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第三章 世界に降りかかる受難

第610話

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 森の主ならぬ山脈の山神に出会った。
 山菜はない、代わりに山脈にある希少な植物が背中に生えておる。
 涼玉と同じような能力持ちかぁ、そりゃぁ涼玉が側にくれば植物活性化しちゃうよね。

 そこに僕がいたらさぁ大変。
 もじゃ~もじゃ~と全身の毛皮か植物か分からないものが伸びてるな、と気付いた頃には毛皮と大地が同化してました。びっくり。
 そのまま同化は進み、同時に体も大きくなっているような。

『撤退よ』
「逃げるぞー!」
「みゃおーー!」
「山が揺れてて危険よ、えっちゃんお願い」

 ここ山頂。
 逃げるには登った崖を降りるしかない、だって山神が大きくなりすぎて最早逃げ道が背後しかないから。
 山神の呼吸に合わせるように山が揺れ始めたので、今来た道を降りるのはダメ、危ない、子供たちも怪我しちゃいます。
 だからえっちゃんにお願いして、反対側の山にぴょーんっと皆で転移しました。セーフ。

『避難完了よ』
「あんがとなー」
「あの山にいた山羊や羊もとりあえず脱出出来ましたね」
「ここからでも姿が見えるぐらい大きくなっちゃった」

 わぁさっきまで森の主ぐらいの大きさだったのに、山より大きくなっているね!
 僕知ってるよ、あれ「ダイダラボッチ」っていう日本の伝承に出てくる巨人だー。
 頭が山羊なのは仕方ない、ここ異世界だから、あれは異世界バージョンのダイダラボッチ。

『問題解決よ』
「確かに、あの大きさなら人間が侵略してきても手で払い落とせるな」
「豪快な解決方法ですねー」
「山脈問題これにて一件落着」

 念のため山脈の所有権を山神にしておこう、こういう時に管理画面は便利なのです。
 山脈の恵みをちょっとだけ、本当に必要としている分だけ取るのは許してあげる。でも自分の欲望のために求めたり、独占するのはダメです。ダイダラボッチの怒りを買っちゃいます。
 恐らく謎能力で驚愕のステータスアップしているので討伐は無理なのです、やれるものならやってみるが良い、僕の謎能力に勝てるかな?

 ダイダラボッチが生まれる珍しい光景を見ながら、皆でおやつタイムします。
 あ、このクッキーイチゴ味、これ美味しいなぁもっと食べたい。出来ればイチゴだけでも味わいたい。

『山神の体の一部が赤く染まったよ』
「怪我、ではないですね、なんでしょう?」
「マールス見えるか?」
「あれは……一斉にイチゴが実ったようですな、つまり犯人はイツキ様でしょう」
「あい」

 突然ダイダラボッチの横脇が赤く染まったから怪我をしたのかと思ったけど、皆の話の流れで理解した。どう考えても僕が犯人です。
 イチゴが実ったのかぁ、どうやって収穫すればいいのかなぁ?
 進化が止まれば近付いても大丈夫だよね? でも当分終わる気配がない、でも食べたい。

「あっ、えっちゃん、あのイチゴ採れる?」
「キ!」

 任せろと言わんばかりに闇が輪を作ってOKしてくれたので、イチゴを収穫してもらいました。
 えっちゃんなら安全、安心、怪我人もゼロです。

 さすが離れた場所からも色が確認できただけあり、イチゴでっかかった。
 一粒が刀雲の手のひらサイズ、幾つかとっておいて神薙さんに奉納しよう、こういうのを隠すとなぜかばれるのです。僕いい子だからバレる前に渡します。

 ……大きすぎて食べにくい。
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