神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

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第三章 世界に降りかかる受難

第656話

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 あの後、勇者襲撃が五件ぐらいあった。
 多すぎやしないだろうか。
 思わず素になるぐらいびっくりした。

「世界の強制力というか「魔王がいれば勇者が倒そうとする」というテンプレの一つだな」

 魔王様の口からテンプレという単語が出る違和感が凄いでござる。
 そして元凶が女神様だった件、魔王様にまで迷惑かけてた。

「正義の味方が倒しても倒しても悪役が出るようなもんか」
「婚約破棄やピンクと同じ執念を感じます」
『女神の趣味が元凶なのよ』

 でも襲撃犯は現れた時点で肉に群がる冒険者たちに討伐されていました。
 やけに手馴れていると思ったら、レッサーデーモンに斬りかかる連中を日頃から相手にしているからと返答をいただきました。
 魔物が反撃したら喧しいかもしれない、付け入るスキを減らすためにも俺らが相手すればいいんじゃない? 何せ俺らには統括がついている。そんな感じのノリだそうです。

 実際に魔物を匿っていると苦情を入れてくる人はいるらしい、その対処法は――抽選。

 なんで? と思ったら人間相手に殴り込みしたい邪神一家から始まり、慰謝料を搾り取ったり弱み握りたいアカーシャ、アー君の領地にケチを付けた相手に痛い目を見せたい某騎士様、ショタから搾取する汚い大人をせん滅したいショタ守護神、色々参加者がいるそうです。
 アカーシャ以外は命の危険があるね!

「かあちゃーーー!」
『ママァーー!』

「涼玉?」

 ズダダダダー! とこちらへ駆けてくるのは弾けるポップコーンをお代わりに行っていた涼玉とシャムス、イネスは魔王様の膝の上でご機嫌です。

「どうしたの?」
「行き倒れ拾った! お腹空かせているけど無一文!」
『体がぺらぺらなの』

 本体はどこにと思ったら、マールスがすっごい渋い顔をしながら運搬してきた。
 基本的に涼玉以外はお断りだけど、涼玉に頼まれたら断れないのである。

「おーいちょっと端っこ開けてくれ」
「ゴザあるっけ」
「藁でいいだろ」

 テキパキと寝る場所を作ってくれる冒険者たち、とても頼りになるのである。
 きっとアー君の教育が行き届いているに違いない、うむうむ。

 それにしてもさっきからグギョォッォとかゴォォォォとか凄い音しているんだけど、もしかして行き倒れのお腹の音だったりする?

『お腹の音うるちゃいね』
「俺でもここまでじゃねぇぞ」
「ひよこ豆のスープで解決ですにゃー」
「イネスは優しいな」
「みゃぁん」

 ぐるぐるごろごろ、これはイネスの喉の音ですね。
 魔王様に甘やかされてとてもご機嫌、魔王様もイネスが光りすぎないように調整しつつ甘やかしている。あれが大人の余裕?
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