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第三章 世界に降りかかる受難
第579話
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婚約破棄と言えば良くあるパターンが男性が女性に言い渡すタイプ。
でも今回は珍しく派手なドレスを着た女性が男性に言い渡していた。
まずここはカイちゃんの領土である砂漠地帯だから、西洋ドレスみたいな文化はない。
次に私有地です。
神獣から邪神一族まで出入りする別荘です。命乞いが通じるといいね。
あと一年を通して常に魔物が入り浸っているので、人間が近付くのも普通に無理なんだけどなぁ。
どの辺からツッコミ入れたらいいか迷う。
本当、どこから湧いたんだろう。
「真実の愛の相手はどこ?」
「まぁ貧相な子供っ」
貧相。で闇がぶわってなって、子供、と言った瞬間にドレスの人と、横に立っていた人が消えました。
えっちゃんの仕事が早すぎて今回も身元不明者が増えただけだったのです。
婚約破棄を言い渡された青年も呆然としてます。
分かる。今のスピードは僕もびっくりした。
……ん?
何やら青年の視線がおかしいような、ドレスの人がいた場所から視線がずれている。
どこを見て……?
視線を辿ったらプールサイドに入れず困っているクラーケンがいた。
僕が間違っているのかな、と思って視線をもう一回辿ったけど、間違ってなかったのです。青年Aはクラーケンを見つめています。頬を染めて。
「美しい」
何か言い出した。
「白く艶やかな肌」
クラーケンだからね。
「黄金に輝く四つの瞳」
クラーケンだからね。
「船より巨大なその体も素晴らしい」
クラーケンだからね!!
あと出会ったのは船を沈めた所だったなぁ。
あっ、なんかクラーケンがほんのりピンク色に染まった。
もしかして照れているのだろうか、ツッコミが追い付かないよえっちゃん。
この理解の範疇を超えた告白劇を終わらせるにはどうしたら……そうだ、謎能力でどうにかしよう。
「小さくなったらクラーケンの魅力は消えますか?」
「私が巨人に進化するのとどちらが効率がいいだろうか」
ダメだこの人。
実は婚約破棄した女性は正しかったんじゃ……? もう手遅れだけど、冥福だけ祈っとこ。
「大きな体でいちゃつかれると邪魔だし、クラーケンは水棲なので地上では暮らせません」
「そんなっ、海の魔物に進化する方法はないのですか!?」
誰得か分からない進化をしようとするのは止めよう?
チラッとクラーケンを見上げる。
特殊性癖全開のこの人を見つめる瞳に嫌悪感は見られない、それもそれですっごいなぁ。
じゃぁ、まぁ、えっちゃん先生、お願いしまーす。
闇がぶわっとクラーケンを飲み込み、ぎゅっぎゅっと揉みこんでー、揉みこんでー、闇をほどくとあら不思議、下半身がクラーケンの儚げ美人なお兄さんが爆誕した。
感想を聞こうとしたらいつの間にか移動して、クラーケンの手を取ったまま動かない。
もう放っておこうと思う。
でも今回は珍しく派手なドレスを着た女性が男性に言い渡していた。
まずここはカイちゃんの領土である砂漠地帯だから、西洋ドレスみたいな文化はない。
次に私有地です。
神獣から邪神一族まで出入りする別荘です。命乞いが通じるといいね。
あと一年を通して常に魔物が入り浸っているので、人間が近付くのも普通に無理なんだけどなぁ。
どの辺からツッコミ入れたらいいか迷う。
本当、どこから湧いたんだろう。
「真実の愛の相手はどこ?」
「まぁ貧相な子供っ」
貧相。で闇がぶわってなって、子供、と言った瞬間にドレスの人と、横に立っていた人が消えました。
えっちゃんの仕事が早すぎて今回も身元不明者が増えただけだったのです。
婚約破棄を言い渡された青年も呆然としてます。
分かる。今のスピードは僕もびっくりした。
……ん?
何やら青年の視線がおかしいような、ドレスの人がいた場所から視線がずれている。
どこを見て……?
視線を辿ったらプールサイドに入れず困っているクラーケンがいた。
僕が間違っているのかな、と思って視線をもう一回辿ったけど、間違ってなかったのです。青年Aはクラーケンを見つめています。頬を染めて。
「美しい」
何か言い出した。
「白く艶やかな肌」
クラーケンだからね。
「黄金に輝く四つの瞳」
クラーケンだからね。
「船より巨大なその体も素晴らしい」
クラーケンだからね!!
あと出会ったのは船を沈めた所だったなぁ。
あっ、なんかクラーケンがほんのりピンク色に染まった。
もしかして照れているのだろうか、ツッコミが追い付かないよえっちゃん。
この理解の範疇を超えた告白劇を終わらせるにはどうしたら……そうだ、謎能力でどうにかしよう。
「小さくなったらクラーケンの魅力は消えますか?」
「私が巨人に進化するのとどちらが効率がいいだろうか」
ダメだこの人。
実は婚約破棄した女性は正しかったんじゃ……? もう手遅れだけど、冥福だけ祈っとこ。
「大きな体でいちゃつかれると邪魔だし、クラーケンは水棲なので地上では暮らせません」
「そんなっ、海の魔物に進化する方法はないのですか!?」
誰得か分からない進化をしようとするのは止めよう?
チラッとクラーケンを見上げる。
特殊性癖全開のこの人を見つめる瞳に嫌悪感は見られない、それもそれですっごいなぁ。
じゃぁ、まぁ、えっちゃん先生、お願いしまーす。
闇がぶわっとクラーケンを飲み込み、ぎゅっぎゅっと揉みこんでー、揉みこんでー、闇をほどくとあら不思議、下半身がクラーケンの儚げ美人なお兄さんが爆誕した。
感想を聞こうとしたらいつの間にか移動して、クラーケンの手を取ったまま動かない。
もう放っておこうと思う。
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