女神様の帰還を待つしかない。いつ帰って来るんだろうあの腐女神。