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第三章 世界に降りかかる受難

第605話

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 偽教会がカイちゃんによってぶっ潰されました。
 回収されたサキュバスはカイちゃんの眷属になり、魔族となったことで絶対忠誠が発動、恋の奴隷になったのである。めでたしめでたし。

 黄金の建物はイネスが建物ごとお持ち帰り、聖地の名物にするんだって。
 使い道が平和で安心する。

 そしてカイちゃんが地下に見つけた弱い生体反応の正体、雷がバチバチする虎さんだった。
 炎虎に続き今回は雷虎、ロマンが溢れている。
 ただし雷虎の幼体、首には隷属の首輪、違法奴隷というやつです。
 どうやら珍しい種や獣人を集めて売り捌いていたようです、イネスの信者になった人たちがペラペラ教えてくれました。極刑じゃ足りない。

 サキュバスに魅了されていた教会関係者はイネスの魅了にあてられ廃人同然、保護する気にもなれなかったのでどうしようとか思ってたけど決めた。
 邪神様、邪神様、おいでください。

「ごはん」
「どうぞ!」

 偽教会がなくなり、更地になった土地の真ん中に廃人になった人達を集め、心の中で神薙さんを呼んだら秒で来ました。
 神の名を語って悪いことしたらこうなる。という例です。
 皆さん、安易に神様を名乗ってはいけませんよ。

 もふもふ苛める、ダメ絶対。

 教会が突如消えたので訪れた人達が戸惑って周囲にいたけれど、生きたまま食われる聖女たちを見て腰を抜かしたり、悲鳴を上げて逃げ出したりしてます。
 信者の中にはさくらと被害者両方いるからね、まぁ……その辺はヴィシュタル教の人に処遇は任せた。

 神薙さんが人を食べるのを見て、おデブな貴族が腰を抜かして逃げ遅れてます。
 いや、何か背後からイグちゃんが押さえ込んでるね、仲間の一人ですか?

「母上」
「あい」
「ここは私に任せてくれますか?」
「分かった!」

 残酷な場面を見るなってことよね、了解!
 神薙さんが一人一人丸呑みしていて、たまにお口から腕とか足とか見えてる。怖い。
 恐怖を与えるためにああやって残酷な食べ方しているけど、丸呑みだから血が付いてなくてモザイクがかからない、まさかの弱点が発覚しました。

「雷虎の赤ちゃん、連れてくね」
「はい、お願いします」
「小さいですねー、教会に行ったらひよこ豆のスープもらいましょうねー」

 この子は弱っていたので残されていたけど、他の子は売り捌かれたのか場所を移されたのか、地下にはいなかったの、イネスの信者になった人たちも特に情報をもっていなかった。
 知ってそうなお偉いさんから一人一人お話を聞くよりも、神薙さんに食べてもらって記憶抜いた方が早いのよ。
 邪神の特殊スキルです。

「ママさん迎えに来るかな?」
「きっとここに向かってます、回復させる前にシャムスと合流しましょう」
「あい」

 温かいご飯を食べて、暖かい所で眠ろうね、きっと良くなるよ。
 二度と人間に害されないよう、雷ちゃんに加護もらおうね、いい子、いい子。

「さて、母上は行きましたね」
「全員食べていいんでしょ」
「ええもちろん。これは私からの依頼なのですが、奴隷を売った者、買った者、手伝った者、男女関係なく関係者は全員食べて良いですから、売られた獣人や魔物を出来る限り助けてあげてください。一人でも多く助ける事ができればきっと母上が喜ぶでしょう」

 その微笑は邪神である自分から見てもゾワッとしたと、後に神薙は主に語った。
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