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第三章 世界に降りかかる受難
第614話
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お茶を頭からかぶったら一つの帝国が滅びた。
そんなプロローグが頭をよぎったけど、帝国兄弟の機転で何とかなりました。ふぃー。
「クリスタル林檎すげー」
「効果えぐいな」
「闇属性特効かぁ」
「俺、兄ちゃんに報告してくるな!」
「あっママ発見」
最初に駆けつけてくれたのはアー君ぐらい大きくなった帝国兄弟の一人、何番目の子かは正直わからない。
ただ僕が産んだ子だというのは間違いない、だって秘密の恋人さんの子供だったら人間なので急激な成長はありえないのである。
抱っこされたけど安定感がいまいち、もっと弟たちのお世話をするがいい。
……そう言えば僕は二桁は軽く皇帝の子供産んだけど、恋人さんは第四皇子以外に何人産んだんだろう?
誰か把握している人いるのかなぁ?
「ママ、えっちゃん落ち着いたか分かる?」
「あれ」
強力な認識阻害をかけているから分かりにくいだろうけど、ちょうど僕にお茶をかけた人達がいた場所に漆黒の炎でできた柱が三本。
防音もかけられていて悲鳴は届かない、でも中は絶対えぐいことになってるだろう。落ち着くどころが激怒真っ最中なのです。
「んー……中見えないなぁ」
「あ、俺いいの持ってる。イネスと面白半分で開発したんだよ、クリスタル林檎を使った眼鏡」
「へぇ貸して、貸して」
僕より頭一つ大きい皇子が眼鏡をかけ、無音で燃え盛る黒い炎を見た。
「うわぁ」
「どうした?」
「生きたまま闇を注入されて魔物になりかけてる」
「俺にも貸して――あぁ、人間に闇を混ぜて細胞を魔物に変えてるんだ。えげつなっ!!」
えっちゃんの闇の中にいるから無事だけど、闇から解放された瞬間に消滅しそうだね。
多分弱っちい魔物だろうし、そのクリスタル林檎で作った眼鏡が十分脅威になると思う。
「ギッ!」
ぺっとドレスの女性が一人闇から放り出された。
ようやく解放されたと立ち上がる姿は健康そのもの、どこにも異常は見られなかった。その姿以外は。
「中途半端に魔物化してキモイ」
「顔半分だけ完全に魔物だなー」
「体は体毛濃くなっておっさんみたい」
「これもしかして失敗じゃなくて、完成とかいう?」
顔半分は元のまま、もう半分が爛れ交じりの化け物になっていた。
異常は顔だけじゃない、白かっただろう腕は毛むくじゃら、今日のために誂えただろうドレスの背中は破れてなんか角みたいなのが生えてます。
「ママ、ステータス見れる?」
「あい」
ポチッとステータス画面を出して確認。
「半魔物って書いてあるよ。呪いの類じゃなく、遺伝子レベルで書き換えたみたいでその姿があの子の正常になったみたい」
呪いじゃないから解呪は出来ない。
体の大半部分が魔物のようになった
あと備考欄に「寿命まで超元気」ってある。やったね、病気知らずだって!
……これ、自死も他殺も出来ないやつだ。
ひょぇ。
そんなプロローグが頭をよぎったけど、帝国兄弟の機転で何とかなりました。ふぃー。
「クリスタル林檎すげー」
「効果えぐいな」
「闇属性特効かぁ」
「俺、兄ちゃんに報告してくるな!」
「あっママ発見」
最初に駆けつけてくれたのはアー君ぐらい大きくなった帝国兄弟の一人、何番目の子かは正直わからない。
ただ僕が産んだ子だというのは間違いない、だって秘密の恋人さんの子供だったら人間なので急激な成長はありえないのである。
抱っこされたけど安定感がいまいち、もっと弟たちのお世話をするがいい。
……そう言えば僕は二桁は軽く皇帝の子供産んだけど、恋人さんは第四皇子以外に何人産んだんだろう?
誰か把握している人いるのかなぁ?
「ママ、えっちゃん落ち着いたか分かる?」
「あれ」
強力な認識阻害をかけているから分かりにくいだろうけど、ちょうど僕にお茶をかけた人達がいた場所に漆黒の炎でできた柱が三本。
防音もかけられていて悲鳴は届かない、でも中は絶対えぐいことになってるだろう。落ち着くどころが激怒真っ最中なのです。
「んー……中見えないなぁ」
「あ、俺いいの持ってる。イネスと面白半分で開発したんだよ、クリスタル林檎を使った眼鏡」
「へぇ貸して、貸して」
僕より頭一つ大きい皇子が眼鏡をかけ、無音で燃え盛る黒い炎を見た。
「うわぁ」
「どうした?」
「生きたまま闇を注入されて魔物になりかけてる」
「俺にも貸して――あぁ、人間に闇を混ぜて細胞を魔物に変えてるんだ。えげつなっ!!」
えっちゃんの闇の中にいるから無事だけど、闇から解放された瞬間に消滅しそうだね。
多分弱っちい魔物だろうし、そのクリスタル林檎で作った眼鏡が十分脅威になると思う。
「ギッ!」
ぺっとドレスの女性が一人闇から放り出された。
ようやく解放されたと立ち上がる姿は健康そのもの、どこにも異常は見られなかった。その姿以外は。
「中途半端に魔物化してキモイ」
「顔半分だけ完全に魔物だなー」
「体は体毛濃くなっておっさんみたい」
「これもしかして失敗じゃなくて、完成とかいう?」
顔半分は元のまま、もう半分が爛れ交じりの化け物になっていた。
異常は顔だけじゃない、白かっただろう腕は毛むくじゃら、今日のために誂えただろうドレスの背中は破れてなんか角みたいなのが生えてます。
「ママ、ステータス見れる?」
「あい」
ポチッとステータス画面を出して確認。
「半魔物って書いてあるよ。呪いの類じゃなく、遺伝子レベルで書き換えたみたいでその姿があの子の正常になったみたい」
呪いじゃないから解呪は出来ない。
体の大半部分が魔物のようになった
あと備考欄に「寿命まで超元気」ってある。やったね、病気知らずだって!
……これ、自死も他殺も出来ないやつだ。
ひょぇ。
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