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第三章 世界に降りかかる受難
第597話
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アー君がシャムス達を呼んだので、せっかくだから採取大会を開催したのにスタートダッシュで躓きました。
ドリルヘアーの女剣士さん、僕の言葉に耳を傾けません。
ラノベによく居る思い込みが激しく、自分の意見が絶対に正しいと信じるタイプみたいです。
洗脳なんてされてません。どちらかというと……僕が洗脳した側。
今はオーガ君に剣を向けているからえっちゃんは動かないけど、殺気を僕に向けたら一瞬で終わります。
この手のタイプはスルーしても騒ぎながら追ってくるから面倒なのです、廃棄したい。
「遊びの邪魔なのでお帰りください」
「可哀想に、怯えて正常な判断が出来ないのね」
一応帰れアピールしてみたけどダメだった。
僕が怯えているように見える? オーガに肩車してもらい、大事な角を握っている幼児のどこが怯えているように見えるのだろうか。頭より目が曇りすぎて心配ですねー。
「わたくしが来たからにはもう大丈夫、きっと貴方を解放してみせますからね!」
「言葉が通じない」
えっちゃんに視線を向けた。
バチンと一発行く?とジェスチャーされました。
それは最終手段でお願いね。
一応冒険者のようなので、無暗にぺちんする訳にもいかなくもない。
なので無視することにしました。
攻撃されても今のオーガ君なら無敵ですから、そもそもドリルヘアーの持っている針金みたいな剣じゃ攻撃通りません。……なんて言う武器だっけ、あれ。競技にもあるよね? 全身白タイツのイメージがある。
霧をぶわーってさせ、音声をシャットダウン、半径2m以上は近付けないようにしました。
採取する方が大事なのです。
いや、音声を届かなくするぐらいなら、えっちゃんにどこかに飛ばしてもらえばいいんじゃない? ではえっちゃん先生お願いします。
「――っ!!」
どうやら居なくなったようです、とても素晴らしい。
最初からこうすればよかった。霧もないない。
「あれクルミ、炒って食べると美味しいの」
「ぐおお」
「涼玉の豊穣効果で品質向上しているから、どれを採っても美味しいよ。今なら生でも食べれるかも」
えっちゃんにも助けてもらいながら楽しく採取を再開です。
ここの森、自然の恵みが豊富だなぁ。
それとも涼玉が楽しんでいるから普段はない物も実っている? その可能性もあるかー。
「ぐぎゃぎゃ」
しばらくクルミを採ることに専念していたら、いつの間にかゴブリンの群れが近くにいました。
えっちゃんが無反応だから敵ではないのかな?
まぁこの僕に掛かればゴブリンなんて一瞬で味方だけどね!
「ぐおっ」
「ぎゃぎゃー!」
近付いてきた一匹のゴブリンにオーガ君が手のひらを広げてクルミを見せている。
もしや知り合い?
オーガとゴブリンって共生出来るんだ。
「ぎゃっ!」
「ぎゃー!」
前に出てきた個体がクルミを一つ取って仲間に見せると、まるで「よっしゃー!」とでも言うように両手を挙げて喜んでいます。
困惑する僕を察知してえっちゃんが影で人形を出し、ゴブリン達に話を聞いてくれました。
どうやら彼ら、オーガ君の育ての親らしい。
ギルドでアー君が言っていた早朝に薬草を採取してポーションを作り、商業ギルドに卸している群れだった。
ドリルヘアーに危害加えられなくて良かったぁぁ! オーガ君のことはアー君を通してギルドに通達してもらわなきゃ!
「ぐぎゃ!」
あれこれ真面目に考えていたら、ゴブリンがクルミをすり潰して持っていたお団子にまぶしていました。
一個もらったのでもぐもぐしたら、なんと薬草をこねて作った薬草団子でした!
薬草の味が強くて美味しく食べれる方法を探していたらしい、クルミが役に立って何よりです。
ドリルヘアーの女剣士さん、僕の言葉に耳を傾けません。
ラノベによく居る思い込みが激しく、自分の意見が絶対に正しいと信じるタイプみたいです。
洗脳なんてされてません。どちらかというと……僕が洗脳した側。
今はオーガ君に剣を向けているからえっちゃんは動かないけど、殺気を僕に向けたら一瞬で終わります。
この手のタイプはスルーしても騒ぎながら追ってくるから面倒なのです、廃棄したい。
「遊びの邪魔なのでお帰りください」
「可哀想に、怯えて正常な判断が出来ないのね」
一応帰れアピールしてみたけどダメだった。
僕が怯えているように見える? オーガに肩車してもらい、大事な角を握っている幼児のどこが怯えているように見えるのだろうか。頭より目が曇りすぎて心配ですねー。
「わたくしが来たからにはもう大丈夫、きっと貴方を解放してみせますからね!」
「言葉が通じない」
えっちゃんに視線を向けた。
バチンと一発行く?とジェスチャーされました。
それは最終手段でお願いね。
一応冒険者のようなので、無暗にぺちんする訳にもいかなくもない。
なので無視することにしました。
攻撃されても今のオーガ君なら無敵ですから、そもそもドリルヘアーの持っている針金みたいな剣じゃ攻撃通りません。……なんて言う武器だっけ、あれ。競技にもあるよね? 全身白タイツのイメージがある。
霧をぶわーってさせ、音声をシャットダウン、半径2m以上は近付けないようにしました。
採取する方が大事なのです。
いや、音声を届かなくするぐらいなら、えっちゃんにどこかに飛ばしてもらえばいいんじゃない? ではえっちゃん先生お願いします。
「――っ!!」
どうやら居なくなったようです、とても素晴らしい。
最初からこうすればよかった。霧もないない。
「あれクルミ、炒って食べると美味しいの」
「ぐおお」
「涼玉の豊穣効果で品質向上しているから、どれを採っても美味しいよ。今なら生でも食べれるかも」
えっちゃんにも助けてもらいながら楽しく採取を再開です。
ここの森、自然の恵みが豊富だなぁ。
それとも涼玉が楽しんでいるから普段はない物も実っている? その可能性もあるかー。
「ぐぎゃぎゃ」
しばらくクルミを採ることに専念していたら、いつの間にかゴブリンの群れが近くにいました。
えっちゃんが無反応だから敵ではないのかな?
まぁこの僕に掛かればゴブリンなんて一瞬で味方だけどね!
「ぐおっ」
「ぎゃぎゃー!」
近付いてきた一匹のゴブリンにオーガ君が手のひらを広げてクルミを見せている。
もしや知り合い?
オーガとゴブリンって共生出来るんだ。
「ぎゃっ!」
「ぎゃー!」
前に出てきた個体がクルミを一つ取って仲間に見せると、まるで「よっしゃー!」とでも言うように両手を挙げて喜んでいます。
困惑する僕を察知してえっちゃんが影で人形を出し、ゴブリン達に話を聞いてくれました。
どうやら彼ら、オーガ君の育ての親らしい。
ギルドでアー君が言っていた早朝に薬草を採取してポーションを作り、商業ギルドに卸している群れだった。
ドリルヘアーに危害加えられなくて良かったぁぁ! オーガ君のことはアー君を通してギルドに通達してもらわなきゃ!
「ぐぎゃ!」
あれこれ真面目に考えていたら、ゴブリンがクルミをすり潰して持っていたお団子にまぶしていました。
一個もらったのでもぐもぐしたら、なんと薬草をこねて作った薬草団子でした!
薬草の味が強くて美味しく食べれる方法を探していたらしい、クルミが役に立って何よりです。
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