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第三章 世界に降りかかる受難

第650話

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 魔王様はカイちゃんのお世話を出来て上機嫌で帰っていった。
 カイちゃんも僕を思う存分愛でる事が出来て艶々して帰っていった。

 色々あったけど無事に終わった内に入ると思う。

 僕らがそうやってピザを楽しんでいた間、何と刀国にある我が家のキャンプ場ではお見合いパーティーが開催されていたらしい。
 なるほど、僕が近づいてカオスにならないように引き離していたな!
 乱入出来なかったのは残念だけど、そちらも無事に終わったようです。
 カップルどのくらい成立したのかなぁ。

「パパ生きてる?」
『ツンツン』
「返事がない、ただの屍だな、これ」
「癒しの肉球マッサージですよー」
「おあぁぁぁ」

 縁側に転がる騎士様が子供たちに労わられている。
 机の上には一枚だけ持ち帰りしてきた皇帝ピザ、涼玉さえいればいつでも熱々が食べれるので安心。

 用意されたビールにおつまみ、昼間からお酒を飲んでもよい休日らしい休日だけど、当の騎士様が疲労で動けなくなっております。
 でもイネスのマッサージで幸せそうなのでまぁいいか。

 刀雲?
 刀雲はお庭の池で釣りしてます。
 横にはビールとおやつ、それを狙うルド。
 ローは僕を背中に乗せて庭をのんびりお散歩中、とても平和な昼下がりの光景である。

「お疲れだな、俺が足の裏マッサージをしてやろう」
「えっ、待って涼ちゃん」
「アタタタタタタ」
「あだだだだだだ」
「にゃにゃにゃにゃにゃにゃ!」

 騎士様の悲鳴に振り向いたら、涼玉が騎士様の足の裏に連続パンチしてました。
 背中に乗っているイネスがふみふみマッサージから、同じリズムで猫パンチに切り替えている。人によってはご褒美なんだろうなぁ、あれ。

「俺も今日は休みだし、午後からダンジョンの整備行ってくるわ」
「アー君、俺も一緒に行くよ!」
「パパは休んでて、久しぶりのまともな休日だろ」
「そうです、午後はアロママッサージします!」
「デザートも作ってやっからな! 楽しみにしてて!」
『黄金と虹、どっちにしようかなぁ』

 あっ、騎士様が食べないから神薙さんがピザをこっそり食べ始めてる。
 大人は久しぶりに昼間から酒飲み解禁、各自ダラダラと過ごしているはずが騎士様だけ子供たちに群がられて痛い目に合っています。
 でも痛いと言う事はそれだけ体がお疲れという事、やはりマッサージで正解だと思うのです。

 午後はアロママッサージ、その前にスライム風呂に入るはずだから体がよりスッキリするように黄金林檎を使って作ったドリちゃん特製バスクリンを仕込んでおこう。
 そういう訳でロー、専用サロンにこっそりGOです。




 午後、スライム風呂に案内された騎士様が黄金に輝く風呂に異変を感じ、逃げようとしたけれどスライムに捕獲されて強制的にお風呂に入れられて全身が輝くまでマッサージされてました。
 悪戯の犯人としてイネスが疑われていましたけど、犯人は僕です。
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